犯人に告ぐ (上) (双葉文庫 し 29-1)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575511550

作品紹介・あらすじ

闇に身を潜め続ける犯人。川崎市で起きた連続児童殺害事件の捜査は行き詰まりを見せ、ついに神奈川県警は現役捜査官をテレビニュースに出演させるという荒技に踏み切る。白羽の矢が立ったのは、6年前に誘拐事件の捜査に失敗、記者会見でも大失態を演じた巻島史彦警視だった-史上初の劇場型捜査が幕を開ける。第7回大藪春彦賞を受賞し、「週刊文春ミステリーベストテン」第1位に輝くなど、2004年のミステリーシーンを席巻した警察小説の傑作。

感想・レビュー・書評

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  • ★5 未読者に告ぐ! 今すぐ読みなさいっ 前代未聞の公開捜査が鬼熱!警察小説の傑作 #犯人に告ぐ

    ■あらすじ
    主人公であるキャリア官僚の刑事は、自身のひとつのミスから、警察の失態すべてを背負わさせた。第一線から退かされた彼だったが、路頭に迷いつつある大きな事件のために再び捜査本部に呼び戻される。行き詰っている捜査を打開すべく、今までにない新たな捜査手法を打診されるのだった。

    ■レビュー
    なんてスケールがでかい警察小説なんだっ
    まさに映画でみたくなる作品ですね。すでにあるようですが、主人公はトヨエツですか~ かっこいいもんなぁ~、すばらしい。

    名作とは聞いてましたが、下馬評通り最高でしたね。

    なんといっても本作はエンターテイメント性がスゴイ。
    序盤からフルマックスでスピード感抜群、いきなり手に汗を握るシーンから始まり、最高の胸クソ展開へ。これは読む手が止まらないですよ、続きが気になる気になる。

    官僚体質、管轄争い、手柄争い、マスゴミの横暴など、ものの見事に警察小説です。人も背景もキッチリ描けていて、有り体に言えば間違いなく面白くなる展開ですね。

    しかし本作の読みどころはこれだけじゃ終わらない。
    劇場型捜査の舞台が幕開けになるのですが、これがまぁよくプロットが練られているんですよ。

    いわゆる公開捜査になるんですが、こんなのは見たことがない。
    現実にはありえないんでしょうが、背景や設定の作りこみがしっかりしているので、妙にリアルなんですよね… たぶん登場人物がイキイキと描かれているから、臨場感の伝わり方が違うんでしょう。

    登場人物と言えば、ヒール役の刑事がイイ味だしてますね~
    これこれ、やっぱり警察といえども人間だよねってことがにじみ出てるよ。
    この刑事の暗躍がチラ見えしてきたところで上巻終了。って、続きが気になるよ!

    ということで、レビューの続きも下巻にて。
    https://booklog.jp/users/autumn522aki/archives/1/4575511560

  • ブグログ通信で宣伝されているので買ってしまった一冊。
    雫井さんは、過去読んだのは「望み」以来かな。

    劇場型の警察ミステリーという事なのですが、
    登場人物増えてきて混乱してきたぞ(^_^;)

    下巻へ

  • 劇場型犯罪ミステリーに嵌っているというブク友さんに教えていただいた本。

    小説の舞台に、住んでいるor住んだことがあるor通勤通学などで、よーく知っている場所が登場したことはありますか?
    本書は上下巻ともまさにそれで、それだけでもう★5です(^_^)
    この嬉しい興奮が輪をかけ、臨場感を味わうことができました。
    小説とはいえ、地元でこんな悲しい事件が起こるのは嫌ですが…。
    登場する二、三の人物に、コイツ〜〜と苛つきつつ下巻へ読み進めました(-_-メ)。→→→下巻へ続く

    • ポプラ並木さん
      (⌒▽⌒)アハハ!
      なおなおさん、まずはイライラさせて、最後に気持ちよく解決というパターンでしたね。
      巻島のパーソナリティーは徐々に好き...
      (⌒▽⌒)アハハ!
      なおなおさん、まずはイライラさせて、最後に気持ちよく解決というパターンでしたね。
      巻島のパーソナリティーは徐々に好きになりました。
      自分の中で劇場型犯罪を好きになった作品!
      ドキドキワクワクですよね。
      2022/07/31
    • なおなおさん
      ポプラ並木さん、コメントをありがとうございます。
      最後、巻島さんが気持ちよく相手を嵌めてくださり、私の苛ついた気持ちはおさまりました(^_^...
      ポプラ並木さん、コメントをありがとうございます。
      最後、巻島さんが気持ちよく相手を嵌めてくださり、私の苛ついた気持ちはおさまりました(^_^)
      "フハハハハハ"…でした←犯人の手紙での変な笑い方w
      2022/07/31
  • 連続児童殺害事件に対して今までにない「劇場型捜査」が始まる。メルギブソンの「身代金」を思い出した。臨場感があって、展開も早いのでハマりやすかった。

  • 初めて雫井作品を読んでます。ポイントがわかりやすいので早く読めます。→下へ

  • 未解決の連続児童殺害事件に対し、神奈川県警が前代未聞の劇場型捜査を導入する。テレビニュースに現役捜査官を出演させ、事件の情報提供を募り、あわよくば犯人と接触しようとする。出演する刑事は、過去に誘拐事件の捜査に失敗し被害児童を殺害され、さらに記者会見で糾弾され大失態を演じた、巻島史彦警視。前編終了。

  • はじめての雫井脩介さん作品。
    豊川悦司さん主演で映画化もされているみたい。

    「劇場型捜査」という斬新なやり方で犯人逮捕に挑む過程や主人公:巻島が実直に犯人逮捕に取り組む姿が良かった。

    上巻は、劇場型捜査が始まる前の地盤固め的な話がメインに感じられ、6年前の巻島の失態がどのようなものだったかも詳細に描かれている。曾根や植草といった残念な上司もいれば津田長のような人格者もいて、勉強になる。劇場型捜査を始めるにあたって事前に被害者遺族に誠意を伝えに行った津田長の姿がさすがで、巻島が信頼を寄せるのも納得した。

    上巻の最後、上司:植草の行動が何やら怪しすぎる…
    下巻で捜査に影響してくるのか、やめてほしいな。

  • 主人公の巻島に全ての責任をなすりつけた曾根と藤原が腹立たしい。

    曾根の甥で刑事課総務課長植草(32歳)の、後半で結構なページを割いての、大学生時代のストーカー気質ぶりが、読んでいてとても気持ち悪い。
    これ、警察・事件物の小説に本当に必要なのだろうか?
    下巻でこれから重要部分になるのだろうか?

    巻島の娘のいずみのデパートでのシーン。
    幼い我が子から、親として片時も目を離さないで欲しい。
    どうか下巻でこの母子の身によからぬことが起きませんように。

    足柄署から一緒についてきて欲しいと巻島から頼まれた津田長がとてもいい。

  • Amazonオーディブルで聴いた。

    主人公が記者会見で叩かれまくるところがストレスフルなのと、叱責セリフを本当に叱責調で読み上げられて嫌ぁぁな気持ちになって挫折しかけた。

    女の気を引くために捜査情報を漏らす、バカすぎるキャリア警察官がキモいしムカつく〜。

  • 警察モノといえば犯人とのやりとりにハラハラさせられるものだけど、事件とは直接関係ない場面でこんなにハラハラさせられるなんて!

    マスコミや視聴者って勝手だな〜って読んでいてもどかしく思ったけれど、現実に起きていることと何も違わないんだろうなあ。
    一市民としては大きな事件が起きたときマスコミが警察を批判しているとやっぱり少しそうなのかなと思ってしまうもん。

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著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年、第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で小説家デビュー。04年に刊行した『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞。他の作品に、『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『殺気!』『つばさものがたり』『銀色の絆』『途中の一歩』『仮面同窓会』『検察側の罪人』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『望み』などがある。

「2021年 『霧をはらう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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