夜行観覧車 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社 (2013年1月4日発売)
3.31
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本棚登録 : 8410
レビュー : 769
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515527

感想・レビュー・書評

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  • この作者の特徴は、人の暗部、意地悪さとか、卑劣さとか、酷薄さとか、そうしたものを情け容赦なくさらけ出して、突きつける凄みにあると思います。読んでいるうちに、自分の中にそうした感情を見いだし、暗澹たる思いになりながらも、怖いもの見たさ、なのでしょうか、読み進んでしまいます。
    この作品もそうした特徴を備えています。ただ、視点がさまざまに動くことで、落ち着かない気分がずっと続きます。多角的な描写が事象を立体的に浮かび上がらせるのではなく、散漫な印象につながってしまったように思います。

  • 高級住宅街で起こった殺人事件、当家族、隣人家族の話。面白く無いわけではないが普通という感想。著者の本は人気があるが、読んでみると「普通」と思うことが多い。女性に人気ということなのだろうか。
    家族が大変な状況になるもっと前に何故対策を打たないのか、不思議と思う。

  • 登場人物全員に悪意を感じるしムカつくのに読み進めていくうちに不思議と共感してしまう。理解してしまう。そのため読後はざらりとした心の荒れみたいなものが残る。
    心情に寄り添いすぎてたまに読書で疲れる事があるけど、それになりかけた。
    それだけ人物の描写が秀逸なのが湊かなえの特徴だと思うがいかんせんテーマが弱く読みごたえはそこまでではない

  • どんな人間にも嫌な部分があるし、嫌な人間に助けられることもある。

  • 一つの事件をいろいろな家庭を主観にして描かれている。他の家庭からは見えなかった事情が別の視点から見えてきたりして楽しみながら読めた。でも最終的にすべての家庭の人が一堂に集まって問題を解決するのって、現実的じゃないなあと思った。それを含めて演劇的なフィクションとして楽しめました。

  • これも面白かった
    けど思い出せない。。。

  • 読了感があまりない…。へぇみたいな。
    まぁまぁかな。

  • ミステリーなのかな~
    謎って感じはなく
    最後も結局そうなん?
    って感じなんだけど。

    でも、一気に読める筆力はさすが。

    ありがちなドラマだけど
    ありがちなだけに妙にリアルではあった。

  • 以前に読みかけてあまりにもムカつく話しだったので第一章でやめた本だったが、電車の中の暇つぶしに我慢して読み返してみたら途中から面白くなって今度は一気読みしてしまった。登場人物がことごとく好きになれずムカつきながら読んでいたら、まるでタペストリーの模様が現れてくるように人物像や街の雰囲気や人間関係が徐々に立体的に見えて来るようになり、視点が代わるとこういうことなのかと、次々と作者の罠にハマるがごとく次が読みたくて仕方なくなってしまう。悲惨で救いがないような話しなのに読後感は微かに明るく感じられるのがこの作者だなあといつも感心してしまう。真相がハッキリしないから、今後の展開をいろいろと考えさせられてしまう。流石⁈なのか…? 2014.5

  • 作品としてはとってもいい本だと思う。でも、個人的に胸が苦しくなるテーマで、少し苦しゅうございました。

    高級住宅街に無理して家を建てた普通のサラリーマン一家、目の前の大きな家に住むエリート家族。どちらも崩れ始めた家族関係は修復できないほどに傷口を広げていた。

    家族。選べないし、変えようもない。
    近い関係だからこそ、難しい。
    帰らなければならないからこそ、逃げられない。
    追い詰められる感覚、よくわかる。
    多くの家庭で同じような問題はあるんじゃないかな。一歩踏み外すか、踏ん張れるか、紙一重な気もする。

  • 父に借りたもの13

    特になし…
    面白かったのか?一気に読んだのは面白かったから?
    自分でもわからん(笑)

  • 「家族」がテーマの物語。
    舞台は高級住宅地、ひばりヶ丘。
    エリート医師である父親を殺したのは、母親だった。

    センセーショナルな事件を3つの家族の視点から追う。
    「家族」だから求めてしまう。
    「家族」ゆえに追い詰められる。
    「家族」によって守られる。

    家族って。
    外から見えるものと、その実情が違うのはどこの家庭も同じことで、それぞれの家にはそれぞれの問題を抱えている。
    ひばりヶ丘にできるであろう巨大な観覧車になぞって、見える景色が変わっていく様子がうつくしい。人は変われるし、家族だって変わっていける。

  • 幸福そうな家庭で殺人が・・・・何があったのか。。。。
    ちょっとあっけない感じで、わからなくもないが・・・・
    ミステリーとしてというより、いろいろな家族模様が描かれた話としてとらえれば面白い。
    今の時代だから 成り立つ話かなとも思う(エバーグリーンな小説ではない)

  • 3つの家族の視点から、オムニバスっぽい形式で、
    殺人事件を通してそれぞれの家族が見えるお話でしたが、、
    湊さんの独特な人間の厭らしい部分がものすごくリアルに描いてあって、胸が痛むというか心が痛い(笑)


    犯人は実は●●でした!
    とか、実はこれが真相でした!
    というような展開ではなかったのが、ちょっと意外だったかな。


    “幸せ”のカタチは人それぞれなんだなぁ、と。
    高級住宅地に家が建ったからって、それで幸せになれるわけじゃない、
    というのは中々言い得てるなぁ、と(笑)

  • 読み終わった後の気持ち悪さはドラマ「QUIZ」を最終話までみた気持ち悪さと似ている。
    真相は闇に隠し、何事もなかったかのように生活を続けるなんとも言えない怖さ。
    この街の住民にはなりたくない…とはいえ現実はどこもこんなものなのかもしれない…と考えさせられる内容でした。

  • TVドラマが最終回を迎える前に読み終われた。
    TVではサスペンス色の濃い内容になっているが、本では家族のドラマ的な内容になっている。

    高級住宅街「ひばりヶ丘」の住人になった普通の家庭、遠藤家はそこの風紀やしきたり、環境の違いから娘彩花が壊れ家族もバラバラになっていく。そんな矢先、向かいに住む絵に描いたような幸せな家庭、高橋家で主人が殺される事件が起きる。犯人は妻淳子。この事件がもとで遠藤家も更に崩れて行くが、どん底まで落ちた家族は少しづつ回復していくきっかけもこの事件。
    淳子は、亡き前妻への嫉妬と比較対象を思い込みストレスから夫を撲殺してしまったわけだが、残された兄弟3人は被害者の子であると同時に加害者の子でもある。彼等の決断は、生きてる4人の生活や体裁を保つために、真実を曲げても父親の暴力による正当防衛とすることだった。

    二つの家族の崩壊と再生。
    それと、どんな家族であれこんな事件は起こり得るということ。(いくらなんでも殺人なんてちょくちょく起きないよ)

    キーは小島さと子。

    何が「夜行観覧車」なんだうね。

    「ひばりヶ丘」=「ひばりーひるず」とか。

  • 父親が被害者で、母親が加害者。
    高級住宅街で起きた事件に、三家族が絡んでいく。

    それぞれの視点から一つの事件のことが描かれていて、すいすい読める。
    どの人物にも感情移入することはなかったが、時折出現する自分を正当化するような考え方には、自分もそういうところあるかもしれない、と思わされた。

    どんでん返しはなく、読了後のスッキリ感は弱めだった。

  • 人称の設定は違えど、同時系列をそれぞれの主観で語るというスタイルは湊かなえ小説に共通する部分。しかし本作は語りの視点を多重化し複数の認識主体を経由することで客観的事実に読者が至るというようなものを企図したものではない。
    然るにミステリ要素を求めると肩透かしをくうことになる。「オチがねぇじゃねぇかよ!」と。
    そうではなくて、ここで読者が第三者的な相互参照を経由して得るものは、ニーチェでいう「遠近法的」な世界解釈だろう。つまり自分を離れての真実なんてものは存在しないし、すべては欲望的な解釈でしかないということを知る。
    欲望に応じて見え方は変わるし、どれも正解はない。そしてその欲望は、この小説が描くがごとくに自分では気づかないうちに変容していくのだ。これは同じくニーチェでいうところの「力への意志」だ。
    ラストは世界には絶対的真理などないのだ、と無価値を理解した者たちが決意する様が描かれる。これは「能動的ニヒリズム」だ。
    湊かなえは人の殺意、その殺意の発露たる源、誰もが持っている悪意というものを描くのがうまい。人の「悪意のように見える、思いあがった善意」を描くのもうまい。
    同様に悪意について、今から百年以上も前に誰よりも深く考えていた哲人がいた。ニーチェである。
    そう考えると湊かなえはニーチェ好きなんじゃないかと思ったり。
    一見あり得なそうなこの家族小説にどこか身近な感覚を覚え、共感してしまう自分自身に一番ぞっとさせられる。73点。

  • 高級住宅街の話。うん、コワイ。ホントにあり得そうだから余計に。やだな、こんな所住めない。でも、引っ越す時って実際どんな所なのか分からないよね。

    どんでん返しがあるのかと思ったけど・・・なぁーんだ、、、って終わり。ちょっと残念。ドラマと所々違うからドラマはドラマで楽しみ( ´ ▽ ` )ノ

  • 高級住宅街を舞台にした三家族の物語。
    医者である夫が妻に殺さるという事件が発端だけれど、
    結局何を言いたいのかわからない、中途半端な話だった。
    イヤミスというか、劣化版真梨幸子という印象。

    お得意のどんでん返しもなく、キャラクタも意外性がない、最後まで子供は子供、イヤなババアはイヤなババア。
    安い2時間ドラマのようだ。

著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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