残り火 (双葉文庫)

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  • 双葉社
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感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575518245

感想・レビュー・書評

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  • 冤罪事件を巡るリーガルサスペンス。
    文章は読みやすく会話も多いので所々難しい法律用語はあるもののさほど苦労せず読み終えた。

    冤罪被害者の純也の言葉や描写が少なくて人物像があまりよくわからなかったので、もう少し掘り下げてほしかったという気持ちはある。
    全体的にサラッとした感じで、何かを考えさせたり深く胸に迫るようなものはなし。でも最後のどんでん返しまで真犯人が全くわからなかったので、面白かった。

  • 犯人が早い段階で分かったと言う感想を書かれている方もいますが、私は最後まで全く分からず、最後にビックリでした。相変わらず、暗い過去を背負う人々の中で、水木弁護士の温かい人柄にホッとしました。

  • 帯には、「予想しえない驚愕の結末が待ち受ける」と有り気になって買いました。読んでる時はブックカバーを掛けてあるので帯の事はスッカリ忘れていました。
    まさかの結末でした。
    ストーリーの舞台が自宅の近所と言う事も有り、読みながら背景が想像し安く楽しく読めました。

  • 社会派法廷ミステリー。ネタバレ覚悟で言うが、この小説はどんでん返しを純粋に楽しめたら勝ち!

    俺なんか「なんだかおっさん臭い一昔前の、予算安いテレビドラマ(なんとか刑事純情派)みたいやなぁ」と思って…衝撃ドーン、さらに倍!で凄く楽しめた。

    堅苦しいことは抜いて、楽しめたら勝ち。社会的問題も小説内の瑕疵も忘れてしまうか気付かないのが決めてである。

  • 私には珍しく、3分の1も読まないうちに犯人もその動機も検討がついてしまった為、真犯人どうこうよりも被告人が何を隠しているのか、の方が面白かった。
    真犯人は可哀想ではあるけど、いいようのない気持ち悪さを読みながら感じていた。それを狂気と呼ぶのかな。
    水木弁護士が活躍する話をもっと読んでみたい。

  • 冤罪のリーガルサスペンス。冤罪事件の恐ろしさがある。

  • テンポが良く読みやすい

  • 冤罪の被害者の為に奔走する立花。それに応えようとする弁護士の水木。法定で少しずつわかっていく真実。そして、思いもかけない事実が明るみに。なんともあとあじ悪いと思ってしまった。

  • 「衝撃度200%」の惹き文句。ホンマかいなと思いながら読み始めました。

    東京、墨田・江東地区で、若い女性ばかりを狙った殺人事件が数カ月おきに3件発生。4件目かと思われた事件は被害女性の激しい抵抗のおかげで未遂に終わり、犯人の服装に関する彼女の証言から、相浦純也という青年が逮捕される。ニュースを見た中年男・立花孝久はびっくり。数日前に孝久の母親が困っていたところを助けてくれたのが純也だったからだ。あんなに優しい純也が殺人犯であるわけはないと、孝久は自分が経費を払ってでも弁護士をつけてやりたいと思う。孝久には息子が痴漢の疑いで逮捕された過去がある。そのとき息子の容疑を晴らしてしてくれたのが弁護士・水木邦夫だった。その後に邦夫は妻を亡くし、いまは廃人同然だが、純也を救えるのは邦夫しかいないと、孝久は邦夫のもとへ日参。やる気を取り戻した邦夫は、純也の無罪を勝ち取ろうと立ち上がるのだが……。

    1947(昭和22)年生まれの著者の文体にはいささか古臭さを感じます。正義感に満ちた孝久の言動には傲慢さも感じ、少し興ざめ。しかし非常に読みやすいのも確かで、証人集めや法廷でのやりとりも緊迫感があって面白い。読み進むうちに孝久の性格にも慣れてきたのか(笑)、ゲンナリすることもなく終盤を迎えました。

    最後の一歩手前まではとても良かったのですが、最後の最後には唖然。いくらドンデン返しがウケるといっても、これは駄目でしょう。最初の興ざめが倍ほどの大きさになって最後はガックリ。よかったとは言えなくなってしまったのが残念で仕方ありません。最近読んだ本の中で裏切られた度No.1。

  • 連続刺殺犯の容疑で起訴されてた純也くんの無罪が法廷で言い渡されたところで、冤罪を免れて良かったね、と思いつつ、まさか刺殺犯が判明しないまま話が終わるのでは?という最後のところで真犯人が明かされて、お話としてはまとまっててよかったと思う。

    自殺した息子に思いを残すのもいいけど、せっかく淳美さんという彼女?ができたんだから素直に幸せになればいいのに、、と思ったけど、あんな事情じゃ、そうもいかないと納得。

    余談だけど、
    痴漢は常習性があって、はじめての時に捕まえなくても、いずれまた痴漢するから、はじめての痴漢は見逃すべきだ、っていう主張には賛同しかねるよ。私は。

    痴漢されるほうにとっては相手が初めてだろうが常習者だろうが関係ないからね。

    もちろん、痴漢の冤罪があるのもわかるし、やってもいないのに痴漢です!って言われて社会的に窮地に陥るのを防ぎたい気持ちもわかるけど。

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著者プロフィール

一九四七年、東京都生まれ。八三年「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。八八年「絆」で日本推理作家協会賞、九〇年「土俵を走る殺意」で吉川英治文学新人賞を受賞。他に「仇討ち東海道」「遠山金四郎」「風烈廻り与力・青柳剣一郎」「栄次郎江戸暦」「蘭方医・宇津木新吾」「親子十手捕物帳」「八丁堀赤鬼忠孝譚」「義賊・神田小僧」シリーズなど著書多数。

「2023年 『剣の約束 はぐれ武士・松永九郎兵衛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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