ジョニー・ザ・ラビット (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575514384

感想・レビュー・書評

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  • ハードボイルド。主人公は兎。
    飼主(マフィア)が殺され逃亡,野良兎に。
    探偵依頼から,兎の復活教会に潜入。
    復活の樹の集団死が,元飼主の死に繋がる。
    兎が敵の懐に入る事で驚きの展開。

  • うさぎを主人公にしたハードボイルド小説。モフモフ。
    ジョニー・ラビットは兎一匹復讐を遂げるぜ…といいつつも、どうやら動物好きっぽい宿敵ラッキーボーイ・ボビーに懐きたい気持ちを抑えられない。ジョニーは兎だけどマフィオーソに飼われてたこともあって人間の言葉がわかるけど、人間は兎語がわからないので会話(?)が噛み合ってないのも良いです。兎語がわかれば、ジョニーはかなり重要なこと言ってるんだけどなぁ。。
    「ふざけやがって!」「ぶっ殺してやる!」って言いつつ、脚トントンさせてたりしてるのはグレーのちっちゃい兎…と思ったら力が抜けます。兎の生態がちゃんとしてて、東山さん兎に詳しいな?ブルースを歌う犬とのシーンは素敵で、病院のシーンと中華街と思われるところについての考察に笑いました。人間の友達は一番が犬、二番が猫、三番が金魚、その次くらいが兎と鸚鵡で、兎は五分五分でペットと食料…と思ってたけど犬も食べるなら兎なんて勿論。。と。家鴨を標的にするKKK団。
    うさぎなので少しマイルドになっている気がするけどマフィアの復讐と仲間割れものなのでかなりハードでシビア。原発の煙突を『再会の樹』と崇める狂信的なうさぎもいるし……でもラストは好きです。たぶんジョニーはボンネットで。。そしてホンコンがここでくるとは。鮮やか。

  • ウサギが主人公ではあるけど、だからこそここではないどこかへの狂おしいほどの渇望や、超えられない壁(この場合種の)への絶望、そして生命としての矜持が際立つ
    ハードボイルドだけど、主人公がウサギだからか読みやすく出どこかユーモラスだけど、クライマックスはぐっとくる
    設定の奇抜さを超えて、秀逸な物語に収束していると感じた

  • 本物の兎のジョニーが主人公のハードボイルド。
    ちょっと読みづらくなかなかページが進まなかったけれど、ジョニーが人間の街に戻ってからは俄然勢いづいた!
    兎の街でのジョニーはタフな主人公っぽいけど、本当にハードボイルドなのは人間の街で、チンピラの悪ガキ共にも抵抗の仕様がないようなただのペットの兎になってから。
    知恵絞って体張って自分なりのやり方で事件の幕を引くジョニーはすごくリアルに兎なのに、とてもハードボイルド!
    ラッキーボーイ・ボビーとの間に築かれていく友情みたいなものが切なかった。

  • 花は桜木、男はジョニー。
    ジョニーとは主人公である探偵。
    ただし、ジョニー・ラビット、ウサギである。

    登場人物のほとんどはジョニーと同じウサギ。

    「朝顔酒」を飲んで酔っ払ったり、教会に通ったり、スズラン中毒者になったりと、妙に人間臭い奴らである。
    が、しきりに足をトントンさせ耳をピンと立てたりするところはしっかり「ウサギ」らしく、そうやって戯画化され描かれるウサギ社会や会話が面白かった。

    ハードボイルドを気取るジョニーは、自立した「ラビット」でありたいと願う一方、人間と向き合えばペットとして可愛がられる「バニー」になってしまう自分のもう一つの本能に気づかざるを得ない。
    ハードボイルドであろうとすればするほど、「他のウサギとは違う」と望むほど、人間に対する憧れ、人間だけが持つという「愛」を渇望してしまう。飼い主の仇であっても。

    人間臭いウサギ、という出落ち的なネタで終わるかと思いきや、ウサギが主人公だからこそ描けるものをしっかり描いてました。


    "ああ、ジョニー・ラビット!あんたがいなくなって、本当に寂しいよ!"

  • 異食やめて……(;_;)
    ラッキーボーイと会ってから面白くなったけど、異食やめて…

  • マフィアのドンに飼われ、雄としての誇りを胸に生きてきたジョニー・ラビット。いまはシクラメン通りに探偵事務所を構える彼のもとに、行方不明の兎の捜索依頼が舞い込んだ。兎の失踪なんて珍しくもなんともない。だが、単純なはずの事件は思わぬ展開をみせ、やがてジョニーは仇敵の待つ人間の街に―。ユーモアとペーソス溢れるピカレスク・ハードボイルド。

  • まさかのウサギが主人公。の、ハードボイルド。
    うさぎの気持ちがわかるのか。
    前半なかなか読み進まず苦労した。

  • なんというか品のないウサギw
    イタリアンマフィアに飼われてた口の悪い兎なんだけど、ハードボイルドを気取ってるんだけどどうも品がない気がしました。。。

  • うさぎに惹かれて購入。
    大分、本棚で眠っていたけどようやく。

    導入部か、若干の違和感があったけど最後まで馴染めなかった感じ。まっ、うさぎじゃなくてもよかったよね、と思いました。

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著者プロフィール

1968年台湾台北市生まれ。9歳の時に家族で福岡県に移住。 2003年第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞受賞の長編を改題した『逃亡作法TURD ON THE RUN』で、作家としてデビュー。 09年『路傍』で第11回大藪春彦賞を、15年『流』で第153回直木賞を、16年『罪の終わり』で中央公論文芸賞を受賞。 17年から18年にかけて『僕が殺した人と僕を殺した人』で第34回織田作之助賞、第69回読売文学賞、第3回渡辺淳一文学賞を受賞する。『Turn! Turn! Turn!』『夜汐』『越境』『小さな場所』『どの口が愛を語るんだ』『怪物』など著書多数。訳書に、『ブラック・デトロイト』(ドナルド・ゴインズ著)がある。

「2023年 『わたしはわたしで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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