ユリゴコロ (双葉文庫)

  • 双葉社 (2014年1月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (330ページ) / ISBN・EAN: 9784575516425

みんなの感想まとめ

生きる意味を「誰かを殺すこと」とする者の内面に迫る物語は、衝撃的な告白から始まります。古びたノートに綴られた手記は、サイコパスの心理を深く掘り下げ、ただの異常性の見世物に留まらず、理解しがたい“誰か”...

感想・レビュー・書評

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  • ★4.4
    実家の押し入れにあった、古びたノート。
    綴られていたのは凄惨な「殺人の記録」だった。
    誰の手記なのか、妄想か、過去の記憶か。
    生きている意味が「誰かを殺すこと」でしかなった者の独白は、やがて家族をも揺るがしていく。


    ”サイコパス”という単語は、いつしか専門用語としてではなく、安直に「感情なき存在」を指し示す流行語になった。異常者を表す”ラベル”として市民権を得た。
    しかし本書はそれに寄りかからず、その奥を見つめる。
    人を殺す衝動に、こんなにも静かな詩のような語りがあることに、戸惑いながらも引き込まれていく。

    これは異常性の見世物ではない。
    “殺人衝動を持って生まれてしまった者”の感情の内奥。
    それは得体の知れない怪物ではなく、理解しがたい“誰か”。
    その境界の揺らぎに、この物語は立っている。

    心がやっと落ち着く場所。
    けれどそれが「殺すこと」だったということが、わたしには恐怖でも、怒りでもなく、ただひどく哀しかった。

    殺意の奥にある愛とはなにか。
    罪を犯した人間に救いはあるのか。
    “心”の居場所はどこにあるのか。
    正解は用意されていない。けれど、ふと、答えに近いものを見た気がした。

    『ユリゴゴロ』。
    それは、殺意に宿ったやわらかな祈りのような物語。
    読み終えたあと、"普通の自分"にそっと胸を撫でたくなる。
    その瞬間は、たしかに救いでもあり、たぶん呪いでもあるのかもしれない。

  • それなりに有名な作品で、いつ読もうかと思ってたんやけど、早く読んどけば良かった〜
    何か衝撃の告白から始まる…
    人を殺す事を何とも思わないとか……
    こういう人を解説ではアウトサイダーって呼んでる。
    今は、法律とか、ちゃんとしてる近代国家やからそれは当然なんやけど、古代はどうやったんやろ?人の命が石ころの価値しかない時代とかの心を残したままなんかな?
    こんな告白書を平和に生きてる青年が読んだら…キツい…
    しかも、もしかして、実の母?…
    更に父も…
    弟は?
    祖父母は?
    こんな謎々残しながら、後半へいくんやから、速攻読まないと仕方なし!
    最後まで気付かんかったけど、思い返せばそうか…と大どんでん返しあり…
    こんなに、サイコな感じなのに、最後は温かい終わり方!に私には思えた!
    この作者のをもう少し読んでみたい気がしてきた!



    しかし…こんなに人殺してても、バレないものか???ほぼ、警察出て来ない…

    • ultraman719さん
      yhyby940さん

      こんばんは!コメントありがとうございます!
      イヤミスの女王と呼ばれる事もあるみたいなんで、あと味がええ感じですね。
      ...
      yhyby940さん

      こんばんは!コメントありがとうございます!
      イヤミスの女王と呼ばれる事もあるみたいなんで、あと味がええ感じですね。
      この本読んでから、著者の本が手元に5冊ほど(^^;;
      まだ、あまり読めてませんが、楽しみにしてます〜
      2023/04/06
    • yhyby940さん
      是非、楽しんでください。
      是非、楽しんでください。
      2023/04/06
    • ultraman719さん
      はい!楽しみますよ!
      はい!楽しみますよ!
      2023/04/06
  • 読み始めてから…ん?
    なんかちょっとこの話知ってるか?
    ユリゴコロ…ヨリドコロ…
    少年の死で読んでたことに気づいた!!
    けど死んだ経緯しか覚えてなかった(゚-゚*;)(;*゚-゚)

    父親の押入れで見つけた手記
    ノート4冊に書かれた、ある女性の殺人記録
    手記がストーリーの主軸って先が気になって止まらないですよね〜

    生まれ持った漠然とした殺人衝動?
    本人は殺すということも理解してないようだったから罪悪感もある意味ない

    飽きさせないストーリーで非常に面白かったんだけど、これだけの衝動がなくなったのは何故かが今ひとつあやふやかなぁと…
    ものすごく綺麗に終わりすぎて余計に気になってしまったのかもしれない(゚-゚*;)(;*゚-゚)

    タイトルも??ってところがいいよね〜♪



    • どんぐりさん
      読んでみたら既読だったってありますよね(・_・;

      ブクログに登録してなかったものもあれば
      登録してあるのに忘れて再読してたり、、(・_・;
      読んでみたら既読だったってありますよね(・_・;

      ブクログに登録してなかったものもあれば
      登録してあるのに忘れて再読してたり、、(・_・;
      2026/01/17
    • みんみんさん
      登録しても!?笑笑
      登録しても!?笑笑
      2026/01/17
    • どんぐりさん
      あれ?笑

      みんみんさんは登録してても読んじゃったはないんですね笑

      私は読了後にレビュー書こうと思って気づいたっていう作品までありますよ、...
      あれ?笑

      みんみんさんは登録してても読んじゃったはないんですね笑

      私は読了後にレビュー書こうと思って気づいたっていう作品までありますよ、、、
      一冊だけですけど(・_・;
      2026/01/17
  • どこか仄暗い空気感を纏う作品。
    特にノートに書かれた告白文のパートは救いようもないほどにダーク。

    中盤ぐらいまでは、暗さゆえにどうもスッキリしないけど、ラストは雰囲気が変わって畳み掛けるような伏線回収とどんでん返しに驚く。

    サスペンス的なエグいシーンがあるのに、読後感がとても切ない気分にさせる不思議な読書体験だった。

  • オチが よめてしまった

    小説は殺人を良く扱うけど…
    特に事件、殺人ていうより
    【子供が虫やカエルなどを殺して、そこから何も学習せずに大人になった系の殺人】は基本作品として好きになれない…勿論、このお母さんが罪に問われない事や、家族が隠す感じも嫌…
    「もちろん作家さんが作品を通して伝えたい事はそこではないのは分かるが…」

    でも嫌っ(俺が頭硬いだけですが)

  • また大好きな本ができてしまった。ずっと仄暗い水の底からぼんやりと眺めているような世界観。読了感は何と言葉にすればいいのか。ラストの展開がこんなに好みなのも久しぶりかもしれない。陰鬱な世界観が好きな人はどうぞ。

  • 前半の「ユリゴコロ」という日記の内容が猟奇的過ぎて、読むのがきつい。
    次第に伏線回収、子供への深い愛情、真相が明らかになる。
    イヤミスというほど、読後感は悪くない。

    だが、サイコパスな殺人鬼が、そこまでいい人に変われるとは思えないな。
    過去の人物像と現在の人物があまりにも違いすぎて、違和感が残る。

  • 表題のノート4冊に記された殺人犯の手記を中心に、ストーリーが展開していく…という設定に惹かれて一気読み。

    ノートの序盤は残酷な描写から始まるが、読み進めて行くたびに真実が明らかになったり、無機質だったものが感情的に移り変わったり、前半と後半の変化も見応えがあった。

    ラストは『そうきたか!』とミステリーながらも爽やかな気持ちになったし、ユリゴコロという表題が腑に落ちた。

  • 殺人に取り憑かれた女が残したノート。それを読んでしまう息子。徐々に明らかになる真相。ドロドロとした不快感が続く。しかしラスト10ページで一転。暗黒から深い愛に。読んで良かった。

  • 気味が悪いし、内容が暗かったけど、本当に読んでよかった。
    とても素敵な作品だった。こういう風な小説はあまり読んだことがなく、目新しく感じた。
    解説に「物語のゴールにあるのが真相解明ではなく、それを知った後の人間たちの姿、その行動にある。登場人物の心の闇が深いからこそ、容赦ない描写があるからこそ、見えてくる一瞬のぬくもりが、一瞬の光の眩しさが、より実感させられる」と書いてあり、まさにその通りだと感じた。
    最後、大泣きしてしまったため、明日目が腫れるかもしれない。泣かせようとしてくる作品ではなく、自然と涙が溢れてしまう作品だった。
    とても重くて、まだ私には理解できないところもあった。真っ暗な世界から、明るい世界に行けるわけではない、でも登場人物たちにとっての最良の選択の末の結末がこれだとすると、本当に深い話で心が揺さぶられる。とても考えさせられる。
    重い内容だが、スイスイ読めるので、ぜひ読んでほしい。映画にしたら、ありきたりじゃん?とか思われるかもしれないけど、本だからこそ味わえる考えさせられる感じが好き。
    この表紙の絵に、なんかすごく惹かれる。この話にあってる。すごい作品だった。言葉にできないくらい。

  • いよいよ自分のお店を開店、結婚間近と、幸福の中にいた青年。婚約者の失踪・父親の余命宣告・母親の事故死と、相次ぐトラブル。
    そんなさなか、「ユリゴコロ」と題されたノートを見つける。それは、幼児期よりの殺傷への憧憬、そして、その実行の告白とも思われる手記だった。
    この手記の部分に描かれた、幾つかの殺人への経緯はノンフィクションのようで、決して計画的でなく、衝動的でもない、欲望のような感覚で恐怖感がありました。
    ミステリーとしては人間関係など練られていて面白い。ただ、あれだけの殺人への渇望を持っていた人間の感情が収まり、殺人について受け入れてる家族に違和感ありかな。

  • ある日、亮介は実家の押入れで「ユリゴコロ」と表紙に書かれた数冊のノートを見つける。そこには、静かでありながら激しい時間を生きた殺人鬼の告白が綴られていた。それは母の手記なのか、父の創作なのか、真実と虚構の境界は分からない。そのノートの正体を追ううちに、亮介は思いもよらぬ過去と向き合うことになる。

    告白文と亮介の現在が交互に描かれる物語は、後半で二つの流れが重なり合い、伏線が静かに回収されていく。読み始めは不気味なホラーサスペンスのように感じるが、読み進めるうちにその印象は変わり、単純なジャンルには収まらない作品だと気づく。前半と後半で読み心地が大きく変わる点も印象的。

    自分のルーツと向き合う亮介の姿が胸に迫り、ラストには深い余韻を残される。異常な出来事の中に、さまざまな形の愛が静かに浮かび上がる希有な作品だった。

    呆然と本を閉じてしまうほどの結末ながら、どこか切なさや温かさも感じられる。美談にはできないのに嫌な後味は残らず、静かな余韻が心に残る一冊。

  • H30.6.30 読了。

    ・イヤミス小説かと思っていたが、まさかのラストに驚きと困惑。リスカの描写は読み進めるのに苦労した。

  • 映像化作品も見たけど、これは文章で読むべき。
    おどろおどろしい描写が頻繁に出てくるので人を選ぶ作品ではあると思う。耐性があるなら是非最後まで読み貫いて欲しい。

  • 私の中ではとても傑作だと思いました。しかし、読了後皆さんの感想を拝見すると、賛否が分かれる作品のようですね。母親・母親Xの謎や千絵、細谷の事件が一気に片付き、後味は最高です。一方、母親の殺人に対する父親の心情や母親の心情、母親Xが母親となった理由についての描写をもう少し含めて欲しかったかな、若干、消化不良の部分もありました。複雑な人間関係なのですが、是非皆さんに読んで欲しい本です。一部、グロテスクな描写箇所が少しありますが、その描写スキルの高さに脱帽です。久しぶりに心地よく一気読みできました。

  • 何年も前に読んだのに内容全然覚えてなくて新鮮な気持ちで読めました。
    いや〜母の日記怖かった、、ゾクゾクしました。

    ラストは「あーっ!!?やられた!!」感。
    ユリゴコロ読んだ方は話の途中から気づいてそうですが、私はラストでそういうことかと納得( ˙⃘⍘˙⃘ )

  • 再読
    相変わらず不気味な手記…明かされる真実
    ハラハラドキドキ感はないけど、読みやすさと不気味さが良い

  • ジャンルを把握を把握しないまま読み進めてしまった・・・(はっきり言って本来の私なら読まないジャンル)
    怖い。

    ねじまき鳥を読んだときに、トラウマになった個所がありました(読んだ方ならわかるとおもう)。少し彷彿させるようなシーンは早送りしてしまいました。

    全体的にとてもよく構成されたお話と感じました。
    サスペンスではなく、ホラーに近いと感じます。
    その違いはなに? と聞かれたら、そうですね実際にあるような犯罪を模したものがサスペンス、ちょっとあり得ないような自然現象などの事象を織り込んだものがホラー? 
    そう書いてみて、これはサスペンスなのかも。。。
    あまりなさそうであり、ありそうであり。

  • 作者の名前と題名に惹かれて読んだものの
    何も覚えてない。
    たぶん掴み蹴れなかったのかも。

    再読したいのだが
    未読の本を読むか、前読んだ本をまた読むか
    限られてる時間の中では、どうしても先へさきへと知らない世界に行きたがるくせがあるなぁ。他の方のレビューを見てみよう。?ごめんこんなレビュー書くなという話。

  • 面白かったんだと思う
    とても暗い話なんだけど、どんどん吸い込まれて読んでしまったから
    途中でまさかなあと思ったが、最後そのまさかが当たりであまりにもかけ離れていたので、今考えてしまっている状態。。。え?え?そうなの?って感じ
    再読したら、ピンと来るかなあ
    父親の部屋から「ユリゴコロ」という手記が出てきてそれを盗み読みする
    簡単に言うと殺人鬼の話だが、これは一体誰が書いたのか?ここに出てくるアナタとは誰のことなのか?
    盗み読みするうちに、自分の出生の秘密を知る事になる
    そりゃあ、ドキドキするし、仕事にも身が入らなくなるでしょうよ
    怖い話でありながら、家族愛の話でもある
    理解出来ない感覚の家族がいるが、見捨てる事が出来ない
    何人も殺されて一度も捕まらないのは変だけど、それがまた物語を不気味にしていて面白い
    やっぱり面白かったんだと思う

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著者プロフィール

沼田 まほかる(ぬまた まほかる)
1948年、大阪府生まれの小説家。女性。奈良県在住。読んだあとイヤな後味を残すミステリーの名手として、「イヤミスの女王」という称号で語られることもある。
寺の生まれで、大阪文学学校昼間部に学ぶ。結婚して主婦になり、母方祖父の跡継ぎを頼まれ夫がまず住職となるが、離婚を経て自身が僧侶になる。50代で初めて長編を書き、『九月が永遠に続けば』で第5回ホラーサスペンス大賞を受賞、56歳でデビュー。
2012年『ユリゴコロ』で第14回大藪春彦賞を受賞し、2012年本屋大賞にノミネート(6位)。それを機に書店での仕掛け販売を通じて文庫の既刊が売れ出し知名度を上げた。
代表作『ユリゴコロ』は2017年9月23日に吉高由里子主演で映画化。同年10月、『彼女がその名を知らない鳥たち』も蒼井優・阿部サダヲ主演で映画化された。他の代表作に、『九月が永遠に続けば』、『猫鳴り』、『アミダサマ』。

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