エバーグリーン (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 619
レビュー : 82
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575512663

感想・レビュー・書評

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  • 昔、大事に抱いていた夢を亡くして大人になることは大罪ではないのに、敗北者の様な気がする時がある。
    あまずっぱい話だった。高校時代の二人の交流が可愛かった

  • 特に前情報もなく、谷川史子さんのイラストで表紙買い。
    何とも胸ときめく、爽やかで眩しい青春小説。
    中学時代の「シン」と「アヤコ」の初々しさについ顔がほころんでしまった。友達でもなく恋人でもなく、でも互いにとって特別な存在。そんな相手だったからこそ、そのまま関係を終わらせたくなくて、「10年後の今日、ここで会おう」なんて約束をしたのだろう。
    大人になってしまったらそんな夢みたいな話はしない。「10年」という時間の実際の密度と質量をよく分かっているからだ。だが思春期の二人にとって、「10年」というのは夢見ながら空想の中でひと飛びに出来てしまう年月だ。空想の中で思い描いたその10年先、今の気持ちを裏切らず「約束」を果たすと信じていること。その純粋な姿に自分の思春期を重ね合わせて、懐かしさと切なさに胸が締め付けられた。
    読後も爽やか。現実的なんだけどちゃんと夢を見せてくれる結末だった。

  • 豊島ミホの作品の特徴は、まるで自分が見た景色、経験を文章にしている様だということでしょう。

    今作では、中学生の時にミュージシャンと漫画家になって10年後にまた会おうと約束した二人の男女が主人公。
    自分は何にだってなれるし何だって出来ると思っていた頃の気持ちをこんなにまでリアルに描ける若手作家は豊島ミホを除いていないでしょう。
    「底辺女子高生」や「青空チェリー」など、デビュー当時は破天荒な感じの作品が多いですが、それでもいつでもどこか作者自身が見た、聞いた、触れた以上の話は、この人の作品には出てこなかった様に思います。

    それぞれの年齢だった頃の自分という引き出しを、生きてきた年数だけ持っていて、それを必要に応じて出してきては作品にする、そんな豊島ミホらしさに溢れた作品です♪

    読んだら自分の中高生時代を思い出して切なくなること間違いなし!!忘れている約束、ありませんか?

  • 14歳の頃の夢のかけらをずっと持ち続けている二人。
    夢を昇華させて現実にしっかりと立つ、いつか誰もが経験したことがあるような、優しく爽やかな物語。

  • 中学校の卒業式で、10年後にお互いの夢を叶えて再会しようという約束を交わした、漫画家志望のアヤコとミュージシャン志望のシン。その日が近づく二人に去来する胸のうちを描く青春小説。
    何者かわからない青春時代から、何者かの限界を知る二十代。でも、まだまだ夢と希望は失わないという葛藤の日々が何とももどかしい。エンディングテーマは渡辺美里「10years」

  • 171005読了

  • 畦道
    雪解け
    再開
    10年後

  • 青春だな~と。
    根拠のない自信をもち、音楽で成功すると信じている男の子。そんな男の子に憧れている漫画家を夢みる女の子。恋とも呼べない微妙な関係のまま中学校の卒業を迎えることになる。
    「10年後の今日、ここで。」
    お互いの夢を叶えて再会することを約束する。
    思い通りに行かない厳しい現実に気づくこともあれば、過去にとらわれ動けないこともある。
    夢と現実の間で二人が成長していきます。透明感のある文章で描かれ、決してすべてがうまくいくハッピーエンドでないけれど、優しい読後感につつまれます。
    若い子向けかな。

  • アヤコは漫画家を、シンはミュージシャンをそれぞれ目指していた。
    中学の卒業式の日、二人は10年後の再会を約束する。
    それまでにお互いの夢を叶えると誓って。
    10年の月日が流れ、二人は…。

    甘酸っぱい!!
    設定、序盤、鼻の奥がつん、となる。
    でも、帯にある通り、描かれているのは、甘酸っぱい“思春期”の“終焉”だった。

    特に接点のなかった、アヤコとシン。
    物語はアヤコの一方的な片想いから始まる。
    片想い…とは言っても、恋、とは似て非なるもの…なのかな。

    -この人じゃなかったら誰が、私の心をかっさらい続けるんだろう。

    これだけ強く想える対象に出会えるって、すばらしい。
    終盤にかけても、このアヤコのシンへの想いは恋心というものではなく、もっと大きな力を持った、大げさに言うと畏敬にも似たもののように感じられる。

    対して、シンはアヤコのテンションとはまた全然違う。
    当時、どちらかというと、自分よりも“下に見”ていたのだ。
    シンにとって思春期の自分は“高慢”であり、その象徴的な台詞が、バンド仲間へぶつけたもので、物語が進む中で度々登場し、後に自分への問いかけにもなる、

    クソ田舎で一生埋もれて暮らせ!

    なんだろうなって。
    この台詞はたまたま耳にしてしまったアヤコへも突き刺さっていたわけで…ストレートにどーんと、遅れて自分にも突き刺さるという。

    再会の時が近づき、それぞれ状況は違えど、焦燥、不安、期待…色んなものが渦巻く。
    そして、再会間近にして、自分自身が変わらなければならない瞬間がやってくる。
    アヤコは自分の見ていた“きらきら”を違うかたちで見ることができることに気づく。
    シンも現在の自分にしか得ることのできない、“高い空”を見上げている。
    夢を叶えることよりもそれを変わらず追い続けていくことの方が難しいのかもしれない。
    甘酸っぱいだけでは一生を過ごすことはできない。
    けれど、あの日あの時があったから前へ進める、生きていくことができる。
    そう思える瞬間が、アヤコとシンにとっては卒業式の日だったんだろうなと思う。
    小さくって芯の強い、ひたすらシンに信頼と憧れを寄せるアヤコに、“想う”力の強さ-そして脆さも-を見せつけられた。

  • 学生時代、話したことのなかった子と何かのきっかけで話すことになり、興味を持っていく過程が思い出されて懐かしくなった。

    結果的にはハッピーエンド、なのかな?

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