犯人に告ぐ(2)(下) 闇の蜃気楼 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575521092

作品紹介・あらすじ

身代金受け渡しの日時を目前に控え、捜査を指揮する神奈川県警の巻島は、被害者家族と警察の間に言いしれぬ溝を感じ取っていた。被害者家族の協力のもと捜査態勢を敷く神奈川県警だったが、それを嘲笑うかのように裏では犯人側の真の計画が進行していた――。姿の見えない犯人を追う警察、巧妙な罠を張り巡らす犯人グループ、子どもの命を救うため葛藤し続ける被害者家族。三者は互いに牽制し合い、前代未聞の攻防を繰り広げる。そして迎える結末とは!? ミリオンセラーを記録した警察小説の金字塔、渾身のシリーズ第二弾!

感想・レビュー・書評

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  • 騙し合いの構造。落とす場面が印象的でした。思わず犯罪者側の味方になってしまいそうです。

  • タイトルは前作のような公開型捜査を思わせるが、今回は誘拐事件の捜査で非公開。主人公は巻島刑事なんだろうが、犯人や誘拐被害者の目線からも書かれていて面白い。続編を期待させるエンディング。小石亜由美刑事、お手柄でした。

  • 前作も良かったけれど今回もすごく好きな展開だったなー。読み終わりたくなかったけど結末が気になって読んでしまったよ……。

    前半で犯人に感情移入しちゃったけど、後半になると巻島さんの強い思いも出てきて、やっぱり犯人は捕まえないとな!っていう気分になる。

    読んでいて感情が翻弄されるこの感じがたまらなく好き。それだけ登場人物に一貫性があって魅力的ってことなんだろうなと思う。「どうしよう」が口癖の子も好きだったなー。次のシリーズも楽しみ!

  • 良心と自分の気持ちと…
    子どもは無事に返してほしい、
    でも犯人の言うままで良いのか…勝俊の葛藤。

    持っている者と、持っていない者…
    私も持っていない側の人間だから
    怖いし、ダメだってわかっているし、
    絶対自分ではやらないけれど…

    犯罪は絶対ダメだし、
    罪のない子どもが巻き込まれることには
    強い抵抗があります。

    ただ、二人の兄弟の気持ちが全くわらない訳じゃない。
    だから、完全に包囲されて逃げ場もなくて、
    弟は負傷しているし、淡野は助けに来ない、
    まさに詰んでいる状況で、
    最後まで考えて考えて足掻く知樹を見て、
    何とも言えない悲しい気持ちになりました。
    同時にほっとしました。

    周りの友達は名の知れた企業に就職して、
    誰が勝ち組か冗談交じりに自慢し合い、
    就職に失敗して、バーで働き、詐欺に手を染め、
    そこから抜け出したい、
    一矢報いたいという知樹の気持ちが切なかったです。

    最後までするりと逃げ切った淡野。
    次作は淡野を捕まえるために巻島が動くようです。
    はやく文庫になってくれないかなあ。苦笑
    文庫になるまで待てない…かもしれないです。苦笑

  • 前半は少々間延びした展開だったが、後半は一気に動いた内容に読了まで一息に読み進めた。

    1作目と違い犯人側にもスポットが当たりストーリーに深みが増した。また、次作を期待させる終わり方にもしっかりと読者を掴んで離さないといった作家のテクニックを感じて好印象。

    捕る側も逃げる側もどちら側も人生を賭けた闘い、読み応えも充分。前半の間延びしたとさえ感じたスローな展開もこの結末の為か?と納得出来た。
    面白かったです。ありがとうごさいました。

  • 面白かったけど前作のインパクトが強すぎた気がします。
    続編じゃ無い方が面白いと自分は思いました。
    次の続編のためかな。

  • 両親の突然の死にも関わらず、なんとか大学生活を送り、内定を得た知樹は、企業の業績悪化から内定辞退(実質の取り消し)により、負のスパイラルに...。振り込め詐欺の実態や警察の内部事情などは、ちょっとありきたりかなぁ。前作と違い、最後の最後まで犯人に告げない展開。次作があるとしたらリップマンとの闘いとなるのでしょうね。あぁ、もう3は出てたのね…。

  • 1作目の方はWOWOWで先行放送やってて、番宣が物凄く面白そうで、期待して見た記憶が。でも、期待しすぎたあまり、あんまりに思ってしまった。

    2作目は、小説で読んでみた。

    トヨエツさんが頭の中にいるので、そのイメージが強かったかな。

    物語としては、振り込め詐欺の話から、誘拐ビジネスの話へ。
    悪いことではあるけれど、なかなかに発想が面白かった。

    もっとこう、巻島さんの活躍があるかと思ったけど、そうでもなくて、犯罪者側の方がよく描かれていたような。
    少し応援している自分もいたり。

    まだ、シリーズは続いているようなので、また読もうかな。

  • 面白かった!
    「犯人に告ぐ」第二弾!
    前作は心理戦、本作は知能戦というところでしょうか
    しかし、下巻の終わり方が納得いかないので、★1個マイナス(笑)
    ちょっとそれは無いよなぁ...

    そして、下巻です
    身代金の取引は失敗。
    しかし、実は本当の計画はそこから!!
    こういうのはいいですね。
    ここから始まる本当の騙し合いといった展開で、さらに犯人側の仕掛けが入ってきます。

    振り込め詐欺で培った?騙しのテクニックを駆使して、身代金を獲得できるのか?
    生き詰まる巻島達と犯人達の攻防です。
    そして、ラスト!!

    しかし、これがとっても残念(笑)
    なんで、そんな展開になっちゃうかなぁ...お粗末(笑)
    かなりご都合主義的な展開!
    何よりも、これ、第三弾が出ないとだめじゃん!!ずるい!

    ということで、第三弾を待ちましょう!

  • 雫井脩介『犯人に告ぐ(2)(下) 闇の蜃気楼』双葉文庫。

    下巻。しつこいくらいに前作を引き摺りながらも、前作との関連性は薄い。振り込め詐欺の実行犯が誘拐犯として、前作でバットマン事件の犯人と対峙した刑事と対決するというストーリー。新鮮さも無く、驚きも無い。

    はっきり言って、期待外れ。最後は久し振りの斜め読み。

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著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。専修大学文学部卒。2000年、第4回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作『栄光一途』で小説家デビュー。04年に刊行した『犯人に告ぐ』で第7回大藪春彦賞を受賞。他の作品に、『火の粉』『クローズド・ノート』『ビター・ブラッド』『殺気!』『つばさものがたり』『銀色の絆』『途中の一歩』『仮面同窓会』『検察側の罪人』『引き抜き屋1 鹿子小穂の冒険』『引き抜き屋2 鹿子小穂の帰還』『犯人に告ぐ2 闇の蜃気楼』『犯人に告ぐ3 紅の影』『望み』などがある。

「2021年 『霧をはらう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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