晩鐘 下 (双葉文庫 の 3-6)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (698ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575510102

感想・レビュー・書評

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  • 何か事件、事故が起こると、当人の事情、心情同様、降って沸いた悪夢の様な出来事に家族は…そう思ってしまう。そして事件当初はセンセーショナルな事も、時間の経過と共に世間の人々の興味は薄らいでいく。しかし関係者には形は変えても一生付き纏う影。一つの事件は多くの人達の人生を狂わす起点でしかない。その運命をどう生きるか?関係者が年端のいかない子供なら、どう守って行くか?最後は涙無くして読めなかった。

    2022年最後の本がこれはきつい。今日、明日と気分を変えるためもう一冊読もう!

  • 色々かんがえさせられ、夢中で読んだ「風紋」の続編。
    負の連鎖は止まらないのか、と思うほど読んでいてやるせなくなった。
    建部と真裕子がこれから穏やかに暮らせるように祈るばかり。

  • 風紋で描かれた殺人事件の被害者遺族、加害者関係者のその後。7年後。
    風紋の続編と知らずに読み始めた
    すぐに気がついた。それからは一気読み。
    久しぶりに納得する内容の小説を読んだ

  • なんだか、やりきれない思いが残る一冊だった。ハッピーエンドで終わるはずがないとわかっていても、こうなる前にどうにかならなかったのかなあと考えさせられる。
    誰が一番気の毒かと考えると、香織の両親。大切な孫を二人も失って、しかもたった一人残った孫が捕まって、この先彼らはどのように生きていくのかと考えるとなんとも重い気分になる。
    真裕子は建部さんとうまくいって良かった。けど、この大輔の行動の発端が自分の書いた記事にあることに建部さんがどのくらい衝撃を受けるかを考えると、少し不安が残る。
    犯罪を犯した加害者、被害にあった被害者以上に、家族がこんなにも大きく運命を狂わせられることを知り、一つ一つの事件や事故にもどれだけの悲しみや苦しみがあるのかを想像させられる内容だった。

  • 「風紋」の登場人物たちのその後
    被害者の家族、加害者の家族とも穏やかには暮らせていない。
    あの事件さえなければ、どちらも普通に成長して、普通の生活を送れていただろう。
    被害者の娘真裕子は建部と出会って良い方向に行きそうだけど
    加害者の息子大輔は、苦しくなるほどに辛い人生を送っている。
    この先ももっと知りたいと思った

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    母親を殺害された高浜真裕子は、そのとき高校二年生。心に癒しがたい傷を負った。一方、加害者の子供たち大輔と絵里は長崎の祖父母のもとに預けられ、父と母を知らずに成長する。運命が変わったあの日から七年、かけがえのない人をもぎ取られた真裕子の心の傷は癒えるのか。殺人犯の父親を持った子供たちは、その運命を受け容れることができるのか。

  • 日本に帰国する前に途中まで読んでいた作品。またこちらに戻り読了。被害者、加害者家族のその後のストーリー。被害者家族はそれぞれに時間を進めようと踠き、加害者家族は息子が幕を引く...途中、なんとも言えない邪悪な部分を見せられたけれど、エンディングにはやり切れなさに涙が止まりませんでした。

  • 母を殺された家族だけではなく、犯人の家族もまた被害者なんだ…
    二つの家族は否応なしに辛い人生を歩まなければならない。
    そして、その辛い思いを知った時、犯人となった者の償いの日々が始まるのかもしれない。
    もう、二度と戻れない家族の形。
    実際に日々テレビでニュースとなる殺人事件の裏には、きっとこんな家族がたくさんいる。
    そう思うとやるせない気分になる。

    2016.9.13

  • 一言で言って良い作品だと思う。
    下巻に入って、少し面白味がなくなってきたと感じていたが、ラスト100ページ辺りからまた、グングン引き込まれていって、最後まで一気読み。ラストは何だかとても泣けてくる可哀想な展開だった。こんな人生はとてもとても耐えられないと思う。それにしても今まで乃南アサ、ノーマークだったのが悔やまれる。これから他の作品も読んでみよう。

  • 上・下読み終わりました。本当にあるような話で気持ちが重たくなりながら読み終わりました。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞優秀作となる。96年『凍える牙』で第115回直木賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞、2016年『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。主な著書に、『ライン』『鍵』『鎖』『不発弾』『火のみち』『風の墓碑銘(エピタフ)』『ウツボカズラの夢』『ミャンマー 失われるアジアのふるさと』『犯意』『ニサッタ、ニサッタ』『自白 刑事・土門功太朗』『すれ違う背中を』『禁猟区』『旅の闇にとける』『美麗島紀行』『ビジュアル年表 台湾統治五十年』『いちばん長い夜に』『新釈 にっぽん昔話』『それは秘密の』『六月の雪』など多数。

「2022年 『チーム・オベリベリ (下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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