犯人に告ぐ 下 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 437
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575511567

感想・レビュー・書評

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  • 刑事の魂に胸アツ! 正義とは家族とは人間とは… エンタメ性、緊張感抜群の警察小説 #犯人に告ぐ

    上巻レビューはこちら
    https://booklog.jp/users/autumn522aki/archives/1/4575511552

    ■推しポイント
    ・ヒール役の刑事
    超推しですね、こんなキャラクターは大好き。物語を盛り上げてくれます。

    現実でも経産省の官僚が給付金詐欺で逮捕されました。
    原因や動機は本人しかわかりませんが、理由はどうあれ個人的なものでしょう。どんなに学があろうとも、能力に富んでいても、総じて人間ってそんなに強くないんですよね。

    きっと大切なのは「どこを向いて生きているか」。

    ・主人公の刑事をフォローしてくれる古株の刑事
    カッコイイ…

    目立たないけど物事の本質を見抜いており、必要な時だけそっと一言申し添える。野球で言うところのキャッチャー、バンドならベースといった立ち位置の人。

    痺れる…このカッコよさ、女性にはわかりにくいかもしれませんが(偏見だったらごめんなさい)男としては惚れるんです。

    ・主役の刑事
    やっぱりこの人ですね。
    ゆるぎない信念、決意、やるときは命を差し出してもやり切る。という力強さが半端ないです。

    わたくし、先日仕事の報告を上司にしたのですが、すこし目標数字に足らなかったんですよね。頑張った要素を作文で補って、達成したということでお願いします。と罵った自分が恥ずかしくて逃亡したいです…

    ・私のこれからの生き方
    自身の論理で不当な富や利益を得たとしても、最後には自らを不幸に落とす。
    至極当たり前のことなんですが、まわりを見てみると分かっていない人もたくさんいる。戦争だの経済だの…

    しかし彼らも「いろんな都合」の中で生きている。
    どう打開するか、どう落としどころを見つけるか、どう責任をとるかを懸命に考えている。

    比較的平穏に暮らしている私ですが、こんなヒリヒリした中で戦ったことはなかったなぁと、ふと人生を振り返りました。

    もちろん悪事をするつもりはありませんが、たった一回の人生です。もうひとつレベルアップしたチャレンジをしたくなりました。

    総じて素晴らしい警察小説でした。続編もあるようですので必ず読みますっ

    • 松子さん
      akiさん、おはようございます(^^)
      カッコイイ男、熱い物語、
      ほんっと大好きです!よくご存知で(〃ω〃)

      なおなおさーん、akiさんの...
      akiさん、おはようございます(^^)
      カッコイイ男、熱い物語、
      ほんっと大好きです!よくご存知で(〃ω〃)

      なおなおさーん、akiさんのレビュー、
      ほんっと魅力がすごく伝わってきますよね(´∀`)

      あと推しポイント!akiさんのお人柄が凄く伝わってきて、更に読んでみたいなって思うんですよねっ!ナニカデテクルカシラ ドキドキ 笑

      すっごく良いお天気ですね〜
      どうぞ良い日曜日を〜(^^)
      2022/10/23
    • なおなおさん
      akiさん、お返事をありがとうございます。
      松子さんもおはようございます。

      上巻のレビュー「未読者に告ぐ」から笑ってしまい、上手いなぁーと...
      akiさん、お返事をありがとうございます。
      松子さんもおはようございます。

      上巻のレビュー「未読者に告ぐ」から笑ってしまい、上手いなぁーと思いました。
      実はこの本の舞台がよく知っている場所で、この前車で通った時に、「ああ!この辺でアレが見つかったんだよね」と妄想してしまいました。
      息子は「ホントにここで?」と本気にするし、読書しない地元の友人たちは無関心で、本の魅力を伝えるのって難しいと思いました。
      akiさんもミステリーがお好きなんですね。私もです。レビューは今年1月から挑戦しております。
      これからもよろしくお願いします。
      PS松子さんのように"akiさん"と呼ばせていただきました(*ᴗˬᴗ)⁾⁾
      2022/10/23
    • autumn522akiさん
      松子さん
      褒めていただきありがとうございます。照れちゃう~
      読んでもらう方に、ワクワクするような感想文を書きたいんですよね。
      これから...
      松子さん
      褒めていただきありがとうございます。照れちゃう~
      読んでもらう方に、ワクワクするような感想文を書きたいんですよね。
      これからもご贔屓にしていただけると嬉しいっ

      なおなおさん
      イイですね、近くに住んでるなんて羨ましい。
      物語に出てくる場所があると、聖地巡礼してみたくなりますよね。

      お二人も、ぐっとくるレビューばっかりで、いつもふむふむと読ませていただいてます。是非これからも素敵なレビューを読ませてください~
      2022/10/23
  • ある無差別連続殺人事件をニュース番組を利用し、「劇場型捜査」をすることになった。
    「“バッドマン”に告ぐ」と番組で呼び掛け続け、正体の見えない犯人に挑む捜査官の巻島。

    捜査官+ニュース番組vs犯人と思いきや…
    捜査官vs捜査幹部
    捜査官vsニュース番組(マスコミ)+視聴者
    …となっていく。この展開が面白い。
    マスコミも視聴率を上げたくて、都合よく解釈し好き勝手に報道するもんだ。時には捜査の妨げにもなる。また私たちも視聴者の一人として、いかに報道に左右されるか。そして面白がる。
    中でも「捜査官vs捜査幹部」にイラッ。早くアイツをなんとかしてほしいと読者は苛立ち待たされるが、これもテレビを利用して“劇場型”で嵌める捜査官のやり方が痛快であった。
    後半ではあっという間にクライマックスを迎える。犯人は……(内緒にしておきます)。

    劇場型犯罪ミステリーとして、とても面白かった。

    • なおなおさん
      いるかさん、コメントをありがとうございます。

      いるかさんのレビューには、映画化のことにも触れており、観たかったなーと思いました。
      捜査官役...
      いるかさん、コメントをありがとうございます。

      いるかさんのレビューには、映画化のことにも触れており、観たかったなーと思いました。
      捜査官役がトヨエツなんて、髪型といい適役だと思いました!
      いるかさんこそ、インクをそばに、良い週末を(^_^)/~
      2022/07/31
    • ポプラ並木さん
      なおなおさん、
      感想読みました!
      自分は傍観者なのだけど、いつの間にか引き込まれ、映像化もできる感じ。さらに警官VS警察幹部という、いつ...
      なおなおさん、
      感想読みました!
      自分は傍観者なのだけど、いつの間にか引き込まれ、映像化もできる感じ。さらに警官VS警察幹部という、いつもながらの対決。
      このスパイスも聞いて、面白かったですよね。
      劇場型犯罪はまだまだありますので、追っかけています。
      犯人に告ぐ2も是非!!
      2022/07/31
    • なおなおさん
      ポプラ並木さん、コメントをありがとうございます。

      劇場型犯罪ミステリー、面白いです。
      あっという間に読んでしまいました。
      なるほど…傍観者...
      ポプラ並木さん、コメントをありがとうございます。

      劇場型犯罪ミステリー、面白いです。
      あっという間に読んでしまいました。
      なるほど…傍観者でもあるのに巻島刑事のそばにもいたなぁ。
      「アイツに気づいて!なんとかしてよ!」って小言も言ってたw
      "2"も探してみますね。
      ご紹介をありがとうございました。
      2022/07/31
  • 登場人物がたくさんで、
    被害者遺族もたくさんで、
    途中から、どの部署の誰で上下どちら?か、よくわからなくなるも、そのまま読み切りました笑

    ちょいと内容本線とは別の、部署内の性格最悪な男を貶めるところの方が面白かった笑

  • 人生で取り返しのつかないと思うような失敗することってありますよね。謝罪の念を持って生きて、自分のためではなく相手に伝わる時期にしっかりと謝罪する。別の作品も読んでみます。

  • 劇場型捜査に犯人から応答あり。その情報を個人的な理由で、ライバル放送局にリークするキャリアの植草課長。捜査から外れることになるが、もうちょっとお仕置きして欲しかった。捜査員五百人を注ぎ込んだローラー作戦によって、ついに炙り出される犯人。面白かった。

  • 劇場型捜査の後半。こちらも一気読み。ちょっとした綻びから犯人の性格を読み切って大胆な捜査を行う。そして伏線も見事に回収できている。面白かった。

  • 本格的に劇場型捜査が始まった下巻。
    犯人が見え隠れするも一筋縄ではいかない場面にモヤモヤしながらも、展開が気になってサクサク読めた。

    最初は協力的だったテレビ局も捜査が進展しない状況に不満を募らせ、視聴者からの批判も相次ぐ。そこに自分や組織の保身しか考えていない上司からの圧力や妨害もあり、巻島がまた潰れてしまうのではないかと不安が生じたが、6年前とは違う踏ん張りを見せる!
    己の欲望から暴走する年下上司をスパッと黙らせる巻島と、津田長の言葉はよかった。

    犯人に繋がるきっかけはちょっと拍子抜けしたけれど、後半はさらに騒動が1つ増えて盛りだくさんで、前半にも少し登場した小川かつおが再び活躍。実際に部下にいたら大変そうだけど憎めないのもなんかわかる。小川刑事の場面だけはクスッと笑えてしまう感じで、個人的には好きなキャラ。

    最後、6年前の事件から巻島が抱えてきた想いが全開に表現された場面は感動した。

  • 上下とも一気に読み進めてしまった!警察vs犯人なんて簡単なモノじゃなく、対立がたくさんあって、巻島さん負けないでー!って応援したくなる。
    どの登場人物もきれいすぎず悪すぎず、その塩梅が現実味を帯びていて、小説だけどドキュメンタリーのようなやるせないさ不鮮明さがほどよくあって、すごく好みの展開だった。

  • Amazonオーディブルで聴いた。

    女の気を引くために捜査情報を漏らす、バカすぎるキャリア警察官・植草とその女にイライラしながら読み、そのバカがまんまと罠にハマってパージされるところはスッとした!
    もうそこで終わっていいと思った(笑)。
    犯人とのやりとりより、警察の内ゲバが盛り上がってた。
    植草の社会的生命を絶って欲しかったけど、外形的には何の落ち度もないなんて〜納得いかない〜。

    その後、犯人逮捕も巻島が刺されるのもあまり盛り上がらず。

    巻島の部下・本田が良い感じで好き。
    津田は人間が出来すぎ。

  • うわあ!!すんごく面白かった〜!
    2004年の作品なのね。実はこれ、だいぶ前に映画を先に観てしまって、印象だけ覚えていたのでスルーしてたけど、いやいや〜もっと早く読めば良かった〜。ハッキリ言って、小説の方が断然面白いです。今朝、上巻が残り30ページくらいだったので、下巻も持って出掛けて、電車と出先の待ち時間とカフェで、数時間で下巻も読み切ってしまった。リーダビリティ抜群でした。

    事件のエンタメ的な展開も、その駆け引きも、警察内部の様子も、被害者遺族とのやりとりも、全部面白かったけど、なんといっても、主人公のクールな巻島が良いっ!クールといっても、無駄口を叩かないという部分であって、大切なところでは男泣きする彼は、人間味溢れる非常に魅力的な主人公でした。それと、津田も良かったなあ〜。植草はサイテーだ。
    警察小説として、ミステリーとして夢中で読み、しかも、何度も涙が滲んでしまった。

    印象的だったところ少し・・
    ーーーーー
    なんの宗教にも関係のない、いずみが生死をさまよっているときにだけ巻島が意識する神だった。都合のいい信者にへそを曲げることもなく、今までは巻島の祈りに応えてくれていた。

    自由に、適当に、我がままに生きているような人間でも、実はそんなホルモンバランスに支配されてるだけでね、生きるのを許されてる道は細くて狭いんじゃないですかな。(中略)ただの人の子なんでっす。みんな、おっかあの腹から生まれた人の子ですよ。

    死ぬのは別に怖くない・・・そう思うと不思議に生きることが楽になるんです。こん歳になっても三つの弟に勇気づけられて生きてますよ。

    「あなたは刑事の血を知らない。」
    ーーーーー
    雫井さん、今まで読んだのが軽めだったけど、全然印象が変わりました。図書館で「犯人に告ぐ2」も一緒に借りたので、次にいきま〜す(^-^)v

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著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年、第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で小説家デビュー。04年に刊行した『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞。他の作品に、『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『殺気!』『つばさものがたり』『銀色の絆』『途中の一歩』『仮面同窓会』『検察側の罪人』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『望み』などがある。

「2021年 『霧をはらう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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