誰かが足りない (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575517170

感想・レビュー・書評

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  • 洋食屋・ハライに纏わる6組の物語。
    どの話もしみじみ良かったけど、予約3(クミとヨッちゃん。2人なら支え合えるね)、4(ビデオカメラで精神の安定を保つ兄と妹とその友達。妹が良い子すぎる)、6(失敗の匂いが分かる女の子。普通ならこの能力にはかなり苦労させられそうだが、留香は強いな)が好きだったかな。

    予約1(コンビニ勤務のパワーストーンを売らされている男の子)は読むのが辛かったけど、最後はなんとか前を向いた風で安心。
    予約2(認知症気味のおばあちゃん)は、変化を探るようなことは逆に相手を傷つけることもあるんだなぁ(たとえ良かれと思った行動でも)と自分への警告にしたいと思う。
    予約5(ブッフェのお店で働く調理師を目指す男の子)はオムレツが食べたくなった(笑)。

    宮下さん自身の書評で、本当はプロローグ?で誰か亡くなる文章があったけど削ったということを書いていたような。
    個人的には削ってくれてよかった。
    (ちょっと調べたけどそんなことを書いているレビューはなく、勘違いかも?)

    10月31日18:00予約の人達に明るい未来が来ますうに。
    ---------------------------------
    - 失敗自体は病じゃないんだ。絶望さえしなければいいんだ。

  • なんとなくいい話をさくっと読みたい人には◎

  • 全体的にもう少し描写が欲しいと思った。
    予約5の一節が印象に残った。
    『思い出せるしあわせだけではない。思い出せない無数の記憶によっても人は成り立っているみたいだ。』

  • 繊細でふかふかとほかほかとした話でした。
    本の内容と少し離れてしまうけど、本の帯にあった感想の一部に「終わり方が明るくて未来へつながりそうなのが好きだ」とありこの感想を書いた人の感性が好き。

  • 最近宮下さんの作品読みすぎでは?ってくらい読んでるけど、基本全部好き。こちらもよかった。
    他の方の評価・コメントを見ると、意外と高くないことに驚いたけど、好みは人それぞれなんだと改めて感じた。

    前情報無しだったから、タイトルと表紙のちょっと暗いところから、ホラー要素でもある?と思ってた。そんなことないです。むしろ心温まる。タイトルはともかく、表紙は明るくしても良かったのでは、、、

    どこかの国の言葉で晴れという意味のある店名「ハライ」に訪れようとする人々の短編集。
    予約が取りにくくて、いつもいいにおいのする町のレストランに行くときって、どんなときだろう。そういうちょっと特別なお店って、素敵だよなぁ。
    登場人物はみんな何かしら問題を抱えてる。それが深刻かどうかは人の感じ方次第だけど、最後には明るい光が見える。
    作品には描かれていないけど、ハライでおいしいものを食べたら、元気が出て、また前を向けるんだろうな。

  • 9年前に一度読んでましたが再読しました。
    印象に残っていた文章がなく、もしかしたらKindle本で内容が変更されたかあとがきがなくなったのかもしれません。残念でした。
    また、当時より私が捻くれてしまったせいかあまり心に沁みませんでした。特に、予約5と6が現実味なさすぎて共感もできませんでした。

    最後の1文は素敵な終わり方だと思いました。

  • 宮下奈都さんの作品は、やけに早く読み終わってしまう
    こんな短絡的なこと言ったら怒られそうだけど(だれに?)、宮下さんの作品の主人公は、いつも弱気で、伝えるべきことを伝えられない印象がある。
    それに時々ムっとする。あまりに自分に似ているから

    宮下奈都さんの文体がトップで好きなので宮下さんの作品というだけで読む価値しかなく、よかったのだけど、ほんとうに、
    ただこの作品のストーリーや構成がなんかテレ東の深夜ドラマかな?とかおもってたら読み終わった感じです

  • まさか最後までハライの料理を食べないなんて…
    裏表紙に「同じ時に訪れた6組の客の物語」とあるけど、「同じ時に訪れようとしている」だった。
    それにびっくりはしたけど、文章が綺麗で好きです。

  • 作者らしい、丁寧で落ち着いているのに後半になるにつれてじわじわとエモーショナルになっていく地の文、心理描写。

  • 明るい話ではないんだけど、心理描写が繊細で丁寧に読みたくなる本。主人公たちが自分の状況を考え理解して前に進んでいっている感じ、単純にすごいなあと思った。

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著者プロフィール

1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年、第3子妊娠中に書いた初めての小説『静かな雨』が、文學界新人賞佳作に入選。07年、長編小説『スコーレNo.4』がロングセラーに。13年4月から1年間、北海道トムラウシに家族で移住し、その体験を『神さまたちの遊ぶ庭』に綴る。16年、『羊と鋼の森』が本屋大賞を受賞。ほかに『太陽のパスタ、豆のスープ』『誰かが足りない』『つぼみ』など。

「2018年 『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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