殺人症候群 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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レビュー : 136
  • Amazon.co.jp ・本 (711ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575510140

感想・レビュー・書評

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  • すごく緻密に描かれたストーリーなのに、なぜか登場人物の気持ちがダイレクトには伝わってこない。特に手を下す役回りの渉の動機が、事実の列挙だけなのは致命的なのではないか?響子にはなぜ微塵も葛藤がないのか?和子の描写から読者は何を読み取ればいいの?それぞれのエピソードがうまく完結してない感があるので、全体としてぼやけている。雰囲気づくりがうまいだけに残念。

  • 殺人を犯しても未成年法やそれによる保護でほとんど野放しの少年犯罪者。
    彼らによって家族を一方的に奪われた被害者がとある人物を通して、復讐を果たしていく。
    その復讐代行人の二人は、一人は正義のため、もう一人は相棒のために葛藤する。
    殺人として捜査する警察は、復讐屋の存在に気づき、徐々に追い込むが、中々たどり着くことはできなかった。
    または病気の息子のドナー確保のために、密かに殺人を犯すとある母親。

    殺人・復讐、それらについての事柄を、複数の視点から描写した本作。
    シリーズものではあるが、前作を知らなくってもある程度楽しめました。
    ただ、残念なのが、ドナーを探す母親の結末でした。
    殺人を犯すリスクの代償が、理不尽な人間から理不尽な目に遭わさせられるという結末で、因果応報というには私にはあまり納得できかねる相手だったので。
    殺人や復讐について、自分で答えを導き出すためのストーリなので、納得のいく答えや結末がないのは仕方ないのでしょう。

  • さすが貫井徳郎。復讐は正義か、という重いテーマを扱いながら、そのテーマよりも物語が前面に出ているため、読めてしまう。小説家の鑑。事件に、登場人物に、しっかり引き込ませながら読ませ、サブリミナルのようにテーマがある。杓子定規な正義に、感情移入してしまう悪。頭と心の分離。何が正しくて何が正しくないのか。考えさせられるようで、考える暇もないくらい物語に没入してしまう。好き。

  • 2018/6/28

    失踪、誘拐、殺人と三部作。

    答え出ないな。
    殺したいって気持ちは死ななきゃ治らないのかも。

  • 今まで数多くの推理小説や警察小説や犯罪小説を読んできたが最低レベルの本だ。
    分厚い本だが、まず展開が遅く同じ様な事が繰り返される。何か所も飛ばし読みをした。
    もっと問題なのは設定がめちゃくちゃ過ぎてリアリティーが感じられない事だ。著者が自分の思うような展開にするため有り得ない設定をしている様に感じられる。

    ・動機の分からない殺人で一番疑われるのは人違い殺人だ。何も頭を絞って必死に考えることもない。なぜ間違われたのか、容貌が似ているからか住所が同じだからか、名前が同じだからか、その線から追って行って和子の線にと言うなら分かる。しかしこの小説の展開はなぜか和子の犯罪と直接結びつく動機を思い付く。
    ・和子が狙っている引籠りの男を殺そうとするのに30メートルも走る。狙いの男を探すのにあれだけ慎重だったのが、30メートルも走れば通行人だけでなく車に乗っている人間(運転手だけでなく同乗者)の眼もある。
    ・ぶつかってい言い訳をするのに「ごめんなさい、急いで走っていて歩道が狭いので躓いた」とでも言えばいい。狙いの男が和子をいたぶるという状況を作り出すためにこうした設定にしている。
    ・ぐったりしている人間は非常に重い、屈強な男でも支えるのは難しい。乳房の下に腕を回して支えても頭や肩が崩れてしまう。その説明に陽子が半分覚醒した様な事を言っているが半分覚醒したところで同じことだ。引き籠っている間ゲームやDVDをしないで筋トレに励んでいたのか?
    ・更に首を折るとか髪を引き抜いて血が出たために動転したと言う設定だが、髪を引き抜いて血が出たと言う事は読んだ事も聞いたこともない。引き籠りお宅はいくら気が強いと言っても犯罪は素人だ。時間を稼げば疲れて腰を抜かすだろう。こういう場面では時間稼ぎが重要だ。現役と元のデカが揃って素人の引籠りに手も足も出ない。鍵を放るにしたってすぐ取れる所に放るなど愚の骨頂だろう。この場面は後で陽子が殺される場面に繋げるために犯人に逃げられる事にしてある訳だ。もっとうまい話の持って行き方があるのでは?

  • 土ドラの原作の本。ドラマでは犯罪症候群となっていたか。内容はもちろんこちらの方が厚いが、なかなかページ数もだが読み応えがあった。読むのに時間かかった

  • このシリーズを読み始めた頃はこんな結末を予想していただろうか…。シリーズの完結を見届けることができて良かった。おもしろい。久しぶりに本のために夜更かしをした。それでも満足できる内容だった。

  • テレビ先行で読み始めた。三人を一人に集約したんだな。
    内容的には、切ないね〜

  • 「失踪症候群」「誘拐症候群」に続く連作、三作目の最終そして一番の長編大作だ。
    警察が表立って捜査出来ない事件を秘密裏に調査するメンバーたちの物語だ。
    この「殺人症候群」は大切な人を殺され、殺人犯たちの刑罰に不満をもつ人たちの恨みをはらす人たちがいるという設定で調査が始まる。一見それぞれは関係がないように見える多彩な登場人物たちがそれぞれの物語の中で行動していき、最終的にストーリーはひとつに結合していく。
    この作品が最初に出版されたのは2002年、今から15年も前であるが、内容も時代背景も普遍性を持ち古さを感じさせない。大切な人を理不尽に殺されたものの気持ちはどのようにして昇華していったらいいのか、というテーマを重い作品にすることなく、エンターテイメント作品として読者に提示していると感じる。読後は「面白かった」と同時に「深く考えさせられる」作品である。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。93年『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で日本推理作家協会賞、『後悔と真実の色』で山本周五郎賞を受賞。他書に『天使の屍』『崩れる』『灰色の虹』『新月譚』『微笑む人』『ドミノ倒し』『私に似た人』『我が心の底の光』など多数。

「2018年 『女が死んでいる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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