MAZE (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 2702
レビュー : 308
  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575509083

感想・レビュー・書評

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  • 恩田陸らしい非現実と現実が混じり合うような世界観で、薄い本ということもあり一気に読み終えた。
    本の世界に入れる人にオススメ。

  • 異国の荒野に立つ矩形の白い遺跡、通称『豆腐』。
    そこでは昔から何度も人間が消えていた。
    “存在しない場所”“有り得ぬ場所”と呼ばれ、現地の人間さえ近づかないこの場所で4人の男たちは人間消失の謎に挑む。

    再読なのに内容をすっかり忘れていたので楽しめた。
    面白かった。途中から真相に近づく手ごたえと同時に感じる緊迫感と恐怖感。一人で読んでいて思わず周りを見回してしまうほどだった。すっかり飲み込まれてしまってた。読み終わって満足した今でも、登場人物や遺跡に対して残る底知れない不安感。でも嫌な感じがしない恩田作品独特の余韻。
    次の『クレオパトラの夢』読まなきゃ。

  • 安楽椅子モノの冒険譚とでも言うべきか。まるで「聖なる怠け者の冒険」のような矛盾をはらむ表現だが、実際にそうなのだから仕方がない。本のカバーには「幻想的な長編ミステリー」とあったけども。文字通り椅子に座って推理しながら、ホラー的な環境で冒険するわけで、どちらに分類しても間違いではないのだろう。

    アジアの西の果ての荒野に「入った人が消える」と伝えられている豆腐型の巨大な建造物があり、主人公ら4人がその謎解きに挑むという物語。すぐ近くに野営しつつ、主人公の満は自分が消える恐怖や、閉じ込められる恐怖、亡霊に襲われる恐怖とたたかう。その設定に、むかし観た映画「CUBE」や、閉じ込められた建物からの脱出を図る米澤穂信氏の小説「インシテミル」、映画化もされた「バトルロワイヤル」を連想した。

    狭いところに閉じ込められる感覚というのは怖いものだ。子供の頃、登場人物の恵弥のように押入れに閉じ込められて怖かったという人も少なくないのだろう。ただ、私の押入れへの思いは少し異なる。私は子供のころ、よく部屋の押入れに入っては日常からの脱出を試みた。子供部屋を妹と私の2人で使っていたのだが、ひょっとしたら一人きりになれる空間がほしかったのかもしれない。自分の城にワクワクしつつ、外に出たらいつもの日常がいきなり消えてやしないかと急に怖くなったりもした気がする。

    大人になってから閉じ込められて辛かったのは、台風が迫ったときの通勤電車だ。ぎゅうぎゅう詰めで息が苦しくなった。思い出すだけでもいやな気分になる。この小説の中でも、嵐の中でテントに閉じ込められる場面がある。恵弥と満はそこで更に怖い目にあうのだが、その恐怖感・不快感たるやいかばかりか。

    ホラー的な場面やどんでん返し、含みを持たせたエンディングと盛りだくさんで、面白かった。続編の「クレオパトラの夢」も今度読んでみようかと思う。

  • 丘の上に立つ白い立方体の建物。そこに入った人間は一定の確率で「消える」と言われ、地元の人間の間で「存在しない場所」と呼ばれて恐れられていた。神原恵弥、時枝満、スコット、セリムの4人はこの建物の謎を解くべくこの地を訪れた。一人また一人と消えていくクルー。極限の緊張感の中で彼らは無事に真実に辿り着くことができるのか。

    不可解な現象が次から次へと起こる様はまるでジョジョの世界観のようでした。荒木先生が絵を付けたらものすごく面白いのかなあなんて想像し、ラストは人間を異次元に飛ばすスタンドとの対決!、とはならず、あっけなく終わってしまいました。恩田陸さんらしいのかもしれない。

  • 恩田陸さんのキャラクターの中でもすごく好きな恵弥の出る話。終始不気味な雰囲気を纏った話だけど、特に「めぐみぃー」のところは怖かった。

    短いし面白いのでサラッと読める。

  • 人間消失という伝説そのもの、考察、解ける謎と解けない謎……不安定で幻想的な恩田ワールドに浸れる1冊。本編とは直接関係ないけれど、男である恵弥が「女らしさ」を選んだ理由がなかなか面白かった。

  • まさかのホラーかと思った。まさかまさか。
    ゆうても続編「クレオパトラの夢」を先に読んじゃったので、恵弥がこんな間抜けじゃないとは思っていたけど。

    なかなかスリルがあった。

  • 相変わらず素晴らしい文章力、表現力、構成力。
    ただ、謎解きの閃きや、物語の終わり方に魅力が感じられない。
    友人からとてもいいときいていたから、期待値が上がっていたのか?
    中盤までは素晴らしい展開。
    ぐんぐん読ませる文章で、時間を忘れさせてくれる。

  • h19.6/16

  • 自分の中であたりはずれが大きい作者=恩田陸。
    しかも「長編ならいける」とか「ミステリーは無理」とか言うルールも皆目見当がつかず、いつも後回しにしてしまいます。(ハイ、MAZEの影響受けてます)

    しかししかし!!

    今回はあたり♪

    短い話を一日で読みきったからか単に内容がマッチしたのか、鶏が先か卵が先か、とにかく勢いよく読みきってぷはー!!

    「人知れぬ」土地に「なぜか」ある「不思議な」四角の物体、中は迷路。お得意の不思議スタートです。
    「有り得ない場所」「存在しない場所」として恐れられているこの場所は、未確認の植物に囲まれた人間消失のいわくつき場所。ホラー要素も入ってます。
    「ミッション」に携わるため現れた、4人の男:軍人、現地ガイド、オカマ言葉野郎とその友達、プー太郎・・・恩田さん、ズレテマセンカ?
    なにやら怪しげなことに携わってる3人を片目に、プー太郎が人間消失のなぞに迫る!

    こうやって書いてみると、何がそんなに良かったんでしょうか。
    わかんないですけど引き込まれました。
    いつも通り最後には理論的結論を提出してくれる点もいいんですが、こういう「ちょっと現実離れした謎」系には理論でぶつかっていかず流れに身を任せたほうがいいんですね。

    予定のない週末、裏庭で3リットルの水とともに過ごすには最適の一冊でした。

    それから初めて大文字の恐怖を味わいました。文字でびびるって・・・小説ってすごい。

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著者プロフィール

恩田陸(おんだ りく)
1964年、青森市生まれ。水戸第一高校を卒業し、早稲田大学進学・卒業。1991年、第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった「六番目の小夜子」でデビュー。2004年刊行『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞及び第2回本屋大賞、2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。2017年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞、第5回ブクログ大賞などを受賞した。同作品による直木賞・本屋大賞のW受賞、そして同作家2度目の本屋大賞受賞は史上初。大変大きな話題となり、代表作の一つに挙げられるようになった。同作は2019年4月に文庫化され、同年秋に石川慶監督、松岡茉優・松坂桃李らのキャストで映画化される。

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