贖罪 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 9989
レビュー : 966
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515039

感想・レビュー・書評

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  • 小説に限らず、創作物において話に起伏をつけたり、スパイスを加えるためには多少なりともご都合主義的な概念が入るものである。そんな作者の意図を読者もある程度は許容したうえで読むこと、これは物語を楽しむためのある種の暗黙のルールと言えよう。

    私自身もこの考え方に関しては寛容なつもりだ。どうせ読むなら楽しみたいし、穿った見方や偏った思考で読んでも良いことなんてない、とそう思っているからだ。しかし、この小説は…、うーん…。そんな私でもちょっと拍子ぬけしてしまった。

    夏休みのある日の「グリーンスリーブス」が鳴る午後6時、一緒に遊んでいた四人の子供たちがエミリの死体を発見する。彼女達は犯人を見ていたが、その顔を思い出すことが出来なかったため事件は迷宮入りしてしまう。

    あらすじはこんな感じである。例によって構成は何人かの登場人物による多視点で進行する。事件の発見者である四人の子供はその後、どのような末路を辿ったのか。読めば読むほどうんざりしたくなるような展開。確かに登場人物はみんなどこか歪んでいて、それを軸にして物語を作るのがこの作者の得意分野なのかもしれないけど、こうも毎回毎回不幸になっていくとさすがにね…。

    とうぶんは湊かなえ作品は読まなくてもいいかなって思ってしまった。もちろん好き嫌いはあるだろうけど。私は合わないだけかもしれない。

  • リバースがドラマでやっていて、湊かなえさんの作品の違うのも読みたくなって中国出張前に成田空港にて購入。感想としては、出張中に気になって仕方なくて眠気を我慢して読み進めた。出張中に読み終わった。物語への引き込み方がすごい。。犯人が誰??と先が気になるというより、少女たちの背負った十字架と深層心理が気になって止まらなかった。

  • 告白、花の鎖、母性、に続き読んだ
    贖罪はそこまでイヤな気分にはならなかった

    まきちゃんの演説に共感した
    世間ネットの批判の仕方、加害者の人権ばかり声高に叫ばれる現代についての部分。

  • 幼い頃に背負った約束を果たしていくためには、約束を果たした相手への忠誠心と己を赦すことのない強固な思いが必要だ。
    この作品で、それぞれの少女たちは約束を果たすために奮闘していき、その結果身を滅ぼしていく。
    この手の題材のときにはいつも考える「自分が被害者の母親だったら何を望むだろうか」
    この作品ではきっと、なぜ自分の子が殺されなければならなかったのか、なぜ犯人の顔を覚えていないと嘘を言ったのか、嘘をついた子どもの友人たちへの底知れぬ怒りが源となって母親を突き動かす。
    でも、冷静に考えると、憎むべきは犯人であって彼女達ではない。恨むべき相手が分からないから、とりあえず感情をぶつけることのできる彼女達に矛先を向けたのは人間が持っている弱さだ。
    それでも各々の贖罪を果たしていった少女達には「おつかれさまでした」と声をかけてあげたい。

  • 「告白」で湊ワールドに引き込まれ、続いて呼んだ第2弾。
    あとがきの黒沢監督が書いたところが面白かった。
    でも読後感はいいものではない。やはりみなとワールド。

    「くまの兄弟」が頭が白くなるくらい衝撃的で読後感最悪。
    でも、妻に追い詰められたからと言って、晶子の兄が幼女性虐待まで追いつめられるところに疑問符。

    告白よりすこし、作り上げられて結び付けてった感があったかも。

  • 湊かなえワールド全開。読みやすく、引き込まれ感ハンパないけど、少女殺害は心が痛む。いたたまれなくて、ちょっとひく。

  • 湊かなえさんのイヤミスを読みたくて購入。
    みごとなまでのイヤミスっぷり。
    間違えないで下さい。賞賛です。

  • 身の丈にあった人生を送らなければならない。人はすべて平等なんて思ってはいけない。生まれたときからそれぞれが与えられているものは違うのだから。貧乏人が金持ちのフリをしてはいけない。バカが学者のフリをしてはいけない。貧乏人はつつましさの中に幸せを求め、バカはバカなりにできうることを一生懸命がんばればいいのだ。身の丈以上のものを求めようとすれば不幸になるだけ。

  • 小学生の娘が殺され、犯人を目撃した4人の同級生に償いを求める母親。
    償い、に囚われたまま、4人は大人になるが。

    4人の告白という形式で物語が進み、結末が気になりどんどん読み進めた。
    が、とにかく不幸が続き、犯人との決着が明示されるわけでもないので、読後感が悪い。
    教師となった真紀の語りは印象的。

  • 田舎町で起こったある少女の殺人事件の目撃者となった4人の同級生の少女達と、被害者の母親との間で交わされた贖罪という名の15年に渡る呪縛を巡る物語。湊さんらしいそれぞれの登場人物達の独白をリレーのように繋いでいく形式で物語を進めつつ、隠された真相と人間の奥深くにある醜い感情を刳り出していく。人を殺すことへ至る心理描写がとても生々しい。元々の事件も重いうえ、悲劇の連鎖も結局止められず、終章にも救いがあるような無いような…読後感は必ずしもスッキリはしません。それにしても湊さんの作品には碌な男が出てきませんね。

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著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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