ヤッさん (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515282

作品紹介・あらすじ

段ボール暮らしのタカオは見知らぬ中年男にたたき起こされた。「おめえ、それじゃ銀座でホームレスなんざ張っていけねえぞ」。訳もわからずついていくと、その男、通称ヤッさんは驚くべき食の達人で、築地市場と高級料理店を行き来して生活する、誇り高きホームレスだった。「旨い食いもんと人間が好きなこと」だけ確かな謎だらけのヤッさんは、時には料理人を叱り飛ばし、食の世界に起こるアツイ事件の解決に奔走する。やがて弟子入りしたタカオにも、成長を問われる試練が訪れるが…。愉快度バツグン、飛び出す啖呵も痛快なユーモア人情小説の決定版。

感想・レビュー・書評

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  • もう何年も前に読んだ本。
    2巻も読みたかったけれど、そのままになっている。
    とにかく、面白い本だった。

    ヤッさんはすごい!こんなホームレスは実在するかな?
    毎日の食生活を、店から店、有名老舗
    料理店へと走り廻り、試食して意見を言い店主には有り難がられ、試食することで毎日の食事も、賄っている。舌が肥えているんだろうなぁと思う。

    ある日、ヤッさんは、ホームレスに
    なりたてのタカオという青年を見つけ、「いい若者が!」とタカオにいろいろと
    指導を始める。最初は、店から店へと
    走り廻ることに、根を挙げていたタカオだったが、ヤッさんと一緒にいるうちに皆にも覚えられ、逞しくなっていく。

    恋物語も顔を覗かせ、わくわくする場面もある。続卷、何巻か出ている。
    又、読みたいのだが・・・・
    そのままになっているのは、残念に思う。また、機会があればと思っている。

  • ヤッさんが何故ホームレスを続けるのか。そこが納得できずに、物語の世界にはまれない。。

  • ホームレスと食というストーリーを通して、自分が生活していく上での軸について改めて考えることが出来た一冊。

    ここ数年よく感じるのですが、ネットで仕入れた情報を疑いもせずに真として物知り顔で話をしている人が多いと思うのです。
    たまたま動画サイトを見ていた時にも同じ事を感じていて、「○○をやってみた」とかと言って素人レベルの技術力なのに、あれこれ説明したりしていて。
    何事も表と裏、背景があり、その氷山の一角が見えているだけだと思うのですが、見えているちょっとした部分のみを取り上げて批評、意見するというのをみるとイヤーな気分になります。そういうのを子供達が見て育っていくのって悲しいなと思ったのを、この本を読みながら改めて感じました。

    ストーリー的には、ちょっと出来すぎ感があるように思いましたが、それも含めて楽しく読む事が出来ました。「ヤッさんⅡ」もあるみたいなので近々読みたいと思います。いい本でした!!

  • IT関連会社を辞めたあと、転がるように全てをなくし、ホームレスとなってしまったタカオ。
    そんなタカオが出会ったのが”ヤッさん”。
    ヤッさんもまたホームレスだった。
    がー!
    ヤッさんはタカオが思うホームレスとは違った。

    ヤッさんの信条。
    ホームレスという名の自由人として都会の恩恵を受けて生きていられることに感謝はしても媚びへつらってはならない。
    ヤッさんのホームレス哲学。
    ホームレスは家も財産も仕事も持ってねえが、唯一、矜持だけは持たなきゃならねえ。

    ホームレスにとって体は資本。
    日々、体を鍛え、毎日洗った服を着て身だしなみを整える。

    銀座を根城に、築地の仲買人たちと料理人との間を取り持つ。
    持ちつ持たれつ、店には迷惑をかけず、存在を認めてもらう。
    なんとも不思議なホームレス。

    ヤッさんとヤッさんを師匠と慕うタカオが築地や店の危機に立ち向かう。

    面白い一冊でした。

  • 誇り高きホームレスで色のコンサルタント、ヤッさんシリーズの第一弾。
    段ボール暮らしホームレスのタカオがヤッさんに拾われ、誇り高きホームレスに弟子入りする。
    シリーズの主人公の中でもタカオは真面目で、ぶっ飛んだところがなく悪く言えば面白みに欠ける印象でした。

  • 原宏一『ヤッさん』(双葉文庫)を読みました。なんで買ったのかはよく覚えていません。今月はスーザン・ストレンジ『カジノ資本主義』がなかなか進まなくて冊数が伸びていないので浮気です。速い人なら半日くらいで読めるボリュームです。私は遅いので3日ほどかかりました。

    内容は築地市場と銀座界隈の飲食店をつなぐ食材仕入れコンサルトをやって、飲食店の賄い飯で食いつなぐことを生業としているホームレス「ヤッさん」の人情活劇です。

    特に思い入れもなくオススメするところもない小説ですが、とにかく喉越しはいいですね。この小説、何が凄いかって人情話なのに心理描写や登場人物の表情所作の表現が恐ろしく少ないことです。このバランス感覚の文芸作品って初めて読むくらいの驚きでした。よく言えば少ない文字数でイメージを想起させてテンポよく話をドライブさせているんですが、悪く言うと非常に映像ドラマ的で小説を読んでる醍醐味は感じられません。あくまで私の感想ですが。

    2012年の作品ですが、作中に築地移転の問題や暴力団がバックにある伊勢エビの密猟問題が取り上げられています。鈴木 智彦『サカナとヤクザ』が2018年ですから、ここは著者原宏一の慧眼と言ってよいでしょう。

    伊原剛志主演でドラマ化されていますし、小説も4作シリーズが出ているようですので売れたみたいですね。

  • 面白かった。本当にこんなホームレスがいたらすごいな。
    出てくる料理は美味しそうだし、救いようのなかったタカオがヤッさんに刺激を受けて成長していく姿見が頼もしい。
    魅力的なキャラクターも大勢登場して飽きないし、いいシリーズものに出会えて嬉しい。
    さ、続きを読もうっと

  • スイスイと物語の中に引き込まれていく
    ホームレスになった主人公がやっさんと会って変わっていく姿
    そして人と人との繋がり
    おすすめの本です。

  • 評価は1.(未読)


    内容(BOOKデーターベースより)
    段ボール暮らしのタカオは見知らぬ中年男にたたき起こされた。「おめえ、それじゃ銀座でホームレスなんざ張っていけねえぞ」。訳もわからずついていくと、その男、通称ヤッさんは驚くべき食の達人で、築地市場と高級料理店を行き来して生活する、誇り高きホームレスだった。「旨い食いもんと人間が好きなこと」だけ確かな謎だらけのヤッさんは、時には料理人を叱り飛ばし、食の世界に起こるアツイ事件の解決に奔走する。やがて弟子入りしたタカオにも、成長を問われる試練が訪れるが…。愉快度バツグン、飛び出す啖呵も痛快なユーモア人情小説の決定版。

    人間味が云々の前にきちんと社会生活を送っていないホームレスが上から目線で理論を並べる設定自体が受け入れられず。言うならやることしろ!途中でお手上げ

  • 世の中そう上手くいかないことはわかっている。
    けれどこういう物語があるから私はもう少しここで生きてみようと思える。
    上手くいくイメージしかできないくらいに心は爽快だ。

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著者プロフィール

1954年、長野県生まれ。早稲田大学卒。97年に作家デビュー。2007年『床下仙人』が第1回啓文堂書店おすすめ文庫大賞に選ばれるなどベストセラーに。他の著書に「佳代のキッチン」シリーズ、『天下り酒場』『ダイナマイト・ツアーズ』『東京箱庭鉄道』『ねじれびと』(以上、祥伝社文庫)、「ヤッさん」シリーズなど多数。最新作は『間借り鮨まさよ』。

「2023年 『うたかた姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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