リセット (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 647
感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575513998

作品紹介・あらすじ

ぼんやりした不安と不満を抱え、それでも平凡に暮らしていた三人の女性が、突然、高校時代にタイムスリップさせられてしまう。"未来の想い出"がリプレイされる毎日は、彼女たちの意識を少しずつ変えていく。そしていま、再び新しい人生へ!人生は変えられることを教えてくれる長編if小説。文庫特別収録。著者インタビュー「文庫刊行によせて」。

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    ぼんやりとした不安と不満を抱え、それぞれ平凡に暮らしていた三人の女性が、
    高校時代にタイムスリップさせられてしまう。
    〝未来の想い出〟がリプレイされる毎日は、彼女たちの意識を少しずつ変えていく。
    そしていま、再び新しい人生へ!人生は変えられる事を教えてくれるif小説。

    専業主婦で良妻賢母の知子。
    バリバリのキャリアウーマンで独身の薫。
    高校中退で生活に疲れている晴美。
    そんな高校の同級生3人が偶然再会し、30年前の高校時代にタイムスリップする。
    うわ~タイムスリップ…その手のお話が苦手な私でしたが、
    楽しく描いているのではなく、とってもシビアに描かれていて凄く良かった。
    中身は47歳だから、同級生の幼さを感じて全く会話が合わない。
    当時の母親や父親や祖母の姿も言ってる事も全く違って見える。
    現実の年齢よりも若い母親との再会の場面はそれぞれ感動的で共感しました。
    ある程度年齢を経ないと見えないものってある!ある!と凄く感じた。

    仕事・結婚・出産・介護…女性の人生で避けて通れない問題も描かれていたし、
    男尊女卑の風潮の中で生きることにもがき続ける三人。
    「あの頃に戻って、もう一度やり直したい」
    誰しもが一度は頭の中で想像したことがあるのではないか…?
    3人それぞれが選んだ新しい人生…。
    あー、こうなっちゃうんだ…。
    そこも甘くはなく、現実が描かれているのが良かった。

    タイムスリップで人生をやり直せることなんて出来ない。
    今、置かれている場所で状態で、自分の人生をより良くしていくことを
    考えなくっちゃいけない。
    頑張らなきゃね(*´▽`*)

  • 垣谷美雨さんの本は初めて読みました。
    ブクログのおかげで出会った作家さん。
    【あなたの人生、片付けます】というタイトルがとっても興味深くて、古本屋さんへ。
    こんな時には出会いがあるもので、この【リセット】がすぐ目に飛び込んできた(笑)
    読みたい本に出会うのがちょっと難しいバンコク。
    もちろん紀伊国屋さんへ行けば手に入るのですが、なんせお値段が日本の1.5倍なので…(涙)
    古本屋さんも大人気で、気に入った本はすぐに買わなければ、すぐに売れてしまいます。
    なので、読みたいと思っていた本、作家さんに出会えるとしあわせ!

    期待して読み始めた垣谷さんの本でしたが、期待通り、とっても面白かった!
    一気読みでした!

    1959年生まれの垣谷さんですが、デビューは2005年。
    この【リセット】は2作目。

    兵庫県青海町で育った知子、薫、晴美の三人は高校の同級生。
    家庭環境も性格も、その後に歩んだ人生も全く違う三人が、ある日、導かれるようにして再会する。
    現在の暮らしに不満を持っていた三人が、高校時代へタイムスリップしてしまい…

    タイムスリップという設定はよくある(?)ことのように思うのですが…
    それが、この本ではちょっと違う。
    ラストはかなり良いです♪

    垣谷さんの本、もっと読んでみようと思っています。

    少し前に読んだ小路幸也さんの【カレンダーボーイ】もタイムスリップものでした。
    こちらは幼なじみの男性二人がタイムスリップ。
    この本のラストは切なくて、これまた良かったのですよね~

    • 杜のうさこさん
      azu-azumyさん、こんばんは~♪

      コメントありがとうございます♪

      私も垣谷美雨さん、読みやすくて大好きなんです。
      でもお...
      azu-azumyさん、こんばんは~♪

      コメントありがとうございます♪

      私も垣谷美雨さん、読みやすくて大好きなんです。
      でもお仲間の本棚さんではあまりお見かけしなくて…。
      azu-azumyさんが読んでくれてとても嬉しいです。

      今ざっと数えたら8冊読んでいて、自分でもびっくり!
      コメントして下さった『避難所』も
      テーマが震災だけに、面白かったとは言えないんですが、
      応援しながら一気読みでした。

      うわぁ~、1.5倍はきついですね。
      私も絶対(泣)ですよ~。

      今年も残りわずかです。
      azu-azumyさんとお友達になれて、
      とても嬉しい年でした。
      タイでのご様子もいつも楽しみに拝見しています。
      来年もどうぞ仲良くさせてくださいね♪
      よろしくお願いします(*^-^*)
      2015/12/29
    • azu-azumyさん
      杜のうさこさん、あけましておめでとうございます!
      コメントありがとうございます!

      そうなんですよね!
      私もお友達の本棚ではなかな...
      杜のうさこさん、あけましておめでとうございます!
      コメントありがとうございます!

      そうなんですよね!
      私もお友達の本棚ではなかなか垣谷さんの本をお見かけしなくて
      杜のうさこさんの本棚にみつけて、とっても嬉しくなりました♪
      垣谷さんの本を8冊も読んでらっしゃるのですね!!
      垣谷さんの本、見つけた時には迷わず手に入れなければ~と思っています。
      なんせ、1.5倍ですからね~^^

      今年もどうぞよろしくお願いします(^^♪
      2016/01/02
  • ぼんやりした不安と不満を抱え、それでも平凡に暮らしていた三人の女性が、突然、高校時代にタイムスリップさせられてしまう。“未來の想い出”がリプレイされる毎日は、彼女たちの意識を少しずつ変えていく。そしていま、再び新しい人生へ!人生は変えられることを教えてくれる長編if小説。

  • もし人生リセットできたらこんな人生を歩みたい、と思う人生があるなら後悔するより行動しろってことでした

  • これまでタイムスリップ小説は読んだことあるけれどこれほど女性の生き方に重点をおいた内容はなかった。男女雇用機会均等法が成立する前に悔しい思いをした働く女性や舅姑問題が盛り込まれて世代によっては共感するばかりだろう。まさに自分もその1人で読む手がとまらなかった。著者が同世代なのでどの作品も共感できてハズれがない。

  • 40代半ばを過ぎたオバサン3人が高校生に戻って人生やり直す話。
    結婚して二人の子供がいる専業主婦の知子、聡明で独身を通してシステム開発会社の副部長まで登りつめたキャリアウーマンの薫、貧しくてパートで日々食つなぐ日々を送る晴美。
    それぞれがお互いの人生を羨ましがりつつ、良さそうに見える人生にもなんらか苦しみはあるよね、という話もありつつ。
    テーマは女性の生きづらさなんですかね。昔ほど男尊女卑みたいなものはなくなってきてはいると思いますが、それでも海外に比べると日本はまだまだなのかなと思います。

  • 47歳同級生女性3人が偶然再会し、同時に高校時代にタイムスリップするお話。今の生活に不満を持っていた3人は未来を変えるために違う選択をしていくが…
    私も今の感情をもったまま高校生にタイムスリップしたら、違う選択をするのかな?
    当時の両親をみたら今よりもっと感謝するのかもしれない。
    一度きりの人生。年齢など気にせずやりたい事には挑戦して行こう!と思わせてくれる本。

  • 評価は5.

    内容(BOOKデーターベース)
    ぼんやりした不安と不満を抱え、それでも平凡に暮らしていた三人の女性が、突然、高校時代にタイムスリップさせられてしまう。“未来の想い出”がリプレイされる毎日は、彼女たちの意識を少しずつ変えていく。そしていま、再び新しい人生へ!人生は変えられることを教えてくれる長編if小説。

    面白かった。
    こういうファンタジックな本は沢山あるが、この作者の女性ならではの視点に激しく同調出来た。
    専業主婦に対してキャリアウーマンが考える事や、ステータスの高い女性が水商売の女性に対して思う事等々口に出して言えないが何故か一々うなずけた。

  • いわゆるタイムスリップもの。
    読みやすく、エンターテインメント性も高く、そしてしみじみと考える要素もある。

    ぼんやりとした不安や不満を持ちながらも平凡に暮らしていた、47歳の女3人。高校の同級生である彼女たちは、ある日偶然の再会を果たし、流れから近くのお店に食事に出掛けた。
    洞窟のような不思議な作りのその店で、あるきっかけから、3人は高校時代にタイムスリップする。

    47年の人生の記憶を持ったままの、17歳へのタイムスリップ。
    それぞれ全く違う人生を歩みつつ(結婚して出産する人生、未婚のままエリートコースを歩む人生、未婚で夜の仕事をしている人生)それぞれが自分の人生に不満と不安を抱えている。
    だからやり直した人生では、元々の自分とは違う生き方をしたいと望むのは、ごく自然なことだと思う。
    この小説の登場人物3人も、そうしてタイムスリップ後の人生は元とはがらりと変えた道を歩み始める。
    そして15年後…果たして3人の胸中は?という物語。

    自分が選ばなかった人生に思いを馳せる。ということを、ひとつ前の本のレビューで書いたばかりなのだけど、実際は出来ない「もうひとつの人生を歩むこと」をこの小説では実現出来る。
    とても夢がある話だ。でも実際は、生き直したところで、自分が自分である限りは完全に不満や不安が消えることはないのだと思う。
    パーフェクトな生き方なんて存在しない。
    人は無い物ねだりをする生き物だから、自分とは違う生き方に嫉妬を覚えたりするけれど、その“違う生き方”に身を置いた途端、元の自分の生き方が恋しくなるものなのかもしれない。

    結婚、出産、仕事。
    ひとつ取っても様々な選択があって、羨ましく思えるような他人の選択を自分がしたとしても、幸せと思えるかどうかは分からない。
    自分には自分に合った生き方がある。他人から羨まれなくても、不満や不安だらけだとしても。

    裏テーマ?としては、男女平等は難しい、というか実際のところは無理、というのがあるのかも。そういう部分がけっこう熱心に描かれていると思う。
    男らしさ、女らしさって昔に比べたら薄れてるんだろうけど、まだまだ根強いものがあると思うから。
    「女は早く結婚して子どもを産め」とか平気で言う人、いまだにいるもんね。

    夢があるSFというよりは、リアルなSF。
    実際には起こらないことだから、想像して自分の人生を見つめる、そういうきっかけになりそうな物語。

    垣谷美雨さんの小説、他にもSFちっくで面白そうな作品がたくさん。

  • 垣谷美雨はコレから入った、という人が多い「リセット」を読む。
    ひょんなことから再会した47歳の女性たち。それぞれの立場は
    愚痴る専業主婦、キャリア系行かず後家、そして極貧独身中年と
    いう感じ。現状に不満を持ち、出来ることなら人生をやり直した
    い、と思っていた3人が、30年前・高校三年生の時代にタイムス
    リップして人生をリセットする、という内容。

    いやまぁね、ありがちと言えばありがち過ぎる設定。
    ただ、47歳の記憶を有したままもう一度人生がやり直せる、と
    いうのは、誰もが一度は覚えのある筈の小っ恥ずかしい妄想を
    堂々と文章にし、なおかつ決してハッピーにしない、という夢の
    砕き方が、救いがなさ過ぎて実に見事。決して皮肉では無い。

    問題があるとすれば、これを読んだ人の半分が「人生?どうでも
    いいよ、そんなの」とか感じそうなところ。実は僕もソッチの
    クチなのだが。要らぬお世話とは言え、ちょっと心配。
    まぁ、それも正直どうでもいいけど(^^;)。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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