少女 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 12084
レビュー : 1232
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575514834

作品紹介・あらすじ

親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く-死の瞬間に立ち合うために。高校2年の少女たちの衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 久々の湊かなえ。
    丸山健二の遅々として進まない小難しい本を投げ出しこちらを読む。
    あっと言う間に読めた。
    そしてそれなりに面白い。
    「告白」ほどの衝撃はないけれど。

    二人の少女の視点が切り替わるのが分かりづらくて最初はイライラしたが、あとがきを読んで納得。
    おお~、そんな仕掛けが。

    伏線もしっかり回収するし、予想を裏切る結末と言い、湊かなえさんは巧い。人気が出るのも納得。
    子供の頃に夢中になった赤川次郎を思い出した。
    しばらくご無沙汰だけど通じるものがあるのか・・・。

    うん、たまにはこんな本もいい。

  • 二人の女子高生の視点が絡み合いながら進む少し破滅的な青春ミステリ。本作は『告白』や『白ゆき姫殺人事件』のような群像形式の独白ではなく、主人公二人の視点に絞っているため、ストーリーの全体像が把握しやすい。伏線も綺麗に回収され、やや登場人物の関係性が劇的に過ぎる部分も、田舎の地方都市という舞台設定のおかげでちゃんとクリアしている。オチの付け方に不満はなく話はちゃんとまとまるものの、前半部分は少しとっ散らかった印象を受けるせいか、半分を過ぎるまでは退屈に感じてしまった。結末で答えを出すのではなく、最後でテーマが浮かび上がる形の〆方なので、人によってはすっきりした読後感はないかもしれない。因果応報がテーマではあるが、水森のおばあちゃんに対する報いがモチを喉に詰まらせて生死の境を彷徨うだけというのは公平性に欠ける印象。死が動機の物語なせいか、死の結末で決着をつけるのを避けてしまったのが手ぬるく感じてしまった原因かもしれない。構成は上手く、湊かなえ作品の中ではとっつきやすい部類ではないだろうか。

  • 解説まで読んで、あぁそうだったのか!ってなった部分を読み返してすっきり。
    湊かなえさんの作品は告白以来だけど、やっぱり面白い。

  • あれ?普通に面白い!
    嫌な気分にも全然ならなかった
    湊かなえに慣れて来たのか、そうじゃないのかわからないが、ちょっと厨二感あるあの年頃の友情話にしか感じなかった

    人の死を見てみたかったり、それを自慢げに恍惚とした表情で話す友達とか、人の死とは限らなくても何か自分は特別なものになれると思っていた頃ってあったなと思いながら読んだ

    多分この物語に出てくる気分が悪くなる内容の部分はあまり身近にない問題でちょうど良い距離感で読めたのが良かったのかも

  • 告白、夜行観覧車に続く湊さん3作目。
    正直なところ、軽い。面白くない。

    『人の死ぬところが見てみたい』と、衝撃的なテーマを大々的に掲げているにも関わらず、
    肩すかしもいいところ。

    それをダシに逆に命の尊さについて締めくくられているなら、わかる。
    だが、それもない。
    なにやらわからない、変に清らかな少女の友情話で決着している。
    それならそうと、そこに重きを最初からおけばいい。
    全てが中途半端で途中から飛ばし読みしそうになった。

    なぜ、彼が刺したのか、
    なぜ、そこから逃げたしたのか、
    なぜ、彼女が彼に好意を抱いたのか、
    また、その好意は何の意味があったのか、
    人の死を目撃したいという欲求があれだけ強く描かれていたにも関わらず、
    最後のあのオチは、なんだ。
    全く持ってわからない。

    いや、意図するところは分かるが、
    なぜそうもっていったのか、ただただ不明で不快。

    最後は全てが繋がってスッキリまとまった感満載で終了しているところがこれまた不快である。
    動機があれほど強いのだから、
    それ相応の着地点を設けるのは必須である。
    寄り道しすぎ。つまみ食いしすぎ。

    久々の不完全燃焼小説。

  • 2019.5.29 読了

    初めて湊かなえ文学に触れました
    随分前にも「告白」を松たか子主演の映画で鑑賞しましたが、小説を読んだのは初めて。

    まずすっごく読みやすく
    伏線を拡げては、回収してスッキリしました

    主人公は由紀と敦子の一人称で展開するもので
    最初はなんだ、このセルフィッシュで傲慢な考えの女子はって読んでて不快も出てきたが、女子高生という肩書きがあるから、少女達の心理状態が上手くリアルに描写されてるなって思えた、
    これが50過ぎた無職男性だとしたら、むなくそ悪い駄作。

    由紀も敦子もバラバラな性格と思いづつ、両者共自己満足的な考えを持っていて、最たるは「死体を見たい、死ぬ瞬間を見たい」という共通の命題がでてる
    やはりリアルな女子高生であり、一夏の思い出、青春物語って感じました、ミステリーというより。

    因果応報ー
    この言葉もキーになるが、そうなると、後半は特に、読後感良き小説だな、あれはきっとあーなるなと先が読めるものに感じてしまった…
    なぜならば本来、因果応報という言葉は仏教の教えであり、全ての行動は巡りに巡って自分に還ってくる、善悪関係なく。
    本作品では因果応報を悪い意味でしか捉えてないので、善き行動も還るということも信じてたら、案の定結局丸く収まったなって印象です
    でも最後に遺書を読ませるのは後味が悪いな〜って思った

    まー総じて四つ星善き作品です(^^)

  • 良かった、良かった。
    読み終わった瞬間に安心した。
    湊かなえさんのことだから、てっきり由紀が敦子のことを、若しくは敦子が由紀のことを、お互いに誤解したまま自殺に追い込んでしまうラストに向かうのではないかとヒヤヒヤしながら読んでいたから、思ったよりも後味が悪くない感じ。
    同じような雰囲気の小説なら、桜庭一樹の『少女には向かない職業』の方が心がヒヤッとするような感覚で、後味が悪いかな。

    通学時間に楽しんでサクサク読めたので、星4つにしておきます。

  • 面白かった。
    湊さんの作品の中では1、2を争う面白さだった。
    由紀と敦子のそれぞれの気持ちがすれ違ってつまらないことで誤解しあって、思春期特有のいろんな心の葛藤が物語を複雑にしていった感じだった。
    だけどよく考えたらこういうのって簡単に思春期特有のとかで済まされるけど、本当は思春期だどうだじゃなくて、大人になってもあることなんだけど大人になったら若い頃みたいにそのことに真剣にぶつかっていかなくなっただけで普通に周りの人と誤解しあってすれ違ってばかりいていろんなモヤモヤがあるのに、しょうがないかで諦めてるだけなんじゃないかと思った。
    だから由紀と敦子みたいに気持ちのすれ違いに真剣にぶつかっていける若さっていいなぁと思った。
    ただ終わりかたはもうちょっとひねりがあっても良かったんじゃないかと思った。

  • いろんな所に伏線が張り巡らされていて、読み終わった後すぐに最初から確認したくなった。湊かなえの中では割りと好きな部類。

  • 2013/10/26読了、の再読。図書館で借りました。弱いけど強くて、脆い少女たち。少女を取り囲む環境や内なる想い。友情。細かく繊細に物語が練り上げられていて頁をめくる手を休めることが出来ない!人は大人になっても脆いけどそれを隠し、守る鎧を心に纏うこともできる。でも幼かったあのころはそれが難しかったな。まともに受けて立ち上がることはすごく難しいことだったな、とふと思い出しながら、読了。

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著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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