夜行観覧車 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社 (2013年1月4日発売)
3.31
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本棚登録 : 8343
レビュー : 766
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515527

作品紹介・あらすじ

高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家族と向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。

感想・レビュー・書評

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  • 湊かなえさんのファンというわけではとくにないけれど、読むと面白いと思うし、続々映像化されるのも頷ける。
    売れてるミステリ作家さんの小説ってきっとそういう点が共通してるんだと思う。読みやすくて、どんどん読み進められる力があって、伏線もきちんと回収されてて。
    (伏線を回収しない系の恩田陸さんの小説も好きだけど映像化はしにくそうだなと思う。視聴者が納得しなさそうだし)

    登場人物みんな“普通”だけどみんな少しずつ“普通じゃない”。
    それは現実世界もそうだと私は思うから、そういうところがリアル。極端にオカシイ人はそうそういないけれど、だからってオカシイ部分がまったくない人なんていない。
    章ごとに視点が変わる、という手法だけど同じ章でもその家族間で視点が変わったりする。だけど不思議とややこしくはない。面白いつくりだと思う。

    人を憎んだりカッとなったりする原因って本当に些細なことだったりする。ある人にとっては何てことのない言葉が、別のある人にとっては地雷になりえる言葉だったりする。
    そこで勢い余って殺人に至ってしまうことだって、実際ある話だと思う。
    そうなったとき周りの人たちは…
    ラスト辺り、高橋家の前のシーンでは、思わず泣いてしまいました。

    去年放送したドラマは夢中になって観たのだけど、登場人物も設定もラストも違う。だけどとくに違和感はなく、ドラマはあのラストがベストだったと思うし、小説はこの余韻の残し方がよかったと思う。

    ちなみにこの小説、最近読書にはまり始めた小6の姪っ子から借りた本、という嬉しいエピソード付きです。
    湊かなえさんにはまってるみたいで、私は持っていた「告白」を貸しました。

  • この作者の特徴は、人の暗部、意地悪さとか、卑劣さとか、酷薄さとか、そうしたものを情け容赦なくさらけ出して、突きつける凄みにあると思います。読んでいるうちに、自分の中にそうした感情を見いだし、暗澹たる思いになりながらも、怖いもの見たさ、なのでしょうか、読み進んでしまいます。
    この作品もそうした特徴を備えています。ただ、視点がさまざまに動くことで、落ち着かない気分がずっと続きます。多角的な描写が事象を立体的に浮かび上がらせるのではなく、散漫な印象につながってしまったように思います。

  • 高級住宅街で起こった殺人事件、当家族、隣人家族の話。面白く無いわけではないが普通という感想。著者の本は人気があるが、読んでみると「普通」と思うことが多い。女性に人気ということなのだろうか。
    家族が大変な状況になるもっと前に何故対策を打たないのか、不思議と思う。

  • 女の人の書く女性の嫌なところを全部詰め込んだような作品だなと思った。家庭の崩壊と再生がテーマであるというコピーをどこかで見かけたけど、この小説に出てくる家庭はみんな最初からひびが入っていて、事件をきっかけにしてそれが崩壊していく様は描かれていたけれど、再生したのかと言われれば微妙かなあと思った。骨折したのをそのまま放置してへんな風につながったけどつながったからいいよね!って無理やり納得してる感じがした。
    おもしろかったけど年取りたくないなーこんな女性になりたくないとしみじみ思った作品だった。

  • 大好きな作家・湊かなえさんの作品。いやー、やっぱりめちゃくちゃおもしろいな~!

    ただ、ぼくは湊かなえさんのリアルな女性像とか身近な家庭像の設定とか大好きなんだけど、人によっては好き嫌い分かれそうな作品だなとは感じる。あまりにもリアルすぎるから、もし自分が登場人物たちと同じ立場だったら~って考えちゃう共感力高めの人には向いていないかも。
    他人の家庭のアレコレについて、客観的な視点でおもしろがれる人におすすめしたい作品です(笑)

  • ある高級住宅街で発声した家庭内殺人事件。
    昔からその土地に住む住人、後から引っ越ししてきた住人。皆が少しずつ無理をしながら生きていることで、生まれる妬み、エゴ。その歪みの描写が登場人物それぞれ個性的であり面白い。
    最後が微妙に腑に落ちなかった事で☆4つとさせていただく。

  • 登場人物全員に悪意を感じるしムカつくのに読み進めていくうちに不思議と共感してしまう。理解してしまう。そのため読後はざらりとした心の荒れみたいなものが残る。
    心情に寄り添いすぎてたまに読書で疲れる事があるけど、それになりかけた。
    それだけ人物の描写が秀逸なのが湊かなえの特徴だと思うがいかんせんテーマが弱く読みごたえはそこまでではない

  • 結末がどうであれすごく読みやすかった。
    彩花がムカついてムカついて仕方がなかった。ラスト、父親がいい奴になるが、彩花があんなんになったのは父親も原因だろう。逃げてしまっていい事してる隣の家で彩花が死んでたらどうなっていたんだろうか。

    死んでしまった父親の方は不憫だ。

    しかし、デキのいい親や兄を持つと苦労するし、
    デキの悪すぎる娘を持つと親は苦労する。

  • 告白以来の湊かなえさん。
    暗い、暗い、暗い。。。分かってたから暗い気持ちの時に手に取れなかったけれど、暗さへの怖さを上回る引き込まれ感に、本を閉じた後の余韻とも呼べる心臓のドキドキが聞こえます。次も手を伸ばせないんだろうな、でも手に取ったらあっという間なんだろうな、と悔しくもあり、名残惜しくもありました。

  • 湊作品3作目です。今までは読んでいて怖い作者だ。と思っていました。この作品はそういったイメージを払拭してくれた物でした。もう少しこの作家を追ってみても・・・・と思える作品でした。

  • どんな人間にも嫌な部分があるし、嫌な人間に助けられることもある。

  • 一つの事件をいろいろな家庭を主観にして描かれている。他の家庭からは見えなかった事情が別の視点から見えてきたりして楽しみながら読めた。でも最終的にすべての家庭の人が一堂に集まって問題を解決するのって、現実的じゃないなあと思った。それを含めて演劇的なフィクションとして楽しめました。

  • これも面白かった
    けど思い出せない。。。

  • 日常を暮らす中でどうしても
    堪えられず感情を爆発させてしまうこと、
    つい卑屈な言い訳で自分を甘やかしてしまうこと、
    安直な感情処理方法に身をゆだねてしまうこと…

    自分自身にも覚えがある
    卑怯さの加減が抜群にうまい。
    「しょうがないよね、人間だもんね」なんて
    慰めの言葉はかけられないことくらい
    自分自身でも分かっている。
    でも許しを欲している。

    自己批判しすぎる感想でもなく、
    自己憐憫に傾きすぎるのでもなく、
    「そういう人間である自分」を
    淡々と受け止めるクッションのような読後感。

  • 子供は大人をみて育つ ということがよく分かった。

  • 読了感があまりない…。へぇみたいな。
    まぁまぁかな。

  • 映画などで話題になっていた割りにあんまり面白くなかった。
    湊かなえさんの作品を初めて手に取ったのですが、他のも読んでみたいと感じなかったのが残念。

  • 湊かなえのパターンがわかってきた。もう読まなくていいかな。

  • ミステリーなのかな~
    謎って感じはなく
    最後も結局そうなん?
    って感じなんだけど。

    でも、一気に読める筆力はさすが。

    ありがちなドラマだけど
    ありがちなだけに妙にリアルではあった。

  • 201320.これもいい!こちらもすごく人間の心理を嫌というほど見せつける感じで描かれています。嫉妬心、虚栄心、劣等感。誰もが必ず持っているもの。かなえさんを読んでいるとドキっとするんです、私にもこういうところあるかも!って。一時期こう言う気持ちにもみくちゃにされた時があったのを思い出しました。こういう気持ちを持つのも嫌だし、持たれるのも嫌。自分は他にも打ち込めることがあってそこから抜け出したのだと、この内容を客観視出来ている自分気づきホッとしました。結局自分が充実していればなんてことはないんです☆

  • 以前に読みかけてあまりにもムカつく話しだったので第一章でやめた本だったが、電車の中の暇つぶしに我慢して読み返してみたら途中から面白くなって今度は一気読みしてしまった。登場人物がことごとく好きになれずムカつきながら読んでいたら、まるでタペストリーの模様が現れてくるように人物像や街の雰囲気や人間関係が徐々に立体的に見えて来るようになり、視点が代わるとこういうことなのかと、次々と作者の罠にハマるがごとく次が読みたくて仕方なくなってしまう。悲惨で救いがないような話しなのに読後感は微かに明るく感じられるのがこの作者だなあといつも感心してしまう。真相がハッキリしないから、今後の展開をいろいろと考えさせられてしまう。流石⁈なのか…? 2014.5

  • 「告白」の救いようがない最後が苦手で、湊さんの作品から遠ざかっていたが、これははまってしまった。

    色々な視点から見ると、幸せそうな家庭が問題を抱えていたり、不幸せそうに見えても満足していたりする。

    とにかく、自分次第だなと思う。

    この話は少々大げさに書かれているかもしれないが、えっ?そんな些細な事で?という事が理由で、おかしくなっていく人が、多いのではないだろうか?

    あまり、こだわりを持ちすぎるのは、不幸のはじまりかもしれない…。

  • 高級住宅街であるひばりヶ丘で暮らすエリート一家の高橋家で発生した家庭内殺人事件を巡り、向かいに住む遠藤家、斜向かいの小島さと子らの様々な視点からいつもながらの多角的、立体的に物事を見つめ、真実とそこに隠された家族模様を明らかにしていく。家族とはいえ、家の外から見える風景と、中の家族一人ひとりから見えるもののあまりの違いに、入念で確かな人物造形を感じる。と同時に登場人物の嫌な所を通して自らの心のうちの醜さを覗き見られているような気がして居心地の悪さを感じざるをえない。ラストは少しもやもや感が残るかな。

  • 湊さんはむかつく子供を描くのが本当に素晴らしくうまいなぁと思う。
    でもそれぞれの言い分とまではいかないけど、気持ちの流れ的なものはなんとなく理解できる。
    最後らへんのみんなでお向かいの家の貼り紙はがすシーンとかちょっといい感じに思えたんだけど、それに対しての厳しいつっこみがあったり、納得しやすい予定調和な閉じ方をしていなくてなんとなく爽快感があった。

  • 作品としてはとってもいい本だと思う。でも、個人的に胸が苦しくなるテーマで、少し苦しゅうございました。

    高級住宅街に無理して家を建てた普通のサラリーマン一家、目の前の大きな家に住むエリート家族。どちらも崩れ始めた家族関係は修復できないほどに傷口を広げていた。

    家族。選べないし、変えようもない。
    近い関係だからこそ、難しい。
    帰らなければならないからこそ、逃げられない。
    追い詰められる感覚、よくわかる。
    多くの家庭で同じような問題はあるんじゃないかな。一歩踏み外すか、踏ん張れるか、紙一重な気もする。

  • 父に借りたもの13

    特になし…
    面白かったのか?一気に読んだのは面白かったから?
    自分でもわからん(笑)

  • 「家族」がテーマの物語。
    舞台は高級住宅地、ひばりヶ丘。
    エリート医師である父親を殺したのは、母親だった。

    センセーショナルな事件を3つの家族の視点から追う。
    「家族」だから求めてしまう。
    「家族」ゆえに追い詰められる。
    「家族」によって守られる。

    家族って。
    外から見えるものと、その実情が違うのはどこの家庭も同じことで、それぞれの家にはそれぞれの問題を抱えている。
    ひばりヶ丘にできるであろう巨大な観覧車になぞって、見える景色が変わっていく様子がうつくしい。人は変われるし、家族だって変わっていける。

  • 幸福そうな家庭で殺人が・・・・何があったのか。。。。
    ちょっとあっけない感じで、わからなくもないが・・・・
    ミステリーとしてというより、いろいろな家族模様が描かれた話としてとらえれば面白い。
    今の時代だから 成り立つ話かなとも思う(エバーグリーンな小説ではない)

  • 「痛くない人間など存在しない」。そう思った。
    のっけからぐいぐい読ませる展開だが、誰に感情移入して読めばいいのかわからなかった。娘の顔色を伺いながら事なかれ主義の夫と生きて行かなければいけない真弓か?母親の理想のために振り回された結果日々学校で辛い思いをしている彩花か?同じく母親の期待を一身に背負ってストレスを感じている慎司か?亡き前妻と戦わなくてはいけない淳子か?
    誰でもない。一方的に同情されるべき被害者などいない。それぞれに弱さがあり、その弱さゆえに他人を傷つけ、その弱さは御都合主義的にあっさり克服されない。大人というものが責任感を持ち感情のコントロールをできる人間、と定義するなら、最も「大人」らしいと思われた高橋家の長男良幸でさえ事件を知った直後妹のSOSメールを読んだあとにも関わらずすぐ実家に駆けつけることができなかった。
    この小説は2つの家族の物語だが(小島さんちをいれれば三家族)、殺人事件をきっかけに、それぞれが他の家族にとって意外な一面、本性の一面を見せただけ、それもかなりチラリと見せ合っただけで、弱さや問題を抱えたまま幕が下りる。それでも家族同士で実は自分が本当はどんな人間か、どんなことを思ってきたのかを少しでも見せ合ったのはすごく大きな事で、それがこれからの遠藤家と高橋家にとって一つの足がかり的なものになると思った。
    と他人事みたいに書いてみたけど、読んですごく怖くなったのは事実。痛くない人間などいない、ので、どの家庭でも起こりうることだと感じたから。

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著者プロフィール

湊かなえ(みなと かなえ)
1973年、広島県生まれ。武庫川女子大学家政学部卒。
2005年に第2回BS-i新人脚本賞で佳作入選。2007年には第35回創作ラジオドラマ大賞受賞、「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。読んだ後に嫌な気分になるミステリー「イヤミス」の優れた書き手として著名。
「聖職者」から続く連作集『告白』は、2008年、「週刊文春ミステリーベスト10」で第1位、「このミステリーがすごい!」では第4位に選ばれ、2009年、第6回本屋大賞を受賞。デビュー作でのノミネート・受賞は、共に史上初。2012年「望郷、海の星」で第65回日本推理作家協会賞(短編部門)、2016年『ユートピア』で第29回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほか、直木賞で度々候補になっており、2018年『未来』で第159回直木賞に3度目のノミネート。同年『贖罪』でエドガー賞候補となった。
映画化・ドラマ化された作品多数。特に映画では、2010年『告白』、2014年『白ゆき姫殺人事件』、2016年『少女』、2017年『望郷』と話題作が多い。

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