- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575510195
作品紹介・あらすじ
「君には難問だが、逃げずに立ち向かうんだ」弁護士の浅利祐介は所長の沢田からそう告げられた。その難問とは、祐介の両親を惨殺した死刑囚の再審を担当するという酷いものだった。その死刑囚は唯一生き残った祐介の行く末をことのほか案じていたという。それがなにを意味するのか。驚倒の事実が…。
感想・レビュー・書評
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テーマは親子の愛、家族愛
それぞれが、ちょっとだけ秘密を持ちながら、お互いを思っているがゆえに悩み、苦しむ。
しかし、最後は暖かい物語。
全体の設定でいろいろ疑問が残るところもありますが、それを差し引いても、父親の息子への想い、息子自身の想いを感じられる物語でした。
ストーリとしては、
一家惨殺事件の犯人として死刑を宣告され、刑に服している光三。しかし、光三は真相を隠したまま、刑を受け入れている。唯一の気がかりは、事件の時に、預けた自分の息子の光男の生き末、そして、その事件の時、唯一殺されなかった子供祐介の生き末。
そんな光三の再審担当となったのはその生き残りの祐介。
光三は自分の両親を殺した犯人なのか?
事件の真相に迫ろうとします。
頑なに語らない光三。
そんな光三が命を懸けて守りたかったもの。
といった展開です。
途中、半分真相がわかります。
そして、最後の最後でハッピーエンドへ
ネタバレになるので、あまりかけないですが、突っ込みたいところは満載です(笑)
しかし、そんな中でも、親が思う子供への想い、絆が胸に熱く刻み込まれる物語でした。
お勧めです。
タッキーが主演でドラマ化されているんですね。
ドラマ見てみたい!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私の好きな作家さんですが、やはり初期のころと比べ丸くなったというかパワーが落ちたというべきか、本書は2003年に出版されたのですが・・
傑作である「絆」「それぞれの断崖」、名作である「灰の男」「二重裁判」を読んだ身からすれば、やはり物足りない。
以下ネタバレ注意!
要は、カッコウの托卵の人間版ですが、生後6か月の子供のころに見た五重塔が既視感をもって思い出せるのかというのはさておき、もしこの小説が第4章「風雪」(本書は7章あります)の種明かしで終わっていれば、まだ程よいミステリーとなっていたのにと残念です。結果的に、人情噺として誰も悪くない的な無難さを求めすべてを書き尽くしたために、想像という読者の楽しみを奪ってしまったような気がします。
本作で感動した読者であれば、ぜひ先の4冊を読んでみてほしいと思います。 -
会社の先輩に勧められて読みました。
その時のアドバイスが、通勤電車で読んじゃだめよ。
、、、その通りでした。
途中から、まさか?と思いましたが、まさかは、本当で。
ラストは、泣けてきました。
いいお話。久々にいいお話。
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感動の入魂作であることは間違いなく、終盤の怒涛の展開には涙、涙だったが、今ひとつ完全に共感することは出来なかった。我が子のためとはいえ、同じ年頃の乳児の死体を遺棄するなどということが許されるのか。あそこまで性格がかけ離れた男女が簡単に結婚して子を儲けるのか。模範囚は刑務所内であの様な厚遇を受けるのか。歳を重ねたとはいえ母親の性格があれほどまで変わるものなのか。両親とも殺人犯だったと知った若い娘はその後どの様な人生を送るのか。突っ込みどころも多々あると感じた。明石の父の告白には心を打たれた。
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父の息子に対する愛情、自分の命を懸けてでも守り抜いた息子の人生。自分が癌を患って死の淵にあるとき、父親は自分の人生を幼い息子のために捧げた。設定は小説なので非現実的なことはあるかもしれない。けれどもその設定の中で登場人物それぞれの人生がある…。最後まで展開を追って読めました。
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心打つ物語――。小杉さんは人間の内面を描くの上手いな~。
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悲しみと同じくらいの喜びがある
苦しみが大きい分
大きな喜びも待っている -
『家族の旅路 家族を殺された男と殺した男』
フジテレビ/毎週土曜放送
2018年2月3日から -
クソ母親のせいで誠実だった父親の半生が拘置所暮らしになった話。末期癌になった母親は最後の最後で人生を悔いるが、それまでにどれだけの人達を苦しめた事か。子供は親を選べないんだから。
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一家殺人事件の唯一の生き残りである祐介は成人し弁護士となる。親殺しの死刑囚の再審を担当して欲しいという依頼は、死期が近付いた死刑囚の元妻の娘からだった…。人のドロドロでもなく美談でない話を美談として描こうという無理を感じないでもないがドラマ、映画でみたら画になるだろうなぁと。今年前半に二度目のドラマ化をしたらしい。
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優しく慈愛に満ちたお話。
でも、途中でスジがわかっちゃいます!
どう結末するのか?という思いで読了 -
小さな子供を残して出ていった妻。
残された父子が、その後巻き込まれた事件で様々な人の運命が狂っていく。
悲しくも辛い親子の物語。
2015.6.9 -
罪と救いの狭間の中で描かれる父と子の長い旅路…その中に感じる強い家族愛…途中で真相の断片が分かるのだが、涙無くしては最後まで読めない小説だった。
母と娘を描いた第一章に始まり、第二章では二十六年前に起きた悲惨な一家惨殺事件が描かれる。殺人の罪で死刑囚となった父親は無実だった…何故、父親は無実の罪で死刑囚となったのか…
事件の真相を追うミステリーと親が子の強い絆が描かれ、思わず物語にのめり込んだ。
小杉健治の作品と初めて出会ったのは『父からの手紙』だったが、この作品も勝るとも劣らない同じ路線の作品である。『父からの手紙』以来、小杉健治作品に魅了され、何冊か読んでいるが、どれも非常に素晴らしい作品ばかりであった。 -
ススメられて読んでみました。
冤罪、親子愛をテーマにかかれた作品。ぐいぐい引き込まれて一気に読んでしまいました。おもしろかった。
あまりに一気に読みすぎて、もうちょっとこの感動に浸っていたくなった...感動ミステリー(´;ω;`)ホロリ -
ベタな内容だけど泣かされてしまいました
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久しぶりに泣いてしまった。
子供のことだけを考えて生きる父親の姿に感動した。
父性愛の凄さに言葉がなくなる。 -
自分が病に冒されていると知った柳瀬光三は幼い息子を連れ、失踪した妻の実家へと向かった。子煩悩で知られていた柳瀬はなんとか自分で育てたかったのだが、これから動けなくなるであろう自分のことを考えると、代わりの親がどうしても必要だったのである。が、そこはすでに妻の実家ではなく、違う家族・大富一家が住んでいた。途方に暮れた柳瀬であったが、大富一家の好意でとりあえず一晩泊めてもらえることに。しかしながら次の日、その大富一家は幼い子供一人を残し、家族全員が殺されていた。そして警察に捕まったのはなんと柳瀬光三であり、彼は大富一家殺害の自供をはじめたのである。なぜ彼は親切にしてもらった大富一家を殺したのか?動機は? そして、彼が連れていた自分の息子はどこへ行ったのか?
人間関係がかなり複雑であるため、整理しながら一気に読み進めないとややこしい。しかしながら逆に言えば、そこさえしっかり整理すれば、あらすじで”驚愕の事実”とされていたことは割合早い段階で気がつく。何よりも息子のために、死刑をも受け入れてまで秘密を隠し通す親の想い。ようやく会えた息子との面会室でのやりとりはとても印象深い。しかし疑問だったのは、死刑囚に対する看守他の扱い。いくら模範囚といえど、そんなに自由がきくものなのだろうか? -
自分を犠牲にしてでも息子だけは幸せになってほしいという
父の息子を思う大きな愛情。
一つの過ちは犯したものの、父は十分に償ったと思えたし
離れていたとしてもその父親の愛は十分に息子には
伝わっていたと思えました。