きらきら眼鏡 (双葉文庫)

  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575521290

作品紹介・あらすじ

映画化決定! 2018年9月より、全国順次公開。最後の1ページまで切ない――人生の岐路に立つ若者の、ひたむきな恋と決断の物語。愛猫を亡くしたばかりの立花明海は古本屋で自己啓発本を買った。中には「大滝あかね」と書かれた名刺が挟まっていて、自分がもっとも心を打たれたフレーズには傍線が。明海は思い切ってあかねにメールしてみるが……。

感想・レビュー・書評

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  • きらきら眼鏡  というタイトルできっと
    優しい色の物語だろうなぁと思い読みはじめました。

    読後感は凄く良かったです!
    明海さん、あかねさん、祐二さん、弥生さん、
    みんな一生懸命頑張っていて、相手を思い遣る
    言葉が素敵なのに、自分の言葉に傷ついて、
    自分の想いに傷ついて、それでも大切な人を
    懸命に思い遣ること、、、
    そういう事を経験しながら沢山傷ついて
    沢山優しくなっていく物語の人達が大好きです。
    凄く悲しいのに泣けない、
    まわりの人達は沢山泣いているのを自分は
    その様子を俯瞰しているような感じでいる。
    そういう時って辛すぎて辛さを感じられない

    きらきら眼鏡、、、、、
    何も無い坦々とした日々を
    穏やかな日々に感じ
    過不足が無いことをそれだけで奇跡と思える

    物語を読み進めていく中で私自身の出来事と
    物語の出来事とが混ざり合って、
    私がどうしたか、しなかったかを思いながらの
    時間でした。

    クローバーの花言葉をきらきら眼鏡で読めて
    本当に嬉しかったです。
    本当に良かったです!

  • 「はじめて会った気がしない」→「必然」
    この人とは出会うべくして出会ったにかわる。
    不思議な縁で出会った明海とあかね。

    この世のすべての「出会い」はいつだって「別れ」とセット売り

    「人ってさ、誰かを愛したいんじゃなくて、やっぱり愛し合いたいんだよ」

    本書には心にささる言葉が、まだまだちりばめられている。
    ケラさんや岬カフェのママの出演も嬉しい。
    夕方の描写、そしてBGM、もちろん風鈴も「凛」となり「ざわざわ、ざわざわ」した状況を和ませてくれる。
    とても優しい作品だった。



  • 立花明海、25歳は西船橋駅前の古書店で古本『死を輝かせる生き方』を100円で買ったことから、その本の前の持ち主の大滝あかね、30歳に出会います。

    明海とあかねは出会った日から話が弾み、再び会って休日を一緒に過ごします。明海とあかねは、いろいろな話をしていくうちに急接近して、明海はあかねに好意を持ちますが、あかねには入院中で余命の少ない恋人の裕二がいることがわかります。

    私は最初、あかねはずるくないかと思ってしまいました。
    あかねの方から明海をデートに誘い、ずっと明海が勘違いするような行動をとって最後に恋人のことを告げるなんてと。
    あかねは追い詰められた状況にいたのはわかるけれど、鈍くないかと思いました。
    わざとやっていたら相当なものだと思いました。

    でも、読んでいくうちに作者の森沢さんの筆致がすばらしく、私の読み違いだったということがわかりました。
    余命の少ない恋人の裕二さんと、あかねと明海の三人のやりとりは嫌味がなく読ませました。

    難しいテーマの作品をあたたかい作品に描き上げた森沢さんの筆力はすごいと思いました。

    最後にあかねが『死を輝かせる生き方』にラインを引いた箇所の<自分の人生を愛せないと嘆くなら、愛せるように自分が生きるしかない>が響きました。

    裕二があかねに贈ったこの本は三人を結び付け、新しい未来に向かえるようにしてくれた縁を結ぶ絆の本でした。

  • 今からかなり大事なことを言いますのでちょっと静かにしてもらっていいですか?

    …はいじゃあ言います
    「森沢作品は順番に読んだ方がお得!」

    はいご一緒に
    「森沢作品は順番に読んだ方がお得!」

    はい拍手!

    自分はもう完全に手遅れなので、これから森沢明夫さんの作品を読んでみようかなとか、まだ2,3冊しか読んでないという方は是非そうしてください

    森沢作品はうっすら繋がっているので、分かっていると「ニヤリ」とするポイントがたくさんあってお得です
    うっすらなので読まないと意味が通じないってほどじゃないんですけどか家計を預かる主婦(主夫)ならやっぱりお得なほうが…ええやん

    さて本作『きらきら眼鏡』はそんなお得感満載の作品で切ない純愛物語です

    森沢明夫さんの作品はスローペースと(やや)ハイペースの作品があると以前から思っているんですが、これはとてもとても時間がゆっくり進んでいると感じるんですが気がつくとけっこう読み進めているという不思議な作品
    なんでしょうね?この森沢マジック
    ゆっくりなのに読みやすい

    さあ今日から自分もきらきら眼鏡をかけよう!
    そんな風に思えた夏の日の朝

    • ひまわりめろんさん
      うん、分かるぞ
      すごくよく分かるぞ

      ただそれでも次に続く者たちのために声をあげ続けなければならないのだよ!
      せめてこの老兵たちの屍を意味の...
      うん、分かるぞ
      すごくよく分かるぞ

      ただそれでも次に続く者たちのために声をあげ続けなければならないのだよ!
      せめてこの老兵たちの屍を意味のあるものにしようではないか!
      (何を言うとんねん)
      2022/07/29
    • みんみんさん
      老兵死す!
      カッコいい( ̄+ー ̄)

      「火影ってのは痛ェーのガマンして、皆の前を歩いてる奴のことだ。だから、仲間の死体を跨ぐようなことは決し...
      老兵死す!
      カッコいい( ̄+ー ̄)

      「火影ってのは痛ェーのガマンして、皆の前を歩いてる奴のことだ。だから、仲間の死体を跨ぐようなことは決してねェ!」だってばよ‼︎
      2022/07/29
    • ひまわりめろんさん
      ここでNARUTOが出てくるセンス!

      好き
      ここでNARUTOが出てくるセンス!

      好き
      2022/07/30
  • 出会いと別れは1セット。他の作品の人物やお店も出てきていい感じ。今回も、良い鈴の音が“凛“と鳴ってました。

  • 不器用な正直青年を強くした、ふたつの優しい恋のお話でした。15年ぶりにSOTTE BOSSEを聞き返してしまった。そんな曲に、めちゃくちゃ合う温かくて清々しい物語。

  • 愛猫を亡くした立花明海が、古本屋で手にした1冊の本。
    そこに挟まれていた1枚の名刺が、新たな出会いへとつながる。

    なかなか向き合えない、心の傷を抱えた、明海とあかね。
    そっとその傷に触れようとするまでの流れが、丁寧に描かれていく。

    最後のメッセージのやり取りに、じーんときた。

    舞台である船橋市の描写が妙に細かいなと思っていたら、筆者の出身地のよう。
    地元愛を強く感じる作品でもあった。

  • 登場人物たちの距離感のとり方が素晴らしい…。

    寄り添うけれど踏み込みすぎない感じとか、
    言いたいことはたくさんあるけれど、ちゃんと言葉を選ぶところとか。

    本来、人間関係ってそういう繊細な作業があってこそ、なのかも。

    題材は結構重いのに、温かい気持ちで読める作品。

  • 最初から最後まで、心があったかく、時々「ざわざわ」して、でもまたすぐあったかくなって、幸せな気持ちで読めた本でした。


  • ブクログ高評価だが、そもそもきらきら眼鏡って何だ?と思って読み始めた。

    きらきら眼鏡の正体は
    あかねの言葉を引用すると「視界に入ったものすべてを、きらきら輝いたものにしてくれる眼鏡」

    余命宣告を受けている裕二さんという恋人がいるあかね
    そのあかねに惹かれる主人公の立花明海
    明海に片想いする職場の素敵な先輩弥生
    更にジム通い中の優しい上司ケラさんも登場!
    更にさらに、同作者著の『大事なことほど小声でささやく』のゴンママも友情出演?笑
    (森沢明夫さんファンにはたまらん)

    登場人物がそれぞれに相手のことを労り思いやり言葉を選んで伝える様子が、何とも不器用ながら愛おしくて少しもどかしい。

    自分が明海、あかね、裕二の各々の立場だったらどう行動するだろうなぁと考えながら読むと、死生観がよりリアルに感じられ、言葉一つ一つを取りこぼさないように丁寧に読み進めた。

    ただラストで、あかねから明海に向けたコカコーラのボトルメッセージは、個人的には少し物足りなかった。
    やはり、あかね自身の言葉で記して欲しかった。

    まずは、私も意識して何気ない日常に、少しずつきらきら眼鏡をかけてみよう!と思った。



    以下、心に響いたフレーズを幾つか…

    「時間は命とほとんど同義」

    「生きていることも奇跡で、生きている間に出会える人も、偶然=然るべくして出会う人 つまりは必然なのかもしれない。」※一部中略

    「人生の価値を決めるのは、その人に起こった事象ではなくて、その人が抱いた感情なのだ。」

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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