バイバイ、ブラックバード (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社 (2013年3月14日発売)
3.61
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本棚登録 : 8249
レビュー : 869
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515657

作品紹介・あらすじ

星野一彦の最後の願いは何者かに〈あのバス〉で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。
そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」
これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。
なんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • またまた いい本に出会えた。
    読後感がなんとも心地よい。


    ラスト、バイク かかってくれ。という思いと、
    いや、掛からなくてもいい、繭美が「かからねーじゃねぇか!このヤロー、!」と持ち主を一発なぐり、そのあと地鳴りがする勢いでバスを追いかける。
    結局、星野を助けに行くことになるんだけど。
    なんか、そうなってほしいな。

    星野が繭美を助ける以前に、なかにもっと星野に心持っていかれるストーリーがあれば、より引き込まれたかなあ。出会って2カ月だから、いろいろ あったのだろう、そうだ、そう思いたい。

    ドラマ化されないかな? と小さな期待。
    配役は、星野=オードリー若林、繭美は直美でお願いしたいわ。

  • 5股をかけている男が、とある理由で怪物女と共に清算しにいくお話。
    飄々と生きている普通の男が5人ものタイプの違った女性と付き合っていて、その出会いも別れもそれぞれ面白い。ただ、ラストは「え!?これで終わり??」となった…。
    怪物女・繭美は頭の中でマツコ・デラックスに変換されたままだ(笑)

  • 唐突な物語の始まり方が好きです。
    最初の一行からワクワクして、もう読み進められずにいられない。
    5人の女性もみんなとっても魅力的で、そりゃ5股になるわ、とはならないにしてもこれだけ素敵な女性ばかりと出会えて、その上愛される星野はすごい。
    「美味しいパンになれなかったんだね」には泣きそうになりした。

    結局投げっぱなしのラストだったけど、もうこれはこれでいいかな。

    あのバスってなんなのか、繭美が何者なのか、知りたかったけど。


    グッドバイも読もうと思います。

  • この人の作品の雰囲気好きだなあと改めて思った。

    主人公はまさかの5股男で、女からしたら敵でしかないはずなのに何故か憎めない。相方の繭美の言動は本気で反発を抱くようなものもあったのに、話が進むにつれて「まあ、これが繭美だよね」と思うようになっていた。慣れって恐ろしい。笑

    ところで、ゆうびん小説って面白そう。
    私も受け取ってみたい!

  • 5股していた男が、バスで恐ろしい場所に連れていかれる前に、彼女たちに会って清算したいと言い出す。その監視についたのが、2メートル100キロ超えの大女繭美。彼女は辞書を持ち歩き、その項目をつぶし、私の辞書にその文字はない、といい、人の傷つくことを言って動揺させることを楽しみにする性格の悪い女であった。彼女の漏れ出る人生にそこまでゆがませる色々な何かがあったのだろうとは推測される。それで今の繭美が生まれて一彦を監視する、という話になるのかもしれない
    一彦は不思議な男性だとおもう。気遣い屋なのに鈍感で、目の前のことですぐいっぱいになる。後さき考えずに行動し、そして今バスに乗せられようとしている。
    この二人の関係が2か月の間で変化するのも面白かった。一彦と付き合っていた5人の女性の個性や背景もバラバラでそれぞれのエピソードも楽しかったけど、繭美も6人目?になったかな。

  • 星野君が、5股をかけていた女性にお別れを言いに行く。
    星野君を監視するでかくて怖い女の人繭美。

    いる、こういう星野君のような男。
    悪気がなくて、好きだから付き合って、なんだかやさしいのだけれど、
    絶対女を幸せにはしないタイプ。
    魅力的だったりするんだ、こういう男の人。

    その証拠に怖い女、繭美さえも・・・・

    面白かった。

    「おいしいパン」のところが好きだなぁ。
    ゆうびん小説だそうで、
    この小説が郵便で届いたら嬉しい。素敵な企画だ。

  • 短編好きじゃないけど、キャラメルボックスで舞台化されてる作品だから読んでみた。ちなみに舞台も見てない。

    特におもしろい!と思ったわけでもなく、井坂ワールドだなぁ、という感じで読んでたら、5話めでラストぐっときた。6話めもよかったけど、終わり方がこれまた井坂作品満開。

    でもなによりも、最後に収録されているロングインタビューがよかった。
    書いてるときの想いが伝わるいいインタビューだった。

    このインタビューのおかげで、ちょっと悔しかったラストがすごいいいものになった気がする。
    インタビューなかったら評価★3だったのになぁ(笑)

  • この作品は、太宰治の「グッドバイ」のオマージュと言う形式をとられていますが、そのスタイルは、アルベール・カミュといった実存主義そのものという気がします。(作者がそこを意識したかは分かりませんが)。
    あのバスって何?主人公は何をしでかしたの?何も説明もなく不条理が突きつけられて行き、極めつけは繭美と言うキャラクター、まさに不条理を擬人化したようです。巻末で作者があのバスについて「死のメタファー」と言っているあたり、恐らく不条理の文学を意識していると思うのですが…。
    兎角哲学臭が強くなりがちな不条理の文学を、あくまでポップに重くならないよう仕上げて、読後感に爽やかさすら残す所は、流石伊坂作品と思います。僕の中では今の所、伊坂幸太郎作品のベスト1です。
    個人的には4人目の数字が強い女性の話が好きです。こういうキャラクター設定は伊坂ワールドと言う感じがしますね。

  • 好きな雰囲気の作品。
    人に借りたら,思いがけず楽しかった。

    主人公(星野くん)は”何か”をしでかしたせいで,二週間後にあのバスに乗ってどこかに連れていかれる。
    その二週間で,5人の恋人(五股)全員に別れを告げていくお話。
    星野くんは何をしでかしたのか,そしてどこに連れていかれるのか。全く分からない。


    この設定を上回る面白さは,星野くんの監視役である繭美ちゃんの存在感。
    190cmのハーフは,言いたいことをその都度真っすぐ相手に向ける。
    そしてその9割が暴言。
    「知らねえよ」「おまえの問題だろ」等々,彼女の放つ言葉は冷たいにも程がある。
    でもそこが面白い。


    「死神の精度」を読んで以来避けていた(設定が曖昧過ぎた)小説家さんだけど,別作品もチェックしてみよう。

  • 複数の女性と交際していた星野という男性、「あるバス」に乗るために、5人の女性に最期の別れを告げていく。星野を「バス」に乗せるため、星野と行動を共にする巨漢の女性・繭美。あたり構わず撒き散らされる彼女の言動は読者に爽快感さえ与えるほど辛辣。謎を残しつつ物語は終わるが、「もうちょっと読ませて」という消化不良の一歩手前の渇望感を醸し出している、さすが!

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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