たった、それだけ (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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レビュー : 50
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575519617

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  • 「逃げ切って」。贈賄の罪が発覚する前に、望月正幸を浮気相手の女性社員が逃す。告発するのは自分だというのに…。正幸が失踪して、残された妻、ひとり娘、姉にたちまち試練の奔流が押し寄せる。正幸はどういう人間だったのか。私は何ができたか…。それぞれの視点で語られる彼女たちの内省と一歩前に踏み出そうとする“変化”。本屋大賞受賞作家が、人の心が織りなす人生の機微や不確かさを、精緻にすくいあげる。正幸のその後とともに、予想外の展開が待つ連作形式の感動作。


  • 分かっていても、知らないフリを。
    あの人も知っている。私がまんざらでもないこと。
    暗い部屋の中で、優しくすり寄るあなたに。

    知らないフリ。安全に生きていく術。
    でも立ち止まり続けたその足元には枯葉ばかりで、
    雨が降ったら真っ逆さまに落ち続けるかもしれない。

    歩き続ければ、地は固まるかもしれない。
    気づくのは振り返ったあとだけれど。
    切り傷もすり傷もたくさんあるけれど。

    手を離す。元ある場所へ。
    私も帰る。誰かが待つ場所へ。

  • 私の想いは"たったそれだけ...."

    それはほんのわずかなことでしかない
    たったひとつだけのことだったのよ....と
    まっすぐ素直に受け止めることができれば
    それは儚くもありながらとても美しいことのように思えます。

    けれども、それが例えたったそれだけのことの想いであったとしても
    その心の想いを強い気持ちで露にされてしまうと、まるで
    恩に着せているような、押しつけがましい、単にエゴを追及しているだけの
    自己満足な印象を与えているようにも感じられてしまいそう...

    "逃げているように見えても、地球はまるいんだ。
    反対側から見たら追いかけているのかもしらねーし"

    たったそれだけことでも
    自分の中でだけなら、見よう(捉えよう)によって悪を善に変え
    明るくいくのはとてもいいこことだと思う。

    けれどもここに対人が絡んでいたとしたなら..?
    自分にとっては善良であるたったそれだけの想いは、相手にとっても
    果たしてよい想いであってくれるのでしょうか...

    たったそれだけのこと。
    なのになんだかとっても複雑な気持ちになりました。

  • うまく物語にはいっていけなかった、難しい。逃げてもいいというメッセージは心に響いた

  • 最後の物語がとてもとても切ない。

  • 今年15冊目。

  • 宮下奈都 著「たった、それだけ」、2017.1発行(文庫)です。望月正幸という男にかかわる女性たちの思いなどを、それぞれの視点でまとめあげた連作6話。私にはちょっと向いてない進行でしたが、宮下奈都さんの筆使い、なかなかだとは感じました!

  • 贈賄の容疑で失踪した、望月正幸。
    彼にまつわる人々をえがく、連作短編集。
    いつも笑顔なのに、心の距離を感じてしまう〈冷たい〉人。
    あとから振り返って、何ができたのか考えてしまう、周囲の人間。
    人と人とがかかわることの難しさがある。
    やるせなかったり、つらかったり。
    重めだけれど、淡々としていて、ふしぎと引き込まれる。
    最後は救いがあってよかった。

  • 会社の贈賄に関わっていた望月が発覚前に逃亡。望月の周辺の人たち、愛人、妻、姉、娘の話。
    残された一人娘、ルイに関わる3編が興味深かった。
    父親は逃亡、母親はいつまでも吹っ切れない。
    そんな中で成長していく。
    転校先で出会った教師、同級生のトータと出会った事で、少しずつ救われていく。
    トータはホントいいヤツ。
    それにしても益田さんはやっぱり…?

  • 神経を研ぎ澄まして、集中して一気に読む終えました。
    心地よい疲労感がありました。

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著者プロフィール

宮下 奈都(みやした なつ)
1967年福井県生まれ。上智大学卒業。2004年、「静かな雨」で文學界新人賞に入選し、デビュー。日常に起こる感情の揺れを繊細で瑞々しい筆致で描きだす作品で知られる。『スコーレNO.4』が書店員から熱烈な支持を集め、注目を浴びる。
代表作に、2016年本屋大賞、ブランチブックアワード2015大賞、「キノベス!2016」などを受賞した『羊と鋼の森』があり、2018年6月に映画公開される。ほか、福井からトムラウシに移り住んでいた頃の日々を描いた『神さまたちの遊ぶ庭』や、福井での身辺雑記や本屋大賞受賞前後のエピソードなどを描いた『緑の庭で寝ころんで』がある。

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