Teen Age (双葉文庫 か 30-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575511680

作品紹介・あらすじ

ささいなことで友達と笑いあい、初めて知った恋に戸惑い、夢と現実のあいだであがいていたあの頃。十代の時間は色濃く過ぎていった…。誰もが胸に大切にしまってある風景が、今せつなくよみがえる。人気作家7名が、十代の揺れる気持ちを鮮やかに描いた青春小説アンソロジー。

感想・レビュー・書評

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  • 本のチョイスが偏ってきたなぁ、と思うと、アンソロジーを読みます。
    今回は、未読だった瀬尾まいこさんの「狐フェスティバル」が入っていたこともあってこの本を選びました。

    「狐フェスティバル」は、瀬尾さんらしく子供たちが生き生きと温かく描かれていて、期待を裏切らない作品でした。

    意外だったのが、私としては苦手意識のあった角田光代さんの「神さまのタクシー」という作品がとてもよかったこと。絵に描いたような優等生のハミちゃんの、素直になれないもどかしさが、とてもかわいらしかった!

    あとはやっぱり川上弘美さんの「一実ちゃんのこと」。姉を母株とするクローンである一実ちゃんと「あたし」の、浮遊感のある現実と日常のバランスが、とても心地よい作品でした。

  • 「イモリのしっぽ(椰月美智子)」と「一実ちゃんのこと(川上弘美)」が良かった。

    「イモリのしっぽ」は、卒業間近で時間を持て余し、つい感慨深くなっちゃった学生時代の放課後を思い出した。

    「一実ちゃんのこと」は、果たしてこの本のタイトル「Teen Age」の趣旨に合うものかは分からないけれども、とっても気に入った。
    クローンとして生まれて現在浪人生の“なげやり派”、一実ちゃんがすごくいい。
    主人公との会話も、真剣なのにどこか間が抜けてて面白い。
    牛強盗にはいったのに、いくらかつかつ音をたてて歩いても全く気付かれなかった描写が面白い。
    「迷い牛発見 大量の糞残し」の新聞記事も最高だ。
    ほんの20ページほどなのにすごく楽しませてもらった。

  • 20代になる前に読みました。
    短編集。内容が薄かった。。。

  • 『Teen Age』10代の子たちの日常の1ページを描いた物語。

    「Teen」っていう響きは、キラキラしてて眩しくて、っていう印象が強いけど、でも実は心の中や頭の中は、何だかすごくモヤモヤしてて、得体の知れない何かにもがき苦しんでる、そんな時期なのかな。という感じがします。

    実際、Teen Ageなうちの息子もそんなだし。

    悩んだり、苦しんだり、もがいたりすることって、大人になると簡単にスルーできる術を持ってしまうけど、純粋に、目の前の壁にぶち当たれる10代が、なんだか羨ましいようなそんな気もします。

    だけど、当の本人たちからすれば、悩むことももがくことも人生最大に苦しいことなんだろうな。きっと。

    いや、自分自身もそうだったよなー。なんて思ってみたりもして。

    「あんな大人にはなりたくない」って思っていたはずなのに、いつの間にか「あんな大人」なってしまった私には、10代って、いろいろ抱える思いもあるだろうけど、でも、やっぱり、そういうこともすべて含めてキラキラして眩しい時期なんだよな。なんてことを思いながら読んだ一冊です。

  • 2009.5.30

  • 気になる作家さんの作品が多かったので、拝読しました。が、なんだかハマりませんでした、、残念

  • 角田光代と瀬尾まいこが良かった

  • 瀬尾さんの狐フェスティバルの田舎暮らしへの憧れと現実のギャップが描かれているのが何かおもしろかった。イモリのしっぽが癒された。

  • 中学の時に何気なく手にとってから、あの時ずっと繰り返し読んでた。懐かしい…。10年以上経って文庫版を見かけたからまた購入。読み直してみると、あの時好きだったお話はいま読んでもやっぱり好きだなって気持ちになりました。

    「神様のタクシー」
    偏差値の低い女学校での息苦しさ、憧れの人、嫌いなあの子とか、ただただ共感する。憧れの上級生の部屋に集まってただだべるだけとかすごく魅力的に映ってた。そして嫌いなあの子の手を取って、タクシーに飛び乗る。もうそれだけで、ドキドキ。

    「狐フェスティバル」
    都会の女の子が田舎にやって来て地元の子と一悶着。三崎ちゃんがかわいいんだ、ツンデレっぽくて。お互いのことを知って、歩み寄ろうとするところや、田舎の川や道の描写がきらきらして好き。鮎が食べたくなる!

    「春の乱」
    これぜんぜん記憶になかった。読んでみるとまじで話も文体も合わんかった。苦手だったから記憶から抹消されてたのか

    「イモリのしっぽ」
    これ読んだ当時はずっと生物部に入りたいと思ってた。結局入らなかったんだけど…。
    高校を合格して中学を卒業する前のどこか宙に浮いたような期間。冬の刺すような空気の中、虚無感と妙な焦燥を覚えながら、幸野は部室にいるしっぽの切られたイモリを眺めに行く。ドラマチックなことは何一つ起こらない。それでも、ホルマリン漬けの生物だらけの部室の空気と、矢守くんと幸野先輩のぬるま湯のような関係にとても憧れてました。

    「ハバナとピアノ、光の尾」
    古くて美しくてすこし悲しい映画みたいな話だった…。他の短編とは明らかに毛色が違う。まず舞台がハバナだし、主人公は現地の青年。
    これほんとに読んだ覚えがないんだけど、たぶん当時はあまりに毛色が違ったから読み飛ばしてたのかも。うわーっ!もったいない!けどあの時読んでもこの話をいいって思えたかどうかは謎…。
    とにかくよかった。この作者さんの他の話も読んでみたくなりました…。

    「Inside」
    この話で一番記憶に残っていたのは病室で食べたバナナの味の描写。一つのことが終わり、新しい何かが何かが始まる。なんか不思議な読後感でした。

    「一実ちゃんのこと」
    突拍子もない設定だけどただガールズトークする話。倦んだ空気を出してるが一実ちゃんも律ちゃんもまぁまぁ楽しそう。というか日常の一風景って感じ。

    面白かった〜〜〜〜!!!!!

  • 狐フェスティバル
    全く面白くないし稚拙

    春休みの乱、イモリのしっぽ
    普通

    ハバナとピアノ、光の尾
    お題?に沿ってるようには思えなかった。

    inside
    ナラタージュがめちゃくちゃ嫌いで、どうかな?と思ったけど、10代に近いからか1番リアルで入れた。

    一実ちゃんのこと
    クローンじゃなくてもこういうことを考える歳頃なのかなと思った。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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