越境捜査(下) (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
3.64
  • (8)
  • (33)
  • (25)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 174
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575513929

作品紹介・あらすじ

14年前の12億円詐取・殺人事件。再捜査を開始した鷺沼は、神奈川県警山手署刑事、宮野と手を組む。一匹狼を自認する宮野と型破りの捜査を展開し、12億円の行方をつかむ。それは、神奈川県警の裏金庫-。警察庁を含む、警察組織を覆う腐敗を見逃すか、それとも暴くか。組織の安泰をとるか、自らの信条をとるか。人生を賭けた闘いの果てにあるのは希望か絶望か。大藪春彦賞受賞作家が、静かに激しく生きる刑事たちを描く。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 14年前起きた12億円の詐欺とその犯人とされる人物の殺人の再捜査を始めた鷺沼。殺人の犯人はもちろん、消えた12億円の行方を捜査していくと、そこには神奈川県警の裏金の匂いが…完全に警察内部の闇VS鷺沼の闘い。警視庁と神奈川県警・警察庁の思惑が複雑に絡み合い、下巻のラストの方まで、誰が本当の敵なのか分からないし、真実も見えてこないので、「このまま、消化不良で終わるのか…」と思ったら、ラストは見事にまとまってた。ま、真の陰謀者が簡単に1対1の取引に出てきちゃうのは、ちょっとあり得ないと思ったけど…中だるみしてしまった部分はあったけど、男くさくて、正義感のある鷺沼や、得体の知れない神奈川県警の宮野など、キャラクターに愛着は持てたので、続きも読んでみようと思う。

  • 感想
    結果的に見ると韮沢の絵図の中で、鷺沼たちが必死に踊り、黒幕を引き摺りだして不正を暴き、お金も手に入れ、一件落着感があるが、いくつか腑に落ちない点があった。

    まず、一緒につるんでいた途中から仲間になったヤクザの福富がいいやつすぎること。こんないいヤクザいるの?二つ目は、後編の中盤で韮沢の奥さんが急に家庭菜園の話をし始めたところ、ここで隠されたお金がここにあると、普通読者の誰でも気づくわな。三つ目は、最後の最後に国会議員が自ら出てきて、殺人を犯そうとして現行犯逮捕されたこと。なぜ手下を使わず自ら単独で乗り込んできたの?

    全体の作りが巧妙だったので、上記の細かいところも詰め切って欲しかった。

    あらすじ
    県警の田浦の子分に捉えられた鷺沼は、宮野の助けを借りて、逆に真相を聞き出す。田浦は3億円をせしめて、森脇を開放し、そのうちの2億を当時の県警の警備部長に差し出したとのことだった。

    鷺沼は、これまで本件に全く関わりがなかった自分の上司である三好から、警察内の派閥争いに12億円事件が関わっていると教え、捜査から手を引くように説得してくる。

    その後、パズルのピースを組み合わせるように、多角的に事件を検証すると、韮沢が事件の鍵を握っていることに辿り着く。また、警察内の派閥抗争で、警察官僚から国会議員になった香川が裏で糸を引いていることが浮かび上がる。

    鷺沼は、香川が馬脚を現すように、韮沢に逮捕状を請求し、その情報をマスコミにリークして相手を浮き足立たせ、遂に香川と対峙し、不正を暴く。

  • 世間周知の、警視庁と神奈川県警との反目を題材にした警察物語。
    現実には、これ程、警察機構も腐りきっていないと、希望を持ちたいのだけど、どうだろう。かつての北海道警の不祥事とかみると・・・。
    事実は小説よりも奇なり、という格言もあるしな~。
    物語としても、面白かった。ユニークな宮野など、今後もシリーズで活躍してもらいたいのキャラクターである。謎が謎を呼び、警察組織の暗闘や、組織の陰謀を暴くと言いながら、最後は親玉一人との対決となり、ちょっと尻つぼみの感。

  • 14年前の12億円詐取・殺人事件。再捜査を開始した鷺沼は、神奈川県警山手署刑事、宮野と手を組む。一匹狼を自認する宮野と型破りの捜査を展開し、12億円の行方をつかむ。それは、神奈川県警の裏金庫―。警察庁を含む、警察組織を覆う腐敗を見逃すか、それとも暴くか。組織の安泰をとるか、自らの信条をとるか。人生を賭けた闘いの果てにあるのは希望か絶望か。大藪春彦賞受賞作家が、静かに激しく生きる刑事たちを描く

  • この警察小説全盛の時代になかなか新機軸を打ち出すのは難しいですが、次から次へとプロットを展開させるスピード感で読ませます(かなり入り組んだプロットで、登場人物も多いので咀嚼するのは大変でしたが…)。不良刑事の宮野のキャラが秀逸。この妙な男がいなかったら凡百の警察小説の中に埋もれていたかもしれません。

  • 狙うは神奈川県警裏金庫12億円!刑事二人とヤクザが手を組み、警察組織に真っ向勝負する展開が気持ちいい。一方で、警察組織の真実が本作のような姿でないことを深く祈る。

  • 主人公の鷺沼は警察組織の中ではアウトロー的な立ち位置にいながらも、己の正義を貫こうとする姿勢と、一方、警察組織の中枢にいるお偉方は私利私欲にまみれている、というこの対比が本作を支えている一つの根幹かなと思います。

    本来、市民を守る(≒正義)であるはずの警察を代表するはずの上層部には実は正義はなく、底辺、それもかなり端っこにいる鷺沼のほうに正義はあり、というパラドックスともいえるこの構図がいいですね。

    でも、そんななかにあって、一部の人たちは鷺沼の熱量に影響され、鷺沼に情報提供したり、手を組んだり、なんだかんだで、悪に染まりきれず、心の奥底にはやっぱり良心が残っていたのかと思わせてくれる展開もなかなかGood!

    鷺沼が正義や矜持を持ち、福富やその手下たちも巻き込んでことを進めていく展開は警察ものなのに、任侠ものっぽい雰囲気もあります。上巻を読んでいたちょうどその日にTVドラマ(特番もの)ではそこまでの描かれ方はされていなかったので、個人的には小説版のほうに軍配を上げたいです。結末もTV版と小説ではだいぶ違っています。勿論、TV版は2時間枠で収めようとするがゆえの制約も大きいのかなと想像いたします。

  • 2012/11/15下巻になって動きが早くなり面白かった。★4

  • 過去TVドラマ化されたらしい越境捜査シリーズ。警察組織内部の巨悪に挑む刑事と腐れ縁の仲間。映像化を意識したようなキャラ設定と場面設定、であるが、娯楽としてかなりいい感じ。

  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    14年前の12億円詐取・殺人事件。再捜査を開始した鷺沼は、神奈川県警山手署刑事、宮野と手を組む。一匹狼を自認する宮野と型破りの捜査を展開し、12億円の行方をつかむ。それは、神奈川県警の裏金庫―。警察庁を含む、警察組織を覆う腐敗を見逃すか、それとも暴くか。組織の安泰をとるか、自らの信条をとるか。人生を賭けた闘いの果てにあるのは希望か絶望か。大藪春彦賞受賞作家が、静かに激しく生きる刑事たちを描く。

    いや~面白かった。
    鷺沼の運が若干良すぎる感は否めないがこれは小説だから。
    とは言え、不良刑事だが根が素直で家庭的、これぞという時に勘の鋭い宮野、ヤクザだけど約束したことは守るそして頼りがいのある福富。出てくる人に魅了された。

全16件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1951年、千葉県生まれ。立教大学卒。出版社勤務を経て、2001年『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。ミステリーをはじめ警察小説、山岳小説の名手として絶大な人気を誇る。主な著書に『ソロ』『K2 復活のソロ』(祥伝社文庫)他。21年逝去。

「2023年 『希望の峰 マカル―西壁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

笹本稜平の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×