贖罪 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 9906
レビュー : 962
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515039

作品紹介・あらすじ

取り柄と言えるのはきれいな空気、夕方六時には「グリーンスリーブス」のメロディ。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺害事件。犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない4人の少女たちに投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる──これで約束は、果たせたことになるのでしょうか?

ベストセラー『告白』の著者が、悲劇の連鎖の中で「罪」と「贖罪」の意味を問う、迫真の連作ミステリが双葉文庫で文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 学校に現れた作業着姿の男。見知らぬ大人にも警戒することのない人懐こい少女たち。一人が連れて行かれ、いたずらされ、変わり果てた姿で見つかった。

    都会から来たお金持ちの美少女エリカの事件は、彼女と一緒に遊んでいた4人の少女の運命にも暗い影を落とすこととなった・・・。

    捕まらない犯人を恐れ、大人になったら殺されると自己暗示をかけるうち、25歳を過ぎても初潮を迎えない女

    その後の捜査にも役立てず、エリカの母親になじられたことから存在価値を見失い、償いのために教師になった女

    可愛いものに憧れながらもそれが似合わない外見に過度のコンプレックスを抱く女

    病弱な姉に母を独占され、構ってもらえない寂しさから警察官に憧れた女

    田舎に馴染めず、愛娘も失い、少女たちに呪いのような言葉を投げてしまう女

    救われない女たちの悲劇と男たちの異常性、やっぱり・・・後味悪いのが湊さんだなぁ。。

  • 「湊かなえ」らしい作品といえる。コアなミステリーファンには全く響かないと思うが、『告白』と同様、世間一般には高い評価を受けることは間違いない。全体を通して救いようがないほど重苦しく、一人称での独白によって構成されると点では、これもまた『告白』と似ているが、インパクトという点ではやや劣る。一方、誰もが持つ様なコンプレックスを発端として女性の心理描写を展開させたら、おそらく彼女の右に出るものはいないのではないか。

    追記:彼女の作品には、歪んだ男ばかりが登場し無慈悲というか冷酷非情な扱いばかりされているが、作者自身が、男性に対して強烈なコンプレックスがあるのではといつも疑念を抱いてしまう。

    • ぱんださん
      追記に同感です。
      追記に同感です。
      2013/01/29
  •  無関心という大罪。 確かに、自分の大切な人に何か不幸が起きた場合、何より腹立たしいことは、被害者に対する関心の低さだろう。 被害者が感じた恐怖や苦しみや絶望に想像を馳せないということ。 その怒りは、加害者だけでなく、周りの全てに向けられる、その気持ちはわかる。 ただ、そんな大罪を責められるほど、周りの全ての不幸に想いを馳せている人なんているわけがないから、僕らは皆罪深く、許し合わなきゃいけないらしい。 と言っても、互いの罪深さを盾に開き直っちゃいけないわけで、やっぱり他人の不幸にはできるだけ共感し、自分の不幸に共感されないことを、できるだけ許さなきゃいけない。 罪も、感情も、イチかゼロじゃなくて、グラデーションだから。

     独白形式だからこそ輪郭がハッキリするそれぞれの無関心。 手法とテーマがばっちりハマってました。

  • うわぁ。すごぃな。と、思わさせられました。
    湊かなえのそれぞれの人間たちの立場からの視点の描き方がすごい。

    被害者、加害者、被害者遺族くらいまでは割とどんな本でも描くことはあるけど、現場に居合わせた女の子たち4人の心情や、その後の心の移り変わりなど。

    こんな風にそれぞれがそれぞれの思惑の中にいた。という一つの事実は、事件云々と関係なくそれぞれの人生に影響を受けるんだな。と。

    同じ記憶が見つめる人間が違うだけで、こうも左右する。ということ。自分に置き換えると、娘の視点も去ることながら、身近にいる人間たちそれぞれにそういう視点がある。ということに改めて気がつかされました。

    そして、湊かなえのそうまでして登場人物全てへの生き方、思い、考え、思考を表現しきるところに、事件以上の衝撃があります。

    一章づつ小分けにして、それぞれの心情が吐露されるその瞬間に、ゾクゾクさせられる一冊です!!!!!!!!

    上手い!!!!

  • 「償う」とはどのようなことなのだろう。この物語は「償う」ことの重さ、尊さ、罪深さを教えてくれる一冊だ。本当に償うべき人はだれなのか、真実を読み進めながら、相手に放つ一言がどれだけ相手にとって重いものであるか、考えさせられていく。

  • 1番印象に残ったのが、都会育ちの麻子(エミリの母)。

    悪気はないのに、人を傷つける怖さ。恐ろしい。

    しかし、何ごとも自分で判断せずに、直接本人に聞く勇気を持つ事って大事だなと思った。

    事実は小説より奇なりっていうし。

  • 多視点作品で、告白と同様に少しづつ真相が暴かれていきます。

    いやぁ相変わらず(?)救いがない印象だけど、最後に二人はさっぱりしているし、救いはあったのかなーと。

    今作は女性視点のみで、それぞれの章で独白が続いていきます。
    女性のみという所が、この作品の怖さを引き立てています。

    そんな難しい話でもないのでさらりと読めますが、暗くなります(笑)。

  • 告白と差がないと思うのは自分だけ?

  • 題名を見て買った本

    小説の内容で長い手紙や演説など一方的に話が進む読み物はあまり好きではない。なぜか読みにくい。

    この本は5人の登場人物がそれぞれの視線で語りかけるような内容だったので、読み始めは読みにくそうな内容だなと思ったが、それぞれの考えや行動が細かく書かれていてなぜかすらすらと読んでしまった。

    ラストはバッドエンドみたいな感じだったが、なぜかすっきりした気分になれた小説でした。

  • 重〜〜!!大人の放った一言がいつまでもいつまでも心に残り、罪の意識を持ったまま成長してしまった子供達とその大人の話。
    本の構成として4人の昔話と今現在がそれぞれ綴られていくんだけど、初っ端から衝撃がすごい…えっ?えーー?えっーーーー!!!?という感じで一気に引き込まれる。罪を償うべき人は誰なのか徐々に分かっていくんだけど、誰も救われないというか、すれ違いを繰り返し悪い方へ向かっていく感じ…絶望…
    湊さんの構成の面白さと胃がキリキリしていく感じが詰まった良い本だった

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著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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