鬱 (双葉文庫)

著者 : 花村萬月

• 双葉社 (2000年6月発売)

作品紹介・あらすじ

いちばんの快感は、他人の意思、あるいは意志をねじ曲げることである。無数の本が書かれたことの底辺にある、ある後ろ暗い、ほとんど無意識の欲求の本質は、文字という柔らかな抽象を用いた洗脳である。安穏とした日常を打ち壊すべく放たれた、新生・花村文学の超衝撃作。

感想・レビュー・書評

[ミサイルボーイさんのレビュー · 2017年10月12日]

ヘビーな作品です。著者にしてはバイオレンスは控えめなのに、やたらヘビー。こんな作家がいて良かったなあと思います。タイトルはあれな感じですが　笑

[kvkさんのレビュー · 2013年3月28日]

花村萬月好きなんだけど、でもちゃんと読むのは多分2冊目。で、やっぱ好きだった。エログロと宗教を根底においた極私的な倫理=王国の構築。文章が非常に上手で、色々酷いダメ主人公響の脳内独白が延々と語られるくだりなんかは、とても好み。村上龍好きな人とかにオススメかもしれない。

王国記も続き読もうっと。

[Makotoさんのレビュー · 2012年5月5日]

この小説は、すごいの一言に尽きると思います。
非常に厚いのと文学なので、読むのに時間がかかりますが、読んでよかったと思えます。
最後の展開の仕方はまったくもって予測できなかったです。
凄かったです。
ただ、実質文学なのでノベルの感覚で読もうとすると難しいと思います。

[おーたむさんのレビュー · 2011年12月15日]

自己愛と性欲で形作られたような主人公。
これはだめな感じだ～。
ごく初めの方で読むのをやめてしまいました。ごめんなさい。

[NAUGHTYさんのレビュー · 2011年10月15日]

哲学的、宗教的な表現がありずしっと思い読了感。性的模写、殺人の場面はリアル。舞浜響は作者が半場モデルだれうか？結構いい奴なんだろう。

[t-nagahamaさんのレビュー · 2010年12月30日]

好みがキッパリと分かれる作品。主人公の心理描写や交わされる言葉、文字が全てズシッと重苦しい感じ。猛毒を含んだ作品です

[lancerevox424さんのレビュー · 2010年12月1日]

小難しい言葉で書かれた変態小説。

私自身が自宅で4匹の猫を飼っているので、ストーリーの初っ端に主人公が4匹の仔猫を残酷非道に殺害するシーンには衝撃を受けたというよりも正直ムカついた。が、読み進めていくうちに、何故ここまで残忍でグロくて性的にも社会的にも逸脱した人物を描けるのだろう、と感心してしまう。そして、それは言うまでもなく、作者の文才だと思う。

花村萬月初読了本にしては、結構ディープな選択だったかもしれないけど、他の作品も読んでみたい。

[dariaさんのレビュー · 2009年10月20日]

図書館で借りました。

[ruin_kamさんのレビュー · 2007年3月16日]

私が大学で初めて読んだ小説です。
この人の作品にはどこか強く
惹かれるものがあります。

[fukuさんのレビュー · 2007年3月7日]

読後感がタイトル通りの気分にさせられてたまらない

著者プロフィール

花村萬月（はなむら まんげつ）
1955年、東京生まれ。1989年、『ゴッド・ブレイス物語』で第２回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。1998年、『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、同年『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞、2017年、『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞をそれぞれ受賞している。