我が心の底の光 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575520972

感想・レビュー・書評

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  • めちゃくちゃ辛かった。
    苦しかった。
    明かされるまで、一体何が目的の復讐なのか分からなかった。
    タイトルにある、心の底の光も、怜菜のことだと思ってた。
    子供心に大切にしていたもの。
    救って癒してくれたもの。
    その復讐のために生きていくというのは、苦しいけれど、生きがいにはなる。生きる目的があるのは強い。
    結末は明るくはないと思っていたが、こうも残念とは。でも目的が達成できたから、いいのかな。
    慎司への思いも意外だった。
    でも、良かった。

    子どもを大切にしなきゃと改めて思った。
    不幸な子を生み出すのは、とにかく親だ。

    颯太、好きだったなあ。

  • なんと!!!
    衝撃のラスト・・・

    トラスケのくだりがとってもトラウマになる。読んだ後、夜眠れなかった・・・
    人間のエゴであんな目に合うなんて。
    言ってしまえば、主人公のエゴも入っている。
    責任感もなく連れて行ったことであんな目に。
    までも5歳だから、やっぱ周りの責任が大きいな。

    小説でなければ続いていくはずの、様々な「これから」を思うと・・・
    どうするのが正解とかわからないな。

    トラスケのことが衝撃的すぎるし、忘れられない作品になりそう。

  • 十四歳から二十九歳までの晄の行動。十四歳までの出来事。最後まで心にあったのは、本当にささやかな小さな光。
    そんなに小さなものでも生きるよすがになるのか……。
    そんなささやかなものしか手元になかったのか……。
    もっと……別の生き方が………

  • 最後までダークな展開が続きますが、スピード感があってサクサク読み進めることが出来ました。
    普通の人生が分からなくなってしまった主人公が生きる指針とするもの、その正体は確かに衝撃的でしたが、一方で納得感もありました。
    中弛みせず読める・主人公が暗め・人生について考えさせられる、という作品が好きな人にはオススメです。

    個人的には、話の中盤である登場人物が主人公に言った「笑わない人は誰にも助けてもらっていない人」というセリフが印象的でした。それは、まるでこのセリフが自分に言われているような気がしてしまったからです。私自身、年齢を重ねるに連れて人を頼るのが下手になっていると実感します。どうしても意地を張ってしまったり、他人に迷惑を掛ける訳にはいかないから自分で頑張らなければ!と気負ってしまいます。もしかすると、自分も助けられることが出来ず、笑っていないのかもしれないと気付かされるようなセリフであり、このセリフを言われた主人公と自分が少し重なるように思えました。少し都合がいいかもしれないですが、たまには笑って助けてもらうことを大切にしたいと思います。

著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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