- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575514445
感想・レビュー・書評
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前に読んだのですが
文楽を見て再読。
やはり面白いです。
そして号泣しました。
人が好いんです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「あやつられ文楽鑑賞」を読み終えた後、本屋の棚を探す。本当を言えば、生の文楽を体験してから読もうかとも思ったが、辛抱たまらず読み始める。
何かというと扇子で頭を叩く銀太夫師匠。
小学生のミラちゃんがポツリと云う。「健せんせ、おじいちゃんに怒られて楽しそうやったね」。
いろいろな具材をクルッっと包んでオムライスが出来るのを見るような科白。このタイミングでこの一言。しをんさんは凄い。
墓の近くにラブホテルというのは、中沢新一「大阪アースダイバー」にあった話。実際、生国魂神社の周囲はお寺とラブホテルが多くて、国立文楽劇場も近い処。僕は大阪の一人暮らし数か月だけれど、この小説の舞台もチョットわかるようになった。でもさ、無理のある道具立てだと思う。まあ、面白いからいいかな。
「舟を編む」の時もそうだったけど、恋愛の始まりが男の主人公の都合良過ぎじゃないかな。女性作家なのにね。著者は健をモジモジした恋愛より、ジタバタヤキモキする恋の炎に放り込みたかったということかな。
恋愛や人間関係から天啓を得て、浄瑠璃の人形に命を吹き込む。そのくだりは面白いのだけれど、もう少しゆっくり語ってもいいんじゃないかな。最初はちょっと強引に感じたが、読み返してみると、そうでもなかった。僕の頭が鈍いのか。
終盤、勘平に健の意識が同化していく辺り、ゾクッとした。もっと読んでいたかった、と思ったんだから、良い作品なのは間違いない。
兎も角、生の文楽を観に行かなくちゃ。 -
おもしろい。
文楽に興味がなくても、気になってくる。 -
『あやつられ文楽観賞』後の『仏果を得ず』だったので、分かりやすく入り込み易い。
一度は文楽を見てみたいと思わせるところはさすが。
2013.10.1読了 -
小説という舞台の中に、
こうも自然に「文楽」という伝統芸能が
息づいていることに驚嘆する。
健を語るのに、描くのに
文楽への愛はかかせない
だけど健はただ文楽に命を懸けるわけではない
勿論恋もするし、恋されるし
友情もあるし、師弟愛もある
それを全て「文楽」という一つの筋で描いていく
文楽を知らずしても、
自然と自分が健大夫の傍にいる、
文楽に関わる一人のように
読み進めることができた
何かに打ち込んでいる時、
一つのことに集中しなければならないとき
単に外界との接触を断つことがベストではない。
時に邪魔されながら、煩わされながらも、
でも自分の答えに結びつくヒントとなる
だからこそ、世間で大成しているその道の人は
博識で、思慮深い人が多いのかもしれない。
極めることができなくても、
極めようとする人でありたいと思った。
「長生きすればできる」と。 -
とっても面白かった!
なんか義大夫は古い言葉で話すのに
師匠も健も結構現代人なところがをかし!笑
一気に読んじゃいましたーん-
「一気に読んじゃいましたーん」
三浦しをんの書く話でも、これは元気が出る系上位です。
此れを読んだら「あやつられ文楽鑑賞」も是非!「一気に読んじゃいましたーん」
三浦しをんの書く話でも、これは元気が出る系上位です。
此れを読んだら「あやつられ文楽鑑賞」も是非!2013/06/20 -
コメントありがとうございます♡
そうですね、すごく元気が出ました笑
あやつられ文楽鑑賞…
学校で探してみます(^o^)ゝ
コメントありがとうございます♡
そうですね、すごく元気が出ました笑
あやつられ文楽鑑賞…
学校で探してみます(^o^)ゝ
2013/06/30
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三浦しをんの作品とあって読む気になったけれど、これまで文楽の事は全く興味もなく、読み始めは楽しめるかどうか不安でした。
が、そんな不安も全く無用で、見たことが無い文楽と言うものがおぼろげながら想像出来、とても面白く読めました。
主人公をはじめ登場人物がそれぞれとてもユニークで親しみが持てたのも、読みやすかった理由の一つ。
そして主人公の芸や恋の悩み葛藤と、文楽の有名どころの作品とからめ方がさすがでした!!-
2014/03/17
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文楽の太夫としては、まだまだ若輩者の健は、師匠・銀太夫に三味線の兎一郎と組むよう言い渡される。
図書館で借りて読んだが、やっぱり持っておきたいと文庫で買ったので再読。 -
文楽の世界、というある種特殊な世界を舞台とした青春もの、1人の青年義太夫の成長物語。
正直、文楽という世界をあまり知らなかったワタシですが、すごく面白く最後まで一気に読んでしまいました。
文楽の演目が各章のタイトルになっているのですが、その演目にちなんだ主人公をめぐるエピソードになっています。
また、主人公の健が、学生時代はどちらかというと、やんちゃなヤンキーっぽい学生で、ふとしたことから養成所に入り、義太夫を目指す、という設定なのも良かったです。元々そういう家系で…というよりもスタート地点のハードルが高めなのが、彼の成長が如実にわかりやすかったような気がします。
人間国宝でもういい年なのにやんちゃな師匠の銀太夫、その銀太夫を軽くいなす猛獣使い的な相三味線の亀治、健の相三味線のちょっと不思議キャラだけど芸には妥協しない兎一郎、とにかくストレートな恋人の真知とその娘ミラちゃん…などなど、個性的な脇役達もキャラがしっかり立っています。
それぞれの章のキーになる文楽の演目ですが、初めは250年もの前のストーリーなので、健も演じる登場人物達の心情がつかめず、かなり悩んで試行錯誤を繰り返します。(特にラストの仮名手本忠臣蔵の早野勘平腹切の段は読み手のこちらもはじめは人物像がつかみにくく、健とともに悩みながら読みました)
http://youtu.be/yBXXNaZepFU
(ラストの勘平腹切の段の場面)
が、周囲の人々のちょっとしたエピソードなどから、健なりの役どころの心情を掴みとってからの演じている描写の凄まじさや疾走感は、読んでいるこちらもかなりのカタルシスを感じることが出来ました。
ラスト近くで、自分にとって恋人の真知を一番に選ばないで、義太夫が一番、真知は二番、それでもいいですか? と弱気になりつつ尋ねるのも健の馬鹿正直、というか真摯な人柄を現すよいエピソードだと思いました。
読んでいて、スカッとする爽快なストーリー。文楽はあまり知らない世界でしたが、一度見てみたくなりますね。作者の取材力もスゴイです。