憧れの女の子 (双葉文庫)

  • 双葉社
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本棚登録 : 340
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575518733

作品紹介・あらすじ

「次は女の子を産むわ」そう宣言して産み分けに躍起になる妻。そんな妻の決断に淡い違和感を抱く夫。互いに心揺れる日々を経て、夫婦がたどり着いた先は-。思いがけないラストが深い感動を呼び起こす表題作「憧れの女の子」。男女の心の行き違いから浮かびあがる人間の本質を鮮やかに掬いとった物語、全5編収録。

感想・レビュー・書評

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  • 典型的な帯買い(帯を見て惹かれて買った)した本。そして帯を信じて買ってよかった、と思った本。

    「次は女の子を産むわ」と宣言して産み分けに必死になる妻を、言い表せない違和感を持ちながら見つめつつともに暮らす夫が主人公の表題作。その他四編。
    全てにおいて、ハッピーエンドではないけれど希望が見えないわけでもないラストが秀逸で、独特な読後感だった。
    ちくりと胸が痛むけれど、泣きたいのとは違うような。

    “普通”な人間なんてこの世の中にはいないのかもしれない。一見何の問題もなく、何の悩みもないように見えても、その実はわからない。
    そして“普通の関係”というものもない。
    それぞれ個性がある人間同士の関係には、それぞれの進み方があり、それぞれ様々な出来事がある。
    危ういバランスながらもうまくいくこともあるし、努力をしてもうまくいかないこともある。

    ほんの些細な心理描写や登場人物の言葉が、胸に刺さったり、こういう感情ってあるなぁと思ったり。

    いわゆる叙述トリックの物語もあるのだけど、本当に騙された気分ですごく楽しかった。
    えっえっ何なに?(戻って読み返す)そういうことか!巧い!一本取られた!みたいな。笑
    叙述トリックの小説ってけっこう話題になるから事前に知っちゃってて疑いながら読むパターンが多いけど、まったく知らなくてしかも巧いと本当に楽しいんだと思った。

    朝比奈あすかさん。初めて読んだ作家さんだけど、他のもこんなに面白いのだろうか。

  • 短編集。何を意味するのか分からないお話もありなかなか読み終える事が出来ませんでした。初読み作家さんだったので、他の作品も読んでみたいです。

  • 実際にいるんだろうな、このような悩み、ありそうな人間模様。
    ゆえにすんなり入ってきた。

  • 巻末の解説で宮下奈都さんは絶賛して再読のたびに違う感動が味わえるようにあったけど自分はすんなり理解できない部分もあったり…短編の中にいろんな世代のいろんな人の人生が垣間見れて楽しめた。『弟の結婚』には感情移入して読んでしまった。

  • 女性作家の洞察力って、やっぱ男性作家の上を行くのではないか。

    家族や恋愛など男女間の問題を扱った短編5作。
    どれも、何度も唸ってしまった。
    表題作の鮮やかなラストは言うに及ばず、どれも素晴らしくて面白い。

    『ある男女をとりまく風景』が特にお気に入りだ。
    ちゃんと仕掛けがある作品で、まんまと騙された。

    人間の持つ毒を、毒だと思わせないように描くことに優れた作家だと思う。いやな物語でも清々しいのはこの作家ならではないだろうか。

  • 「次は女の子を産むわ」と宣言して、産み分けに躍起になる妻、違和感を覚えながら異を唱えられない夫。様々な葛藤を経て夫婦がたどり着いた先は・・・「憧れの女の子」を含む5つの短編。

    とにかくどの作品も良くできている。
    それぞれに微妙なテーマを扱いながら決して重すぎず、心に引っ掛かりを残すもののラストは小さな希望があって読後は決して悪くない。
    「ある男女をとりまく風家」では絶妙な叙述トリックにまんまとしてやられ、「リボン」では人との関わり方の難しさをしみじみと感じ、「わたくしたちの境目は」ではがんで妻を亡くした夫の後悔の念を思い泣いた。

    5つの作品はそれぞれに違う年齢、境遇の男女の機微をうまく描いているから、読み手はいずれかを自分の人生に引き寄せて感じ入ることが出来るのかもしれない。

  • はじめての作家さんの短編集。
    すごい。なんというか、話のつくりもテクニックも文章も上手で衝撃を受けた。自分の中にある男女の固定観念を突きつけられたり、色んな意味で男女の違いを考えさせられたり。女性を書くにあたっての視点も面白い。
    「ある男女を取り巻く風景」のテクニックに圧倒され、「リボン」のメッセージに泣きそうになった。あえて好きなのあげたけど、本当に全部良かった~~。

    人間のマイナスの感情がプラスに働く瞬間を丁寧に的確にリアルに書いてるのもすごい。共感してしまう人は多いのではないかなあ。

    シンプルに、年を取るのもいいな、どんな生き方になってもその時々で幸せがあるんだなと、前向きな気持ちになれる。本当に良い小説を読んだ。満足感というより幸福感を感じられる一冊。

  • どうしても女の子が欲しくて、産み分けに躍起になる妻に戸惑いながらも協力していく夫の揺れる心情を書いた「憧れの女の子」
    普通の男女の話と読み進めていくと、えっ!そうだったの?びっくりさせられた「ある男女をとりまく風景」他3編

  • ほのぼの系。
    休日の昼間に読むのにちょうどよい。

  • 女の子をどうしても産みたい、その一心で産み分けに躍起になる妻を描いた表題作を含んだ全5篇の短編集。

    「ある男女をとりまく風景」は秀逸!やられた!
    「弟の婚約者」も、女性の狂気じみた感情が細かく描写されててゾクゾクしながら読んだ。
    リピートしたい一冊。

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。その他の著書に『彼女のしあわせ』『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『自画像』『少女は花の肌をむく』など多数。

「2019年 『君たちは今が世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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