チョコレートの町 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575515954

作品紹介・あらすじ

不動産会社の支店で店長の遼は、故郷にある店舗に一時的に赴任することとなった。シャッターの下りた商店街、傍若無人な昔の同級生、どこか馴染めない家族…。一刻も早く元の店に戻りたい遼だが、友人の結婚問題や、父親の退職などを経て、徐々に気持ちが変わってゆく。-俺、ここに帰ってきたいのか?「故郷」を持つすべての人の胸に、チクリとした痛みと温かな想いを呼び起こす物語。

感想・レビュー・書評

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  • 不動産会社の支店で店長の遼は、故郷にある店舗に一時的に赴任することとなった。
    シャッターの下りた商店街、傍若無人な昔の同級生、どこか馴染めない家族…。
    一刻も早く元の店に戻りたい遼だが、友人の結婚問題や、父親の退職などを経て、
    徐々に気持ちがかわってゆく。ーーー俺、ここに帰ってきたいのか?
    「故郷」を持つすべての人の胸に、チクリとした痛みと暖かな想いを呼び起こす物語。

    飛鳥井さんといえば、女性同士の友情や繊細な気持ちの動き。
    また頑張りを描くの秀逸ですが、この本は珍しく男性が主人公でした。
    でも、主人公の遼の気持ち。
    凄くぅん!!“((o(・Д・o*)コクリ わかる!わかる!って共感出来た。
    故郷で何があったわけでもないし、嫌いでもない。
    でも、愛してるかって言われると…んーーー。
    私は、今現在離れていないし、故郷で暮らしてるけど、
    卒業後帰りたくなかったあの気持ち思い出した(笑)
    遼の気持ちわかっちゃうし、共感しちゃう。

    そして、遼が疎遠になっていた同級生たちとの交流や家族関係に向き合って、
    少しずつ少しずつ気持ちがかわっていくの良かったなぁ。
    離れていた事で、色んな事を見つめ直せたり本当に大切な事に気付けたりする。
    大人になっていったんだよね。
    私も、現在鬱陶しいなぁって事も多々あるけど、良いなぁって思ってる。

    チョコの香りも効果的に使われていました。
    心がとても暖まりました。物語の底に流れる優しさが良かったです。
    読んで良かったぁ。

  • どこにでもいそうなありそうなストーリーで
    田舎が嫌いで東京で仕事をするんだ!
    って大人になり、実際田舎を出て東京で生活をしていた。
    ところが、ひょんなことから田舎にもどることになり
    離れていたことで、いろんなことを見つめなおせたり
    ほんとうに大切なことに気が付けたりする。

    ほんとうに大切な人は、ほんとに身近だったり
    当たり前にそばにいて意外と気が付かないことが多いのかもしれません。

    けど、自分は今気が付けていて
    その時間を大切に過ごせていて幸せだなって改めて感じました。

  • お初の作家さん、飛鳥井千砂さん。

    チョコレート工場の町といえば、チャーリーの
    チョコレート工場を思い出したりして、
    童話のようなおとぎの国のようなイメージですが。
    で、表紙イラストも漫画テイストで可愛い。

    ちゃんと(?)した話でした。
    しかも結構リアルに、田舎の町の習慣や
    民俗性や、そういうのに嫌気がさした若者と、
    そうじゃない若者との考え方の差とか。

    でも、描かれ方や文章が軽やかで、重たくない。
    この人いいな〜、と思うキャラクターが多くて
    読んでいて楽しいし、見所もあってワクワクする。

    自分のふるさとのイメージとは、自分で
    心に描いているもので、実際は一面だけじゃない。
    そういうことに、大人になってから気づいたりして
    新たに故郷との付き合い方が広がっていく。
    ふるさとのある人もない人も
    幼い頃に住んだ町のイメージは、心にあって
    それぞれの根っこの一部になってるんだろうなと
    なんとなく思う。

    良い話w

  • 地方出身の主人公が地元の店舗へヘルプを命じられて東京から帰ってきて、家族や地元との関係について考え直す話。

    遼の同級生が「俺は長男だからいずれ家を継いで、嫁にも家に入って貰わないと。親を無縁仏にする訳にはいかない」と言うところで、「今時何言ってんだ」と思ったけど、昔からそう言われて育ち、それが当たり前と思ってればそれはそれで一つの考え方なんだな、とこの本を読んでいて素直に思えました。

    地元に居たくはないけど、大事に思ってない訳じゃないというところがすごく共感。
    どっちも大事っていう結論と、これからは頻繁に地元に帰るんだろうな、という終わり方が平和。

    兄の彼女で波乱が待ってるのかと思いきや、年相応の常識はないけど話してみたらいい人だったというのも拍子抜けだけど、嫌な人が出てこない安心感になってほっとしました。

  • 遼が実家を出たかった理由、深くうなづきながら読んでた。
    そうなんだよねぇ。
    でも同感する場面ばかりじゃなく、遼を若いなと思ってしまう場面も多く、それだけ私が年を取ったのかもしれない。

  • 故郷の町を歩くたびに旧友と出会い、声をかけられる遼が羨ましいと思った。
    それは、小さな町だからということではなく、遼がそれだけ慕われていることへの憧れだ。

    長い間離れていても、昔の同級生から親しげに声をかけられる。遼の場合は、同級生だけでなく、職場の同僚や上司にも頻繁に食事に誘われている。

    それだけ遼が付き合いやすく、魅力的な人なんだな、と思うのだ。
    言っていいことと悪いこと、言うタイミング、自分の立場などをわきまえて、そのときに一番ふさわしい態度を取る。
    そして、たまに本音(弱音も含む)を吐く。
    みんなから慕われているけれど、本人がそれを自覚してないところもまた、人間たらしだなあと思う(褒めてます)。

  • 田舎から東京へ出てきた身としては、やっぱり少なからず自分と重ねて読んでしまうもんですね。

  • 自分が地元に転勤したときのことを思い出して、主人公に共感した。
    故郷を「中途半端」だと言うのもよくわかる。
    嫌いではないけど特別好きなわけでもない。
    それでも帰る故郷があるのはいいなと思った。

  • 地元ってうんざりすることも多い。狭すぎるコミュニティとか、不便さとか。でも少し離れると、良いところも見えてくる。生まれ育った街がかけがえのないものに思えてくる。嫌いにならずに、ずっと大切に思えたらいいなぁ。

  • 満足度高い。繊細で丁寧で優しいお話。小悪党くらいは出てくるけど、総じて人間味ある登場人物が魅力的。劇的なドラマではない、日常的なドラマを。誰にでもすぐそこにあるものを親しみをもって語られる暖かい良い物語だったなぁ。
    「訪ねる」田舎はあるけど、「帰る」故郷は東京の自分にとっては想像するしかない感覚が主題になっているけど、それでも楽しく読めたなぁ。地方出身者のひとに読んでみてもらって感想を聞きたいなぁ。

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著者プロフィール

飛鳥井 千砂(あすかい ちさ)
1979年生まれの小説家。北海道生まれ、愛知県稲沢市育ち、神奈川県在住。
2005年『はるがいったら』で第18回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2011年刊行の文庫『タイニー・タイニー・ハッピー』が20万部のベストセラーとなる。他の代表作に『アシンメトリー』『君は素知らぬ顔で』『UNTITLED』『鏡よ、鏡』『女の子は、明日も。』『そのバケツでは水がくめない』など。

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