少女 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 12686
レビュー : 1261
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575514834

作品紹介・あらすじ

親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く-死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 久々の湊かなえ。
    丸山健二の遅々として進まない小難しい本を投げ出しこちらを読む。
    あっと言う間に読めた。
    そしてそれなりに面白い。
    「告白」ほどの衝撃はないけれど。

    二人の少女の視点が切り替わるのが分かりづらくて最初はイライラしたが、あとがきを読んで納得。
    おお~、そんな仕掛けが。

    伏線もしっかり回収するし、予想を裏切る結末と言い、湊かなえさんは巧い。人気が出るのも納得。
    子供の頃に夢中になった赤川次郎を思い出した。
    しばらくご無沙汰だけど通じるものがあるのか・・・。

    うん、たまにはこんな本もいい。

  • 二人の女子高生の視点が絡み合いながら進む少し破滅的な青春ミステリ。本作は『告白』や『白ゆき姫殺人事件』のような群像形式の独白ではなく、主人公二人の視点に絞っているため、ストーリーの全体像が把握しやすい。伏線も綺麗に回収され、やや登場人物の関係性が劇的に過ぎる部分も、田舎の地方都市という舞台設定のおかげでちゃんとクリアしている。オチの付け方に不満はなく話はちゃんとまとまるものの、前半部分は少しとっ散らかった印象を受けるせいか、半分を過ぎるまでは退屈に感じてしまった。結末で答えを出すのではなく、最後でテーマが浮かび上がる形の〆方なので、人によってはすっきりした読後感はないかもしれない。因果応報がテーマではあるが、水森のおばあちゃんに対する報いがモチを喉に詰まらせて生死の境を彷徨うだけというのは公平性に欠ける印象。死が動機の物語なせいか、死の結末で決着をつけるのを避けてしまったのが手ぬるく感じてしまった原因かもしれない。構成は上手く、湊かなえ作品の中ではとっつきやすい部類ではないだろうか。

  • 読み始めは、文章からどちらの発言なのかいちいち読み取るのに苦戦しましたが、途中からふたりの人物像がはっきり見えてきたので、イッキに臨場感のある作品になりました。

    学生時代なら誰しもが経験するであろう「自分たちのいる場所=世界の全て」という感覚。
    10代独特のグラグラとした危なっかしさと無垢なる残酷さが等身大で描かれているのが絶妙でよかったです。

    とくに、彼女らの狭い世界の中で複雑に絡み合う人間関係は必見です。
    序盤に蒔かれた謎やトリックは、後半にかけて次々と回収されて最終的にはすべてのピースが埋まるのですっきりします。イヤミス度は案外低め。

    その後のふたりは因果応報の報いを受けるかもしれませんが、それはまた別の物語。

  • 解説まで読んで、あぁそうだったのか!ってなった部分を読み返してすっきり。
    湊かなえさんの作品は告白以来だけど、やっぱり面白い。

  • あれ?普通に面白い!
    嫌な気分にも全然ならなかった
    湊かなえに慣れて来たのか、そうじゃないのかわからないが、ちょっと厨二感あるあの年頃の友情話にしか感じなかった

    人の死を見てみたかったり、それを自慢げに恍惚とした表情で話す友達とか、人の死とは限らなくても何か自分は特別なものになれると思っていた頃ってあったなと思いながら読んだ

    多分この物語に出てくる気分が悪くなる内容の部分はあまり身近にない問題でちょうど良い距離感で読めたのが良かったのかも

  • 告白、夜行観覧車に続く湊さん3作目。
    正直なところ、軽い。面白くない。

    『人の死ぬところが見てみたい』と、衝撃的なテーマを大々的に掲げているにも関わらず、
    肩すかしもいいところ。

    それをダシに逆に命の尊さについて締めくくられているなら、わかる。
    だが、それもない。
    なにやらわからない、変に清らかな少女の友情話で決着している。
    それならそうと、そこに重きを最初からおけばいい。
    全てが中途半端で途中から飛ばし読みしそうになった。

    なぜ、彼が刺したのか、
    なぜ、そこから逃げたしたのか、
    なぜ、彼女が彼に好意を抱いたのか、
    また、その好意は何の意味があったのか、
    人の死を目撃したいという欲求があれだけ強く描かれていたにも関わらず、
    最後のあのオチは、なんだ。
    全く持ってわからない。

    いや、意図するところは分かるが、
    なぜそうもっていったのか、ただただ不明で不快。

    最後は全てが繋がってスッキリまとまった感満載で終了しているところがこれまた不快である。
    動機があれほど強いのだから、
    それ相応の着地点を設けるのは必須である。
    寄り道しすぎ。つまみ食いしすぎ。

    久々の不完全燃焼小説。

  • 単行本持ってるけど、随分忘れてたなぁ。

    主に出てくるのは二人の少女。

    ●親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く―死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。

    【「BOOK」データベースより】

    同じような考えで(「死を身近に感じたい」「死体を見たい」)同じような行動をとる(老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く)二人。交互に「語り」に入るので、どっちがどっちだ!と混乱する瞬間も。

  • 最後の結末が衝撃的でした!!!ずっと気になりながらも他の話と並行しながら読めるし人間の闇がわかるのでオススメ!

  • 自分としては高評価かな。
    やはり湊作品らしく主人公は女性、しかも高校生、心の中の駆け引きがよく描かれている。
    フィクションではなく、まさにノンフィクションにも感じた、今まさにありえるお話しかな。
    湊作品らしくラストは衝撃❗️
    話の展開方法や人間描写が素晴らしい。⭕️

  • 人が死ぬ瞬間を見てみたいと思う女子高生と、人の死体を見たら死を悟れるのではないかと考える女子高生。2人は親友であり、別々に人の死に触れる計画を実行しようとする。
    ...まずこの設定が強すぎるのだが、実際に読み進めると設定負けしていない、というよりは非の打ち所がない完全な仕上がり。(設定、構成、読みやすさ云々)

    登場人物のような人(女子高生)は現実世界にはほぼ存在しないはずだが、妙なリアリティがあり、著者の観察眼に敬服する。

    主題は1つに定まっていないような気がするので読み手によって感じ方は異なると思うが、いずれにせよ刺激のあるもの。

    具体的な内容については言及できないのが惜しい(面白さが低減してしまう)ので、読んでみてほしいとしか言えない。

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著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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