新鮮 THE どんでん返し (双葉文庫)

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本棚登録 : 119
レビュー : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575520606

感想・レビュー・書評

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  • 「事件をめぐる三つの対話」
    「筋肉事件/四人目の」
    書籍ならでは。前者はラジオドラマでもよいかも。
    そして後者は映像化不可能作品。

    「夜半のちぎり」
    主要登場人物4人が4人とも、普通・一般的からどこか
    飛び出したところがあって、真相が明らかになった
    気味悪さもあるが、だからタイトルは平仮名なのかな。

    「使い勝手のいい女」
    最後の最後に小さなどんでん返し。第一の大きな謎が解決したからといって気を抜いてはいけない。そして読み終わってみるとタイトルがなんと全体を支配していることか。

  • 似鳥さんのはタイトルページからすでに何かおかしいと思っていたらまさかのどんでんだった。水生さんのはまさに新鮮ネタ!

  • 楽しく読めた。どんでん返しと銘打たれてるので終盤でひっくり返ることはわかってて読むわけですが、どうひっくり返るのかを予想しながら読むのも楽しいものです。

  • 旅のお共として借りたけど家にいるときに読んでしまった。こういうアンソロジーは旅にぴったりだよね。面白かった。若手作家さん、ってことで『新鮮』になったそうだけど、はずれなかったな。まぁ強いていえば岡崎琢磨「夜半のちぎり」は先が読めて全然どんでん返しじゃなかった。似鳥鶏はトリッキーで面白かった。筒井康隆っぽい。解説でそれぞれの作家さんの過去の作品が紹介されてて、どれも面白そうだった。みんなまた読んでみよう。

  • 今回はフレッシュな若手作家の書き下ろし作品を集めたどんでん返しアンソロジー3冊目で根が素直な私はものの見事に騙されましたね。ちなみに天祢さんと水生さんは女性です。『密室竜宮城』青柳碧人:ミステリ童話「浦島太郎」の意外な真犯人は?『居場所』天祢涼:前科持ち男の切ない人生物語。『事件をめぐる三つの対話』大山誠一郎:読者も犯人も同時に騙される!『夜半のちぎり』岡崎琢磨:最後の一行にぞっとします。『筋肉事件/四人目の』似鳥鶏:二度読み必至!仰天の技巧派ミステリ。『使い勝手のいい女』水生大海:バスルームにびっくり!

  • 似鳥鶏「筋肉事件/四人目の」には度肝を抜かれた。「は…誤植?!?!」と目を丸くして、文字通り二度見(読み)したわ。

    ・密室龍宮城/青柳碧人
    龍宮城に行った浦島太郎。そこには人型をとる魚たちと乙姫が優雅に暮らしていた。龍宮城は大きな宝石の力で、薄い膜で覆われている(幕の位置は宝石を動かすことで微調整できる)。
    乙姫にはわかしという少年が付き添っており、太郎を連れてきた亀も龍宮場内では女性の形をとる。亀を助けた太郎は歓迎され、宴が催された。翌日、乙姫の膝で寝こけていると、突然成人男性のような男が飛び込んでくる。面食らっているところへ、殺人事件発生の知らせが。死んでいたのはおいせ姉さんと慕われていた存在。
    おいせの部屋は、窓が長年かけて成長したサンゴで外から覆われ、ドアの外には監視の目があり、密室状態。果たして誰の仕業なのか。
    実は、龍宮城を覆う膜の内側は時間がゆっくり流れる。犯人はおいせの部屋の窓からサンゴをこわして外に出て、その窓の部分が幕の外に出るように調節していた。サンゴは時間の流れの速い外気に晒され、内側から見ると一瞬で成長し、再び窓を閉ざしてしまう。
    これにまきこまれてしまったのが、乙姫の側近だったわかし。時間の流れの早い外気に晒されてしまったため、年を取ってしまった。乙姫の部屋に飛び込んできた謎の男性はわかし。
    実は太郎を連れてきた亀も外気に晒され、少し成長してしまっていたことが、冒頭の描写で確認できる。
    浦島太郎の設定を見事に生かした話。

    ・居場所/天祢涼
    過去に女子高生にわいせつなことをして殺すという犯罪を犯し、出所してきた男・八木。過去の犯行がばれる度にクビになってしまう。
    八木は通りで一人の少女・マナをじっと見つめている。
    そこへマスコミの関係者だという男が近づいてきて、盗撮犯が逃げるシーンをでっち上げて偽のスクープにし、マスコミに売ろうと言い出す。
    謝礼を出すと言われ、自暴自棄になっていたのもあり、作戦に乗ろうとする八木だが、直前で辞める。
    読んでいくうちに、このマナが八木の娘であることが分かってくる。派手な外見で、援助交際をしているらしきマナ。八木は別れた妻のところへ行き、マナをもっとよく見てやってくれと懇願する。
    しかし、実はマナは本物のマナではなく、マナの友達。卑劣な犯罪者である八木に対し、本物のマナは気持ち悪さを覚えていた。八木を傍から追い払うため、友人たちを使って八木を罠にはめようとしていた。
    真実を知り、娘に拒絶されたことを身をもって知る八木だが、偽物のマナが自分のことを案じてくれたことが一筋の温かさを残す。

    ・事件をめぐる三つの対話/大山誠一郎
    とある警察署。管轄内の路上で峰岸という男の遺体が見つかり、捜査本部が立つ。峰岸の自宅には争った跡があり、殺された後そこから発見現場に運ばれた模様。調べを進めていくと、峰岸は誰かに脅されて毎月金を振り込んでいたことが明らかになる。
    所轄署の若き女性刑事・水原は、本庁のやり方が気に食わないと、上司である小野寺に言う。二人で事件のことを推理しつつ話しているうちに、事件はあらぬ方向へ転がる。
    遺体をわざわざ移動させたのは「捜査関係者が犯人で、自分の所轄で捜査をして犯行を誤魔化すため」。死亡推定時刻にアリバイがない者を検討していくと……残ったのは上司の小野寺だった。
    罪を告白した小野寺は心筋梗塞を起こして倒れる。
    後にそのまま死亡したことが、監察医の室川にも知らされる。室川は被害者の胃の中から「小野寺」と書かれた紙が見つかったと報告していた。
    しかし水原が室川の元を訪れ、真犯人はあなただと指摘する。
    実は前半のやり取りは、狂言。室川が差し入れを持ってくるふりをして盗聴器を仕掛けたことに気付いた水原たちが一芝居打った。室川はそれに引っかかり、小野寺の名が書かれた偽の証拠をでっち上げてしまった。
    もちろん小野寺は真犯人ではないし、死んでない。

    ・夜半のちぎり/岡崎琢磨
    同じ会社の中で結婚した二組の夫婦、長沼家と川島家。新婚旅行先が一緒で、たまたま出会う。
    長沼の妻・茜が海辺で遺体となって見つかる。茜の耳は何故か損傷していた。
    川島の妻である紗季はかつての長沼の恋人。新婚旅行先であるにも関わらず、長沼は紗季と関係を持ってしまう。
    ところが不貞は長沼と紗季だけのことではなかった。残された川島と、亡くなった茜の間にも……。
    川島は、先ほどからガムを噛んでいる。噛むのが禁止されているこの国で。果たして彼の口の中にあるのは……。

    ・筋肉事件/四人目の/似鳥鶏
    これはやられましたね。途中まで読んで「は…?!?!?」と思った。
    タイトルからして「ん……?」と思ったんだけど、ページをパッと見て、他の作品と明らかに文字の組み方が違うので、それも「ん?」と。
    ただ、これらの違和感はほんのジャブ。途中まで読んで、ページとページが繋がってないことに気が付いて驚愕。本文中にいくつか細かな違和感(あれ、この人男?)みたいなものがあったけど、明らかな「種明かし」の部分に差し掛かるまでは読み飛ばせる程度のもの。
    タイトル通り、二つの話が交互に書いてある。たまたま二つの話の設定とキャラが似ていたため、明らかに文が途中で切れる途中までは全く気が付かない。
    段組みがおかしかったのは、ページの切れ目ごとに話を混ぜるため。
    こう文字で説明されたものを読むより、実際読んだ方が早いと思います。

    ・使い勝手のいい女/水生大海
    主人公の葉月はホームセンターに勤める料理好き。ある日こっぴどく自分を振って、友達である加奈と結婚した男・智哉が訪ねてくる。好き勝手して自分を振り回す智哉にうんざりする葉月。
    シーンが切り替わる。冒頭のシーンからしばらく時間が経っている。葉月の元にまた客が来る。来たのはなんと、智哉の妻・加奈。智哉は加奈と喧嘩して行方不明だという。加奈は葉月の部屋に居座ろうとするが、葉月はどこかそわそわ。風呂場に行こうとする加奈を阻止する。
    読んでいると、「もしかして葉月は智哉を殺して、風呂場に遺体を隠しているんじゃ……」と思えてくる。
    しかし実は、風呂場に隠していたのは実家から送られてきたマグロ。
    加奈は解体中の魚を見ると卒倒する。葉月がそわそわしていたのはそのせい。
    加奈を泊めた翌朝、警察が訪ねてきて、智哉が死んだことを知らされる。死亡推定時刻、加奈は葉月と一緒にいて無関係と思われたが、加奈はアリバイ作りのために葉月を利用していた。
    どこまでも都合よく使われる葉月。

  • ダ・ヴィンチ2014年3月号、小説推理2017年5、6、7月号に掲載の6つの短編を2017年12月双葉文庫から刊行。アンソロジーシリーズ3作目。多彩などんでん返しが楽しめました。数編は、読み返して、堪能しました。

  • 【収録作品】「密室龍宮城」 青柳碧人/「居場所」 天祢涼/「事件をめぐる三つの対話」 大山誠一郎/「夜半のちぎり」 岡崎琢磨/「筋肉事件/四人目の」 似鳥鶏/「使い勝手のいい女」 水生大海

  • 浦島太郎が竜宮城に来てみれば、待つのは密室殺人? 包丁研ぎが巧みな女のもとに昔の男が訪れ、2人の関係は一転し…。切れ味抜群などんでん返しのミステリー6編を収録。

    「どんでん返し」はシリーズものだった。シリーズの1,2は有名作家が名を連ねていたけれど、本作は無名…というか私の知らない作家ばかり。道理で魅力に乏しかった。
    (Ⅾ)

  • 「どんでん返し」がテーマのアンソロジー。第三弾。タイトルに「新鮮」と付いているのは、執筆陣が新鋭作家中心だからという事らしい。
    大山誠一郎さんに注目していたが、期待を裏切らない面白さだった。会話体だけで出来ている作品だけど、どんでん返しで、尚且つフーダニット。その手口は鮮やかの一言で、これが文句無くベスト。
    次点は似鳥鶏さんの作品。前例のあるアイデアだが、書こうと思って書ける物でも無い。感心した。
    他の4編もまずまずだった。第四弾は女流作家括りで出して欲しいな。

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著者プロフィール

1980年、千葉県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。早稲田大学クイズ研究会OB。『浜村渚の計算ノート』で第3回「講談社Birth」小説部門を受賞しデビュー。

「2019年 『浜村渚の計算ノート(2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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