また、同じ夢を見ていた (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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レビュー : 178
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575521252

作品紹介・あらすじ

250万部を超える大ベストセラー青春小説「君の膵臓をたべたい」。その著者、住野よるの第二作目が、待望の文庫化。友達のいない少女、リストカットを繰り返す女子高生、アバズレと罵られる女性、一人静かに余生をおくる老女。彼女たちの“幸せ”は、どこにあるのか。「やり直したい」ことがある、“今”がうまくいかない全ての人たちに贈る物語。

感想・レビュー・書評

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  • この本は、住野よる先生があなたのためだけに描いた特別な『クリスマス・キャロル』。
    もちろん、ディケンズが書いたような意地悪な守銭奴のスクルージも3人の怖いゴーストも出てこないから安心して。

    ここに出てくるのは、3人のあなた。
    あなたは、尻尾のちょっと短い黒い猫に導かれて、別の姿をしたあなたに出会う物語。
    それは子供だったり、大人だったり、老人だったり。

    そう。これは全部、あなたの姿。
    それぞれのあなたは、それぞれの悩みを持っていて、それぞれ選んできた道を後悔しているの。

    今のあなたも、悩みを持っているはず。
    そして、自分の選ぶべき道を迷っている。

    あなたは、今の姿とは違う別の姿をしたあなたと出会って、あなたは必ずこう思うはず

       あの時、ああすれば良かった・・・

    と。

    残念だけれど過去を変えることはできない。

    でも、未来を変えることはできるのよ。
    自分自身を変えることによって。

    遅すぎることなんて絶対にないの。

    この本は、住野よる先生があなたのためだけに描いた特別な『クリスマス・キャロル』。

    ほら、あなたにも見えるでしょ。
    あなたを迎えに来た尻尾のちょっと短い黒い猫の姿が。

  • 人生とは、
    幸せとは、
    そういったことを考えさせられるお話でした。

    主人公の奈ノ花は、
    「人生とは、〜〜〜なものね。」
    と他のもので人生を例え、謎かけのような口調が特徴的でした。謎かけをしながら本当の人生の意味を探していく物語なのかな、とも思います。

    そのような「人生とは〜」から始まる謎かけは、私がざっと数えるだけでも26箇所ありました。もしかしたらもっとあるかも。奈ノ花以外の登場人物も「人生とは〜」を使う場面がありますが、1人1回か多くて2回ほどしか使っていなかったと思います。
    1人目は20代くらいの女性「アバズレさん」
    2人目は高校生の「南さん」
    3人目は「おばあちゃん」
    この3人が奈ノ花に伝える「人生とは」は、
    なかなか考えさせられるものがありました。

    以前、住野よるさんの『君の膵臓をたべたい』を読んで号泣したことがあるので「今回は泣かないぞ」と気を張っていたのですが何度か泣いてしまいました。

    人生とは何か、幸せとは何か、
    人間関係につまずいたり、夢を諦めそうになったり、何かに挫けそうになってしまった時、助けになってくれるような本でした。


    話の感想とは関係ないけど、
    本の著者紹介欄に「パピコが大好き。」と書いてあって、実際にこの本の中にもパピコがでてきていて、
    かわいいなと思いました。

  • アバズレさんが奈ノ花の名を呼ぶ場面、おばあちゃんが、きっと今日で最後だからとつぶやく場面。南さんも含めて、友達のいない奈ノ花に親しく接してくれた人々、そんな人たちがいなくなるそれぞれの最後の場面。本当なら、寂しいから悲しいから涙が出るはずなのに自分の中からこみ上げてくるのは、良かったね、という感情からくる暖かい涙。自分の心の内まで暖かいものに満たされてゆく瞬間、それによって自然とわきあがってくるような涙。悲しい時の涙は冷たく感じますが、嬉しい時の涙はあったかいです。

    初めて読んだ後に感想が書けなかったのがこの作品でした。読んだ後の自分の気持ちを言い表す言葉がどうしても見つからなかったから。でも何かとても幸せな気持ちになったことだけは良く覚えていて、いつか自分が辛い立場に置かれた時にまた読もう、でもそんな日は来て欲しくないね、と思っていましたが、今回二度目を読むことになりました。

    この本は悲しみ苦しみを直接に慰めてはくれませんし、人によって幸せの形はそもそも異なります。そうではなく、この本は、奈ノ花の幸せとは何かを問う姿を通して、同時に読んだ人の心の内にも同じ問いかけをしてくれるのです。

    「まるで、自分に訊かれているみたい。あなたは今、幸せなのかって。」その問いに答える時、言葉にはやはり上手く出来ないけど、明日の朝見える景色は多分違っているだろうなという気がしています。

    また、自身に迷った時に読み返したいと思います。
    「また、同じ夢を見ていた」、出会えて良かった。

  • 子どもながらの視点で、大半を表現していて、大人になってからは、このような考え方は、束縛されて、出来なくなっているというものを表現するところが、とても趣があると思った。
    幸せとは何かをとても考えさせられる作品で、その年齢ごとに、それの意味が違っていて、それもまた、共感できる部分であった。
    また、最後の展開は、物語の謎を解明する形で、一つ一つを明かしていき、とても面白かった。
    また、住野よるさんの作品を読みたくなった

  • 主人公の言葉遣いが好きで読んでいてとても楽しくなりました。
    幸せとは。これは昔からいろんな人に議論されてきたものだと思います。なっちゃんがどういう結論を出したのか気になりますがやはり幸せとはこういうものだと決められたくない気持ちもあり最終的にその内容が顕にされなかったのでほっとしました。
    タイトルである『また同じ夢を見ていた』の意味がなかなか分からずなにか手がかりは無いものかと探しながら読んでいましたが最後に全て明らかにされてすっきりです。南さんやアバズレさん、おばあちゃん達がどういう関係であるかは読者の想像に委ねられていて大抵はなっちゃんの別の人生を歩んだ姿であると予想されそうですがまた別の設定があると考えてみるのも面白いです。
    素敵な本をありがとうございました。

  • 君の膵臓を食べたいよりも好きかも。
    表現の一つ一つが本当に心にすっと入ってくる。
    面白かった。

  • みんな、時には辛い思いをするのではないでしょうか。小さい頃から、今に至るまで。痛いほどの健気さと勇気。読んでる時に少し涙が。こんな経験、なかなかない。

  • 幼いながら賢い女の子、歪んだ世の中の見え方、それが導く様々な顛末。とにかく綺麗な綺麗な物語だった。

  • あなたにとって「幸せ」とは?

    私。小柳奈ノ花。自分で言うのもなんなんだけどかしこい小学生なの。
    大好きなひとみ先生はクラスの皆に宿題を出したわ。
    あなたにとって「幸せ」とは?
    その答えをクラスの友だちとペアになって探すというもの。
    私には友だちがいないの。まぁ普通に話す人はクラスに2人ほどいるわ。
    絵を書く事が好きな桐生くんと本の話をする萩原くん。
    ある日、スーパーで万引きをして捕まったのが桐生くんのお父さんということがクラスに広まり、桐生くんは学校に来なくなってしまった。私はバカなガキ大将から桐生くんをかばったせいでクラスから無視されるようになったわ。もちろん萩原くんからも……まぁ、あんなバカだ連中とは付き合わなくてもいいんだけれど桐生くんが学校に来なくなったのは自分のせいかもしれない。桐生くんを家に迎えにいくんだけれど。なかなか一筋縄ではいかないわね。
    あ、あと学校の外では「南さん」と「アバズレさん」と「おばあちゃん」と死にそうな所を助けてあげた尻尾の短い猫が私の大切な友だち。
    でも、南さんもアバズレさんも私と話すうちにびっくりしていなくなってしまったの。最終的にはおばあちゃんも猫も……
    なんとか桐生くんは学校に行くようになり宿題をだされていた「幸せ」について発表する事になったわ。珍しく緊張した私をほっとさせてくれたのは隣の桐生くんだったの。落ち着いたわたしは「幸せ」について発表する事に。

    いやいやいや、すごく面白かった。
    読み終わるのがもったいないと思った本は初めてでした。
    主人公、小柳奈ノ花(小学生)の語り口調で初めから最後まで続きます。
    最初はとっつきにくかったけれど南さん、アバズレさん、おばあちゃんってもしかして……と思い始めてからのめり込みました。
    おそらくこれも映像化になる事間違いないと思います。(アニメかな?)
    自分的には「君の膵臓を食べたい」よりもこちらの方が面白かったです。
    大人から子どもまで読めるオススメの本です「まる」

  • 言葉の言い回しや表現の仕方がすごく好きで
    何回でも読みたくなる☺️

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著者プロフィール

住野 よる(すみの よる)
高校時代より執筆活動を行っていた。2014年2月ごろ夜野やすみ名義で、様々な賞に落ちてしまった小説「君の膵臓をたべたい」を広く世で読まれてほしいという願いから小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿。同作が話題となり、2015年6月双葉社から書籍化されデビュー。同作が「本屋大賞」2016第2位、「読書メーター読みたい本ランキング」1位、「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2015」1位と高く評価され、売上面でも「2016年年間ベストセラー」総合5位、文芸書1位(トーハン調べ)、「2016年 年間ベストセラー」総合4位・単行本フィクション1位(日販調べ)となり、累計発行部数200万部を突破した。実写版映画が2017年7月28日公開、アニメ映画が2018年公開。
その他作品に、『また、同じ夢を見ていた』『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』がある。

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