自画像 (双葉文庫)

  • 双葉社
3.30
  • (6)
  • (17)
  • (22)
  • (10)
  • (1)
本棚登録 : 273
感想 : 19
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575521382

作品紹介・あらすじ

男子が作った女子ランキング。あの子よりも、私は上だった――。美醜のジャッジに心を弄られ、自意識が衝突しあう教室。そこではある少女に対し、卑劣な方法で「魂の殺人」がなされていた。のちに運命を束ねたかつての少女たちは、ひそかに自分たちの「裁き」を実行してゆく。その先に、果たして出口はあるのか。静かな祈りのような希望が滲むラストに、胸がうち震える。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 初めましての作者さん。
    「心をえぐる衝撃」と煽り帯だが、どうせ言うほど衝撃でもないんでしょ?と思いつつ、結局気になって選んでしまった。

    不思議な書き出しから始まっていきなり面食らう。
    その後も淡々と話が進むのだが、妙に引き込まれてぐい読み。
    急展開があってからは、なんとも言えん感情で読み終えた。

    いつも通り帯がハードルを上げたが、これは確かに衝撃だ。
    人によっては読まない方がいいかも。
    面白いという言葉が不適切になる気もする。

    詳細に描かれていない部分もあるので、スッキリしないけど、終わり方はこれでいいと思う。
    そうでないと救われない。
    やめたからには、幸せな未来を掴んでほしいもんです。
    なかなか感想が難しい作品でした。

    有意義な読書タイムをありがとうございました
    この読後感を噛み締めつつ

    腐った人間、絶滅しないかなぁ。

  • ストーリーは、ある女性が自分の婚約者に学生時代のことを語りだすところから始まります。
    そこで語られるのは、生々しいスクールカーストに伴ういじめや暴言、醜い少女たちへの見下し、容姿へのコンプレックスなど。それだけでも心がいっぱいになりそうなくらい辛いのに、さらに性犯罪の話も絡んできて、胸が潰れそうなくらい苦しくなります。多感な少年・少女には、大人とは違う社会と苦しさがある。自分の学生時代を思い出してもそう思います。

    そんな痛みを伴う小説ですが、本当につらい思いをしてきた人にとっては救いのあるラストかもしれません。

  • 書き出しからよくわからない。でもそういうのは結構好みだ。
    一方通行だと思いきや最後の方で立体化されていくような構成はすごいと思った。
    はっきりとした主人公を作らないのもこの小説のテーマであり、魅力なんじゃないかと思う。

  • 心情描写がリアルだし共感部分も多いけど内容詰め込みすぎて疲れる

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 単なるスクールカーストではなく、中学生や思春期特有の承認欲求や自意識の強さをぎゅっと凝縮させてた特濃ジュースのような描写に感嘆。
    清子がいった学校は教師も生徒も底意地悪すぎて過激と思うけど、たしかに似たような感情というのは自分の学生時代にもあって恥ずかしく苦々しい読み心地だった。
    私は女子校だったけどそれでも外見からくるカーストというものはたしかに感じていた。そしてそれは、上にいる人には空気のようなもので、下から見ないと心に残らないものだと思う。
    後半4分の1くらいで急展開するけど、少しその過程への描写が粗くて感情移入はできなかった。でも、どんなに正論だとしても「された側」じゃない人にはわからない理屈というか、理解はできてもわかるわけないものがあるんだなというのは胸に刺さった。
    端々に心当たりがあって黒歴史をいろいろ思い出させられたから読み返したくはないけど、あの頃を黒歴史という言葉で消化できる私は幸せなのかなと思う。

  • 女の子って面倒くさい
    中学生の時は特にそうだった。
    清子が婚約者に、学生時代の話を淡々と始める。
    その話は暗く、辛い。
    なぜ、こんな話を淡々と聞かせるのか?
    男子が始めた女子のランキング清子
    そんなことでスクールカーストは作られていく。
    中学生入学に合わせ、清子以外誰にも気付かれず
    整形をしてスクールカーストの上位にいる琴美。
    ニキビのひどい顔でカースト下位にいる清子。
    さらにひどいニキビの陽子。
    その後の三人はどうなっていくのか…

  • 女子の心境描写が本当にうまい。

  • 裁きを下すまでの中学時代の遡りが長すぎるように感じた。
    田端清子と裁く婚約者の出会いを偶然にする必要も無い。
    自らが裁きを行うところを重要な局面として置いてるにしては他をピックアップしすぎてるかな。

  • 前半の主人公嫌いだし文章が読みづらかったけど、引き込まれてほぼ一気読みしてしまった。理解はできるけど、私はあまり当てはまらなくていい学校だったのかなと思うし、それだけ無自覚無頓着だったのかなと思う。
    人の心について考えさせられる。

全19件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』で小説家としてデビュー。その他の著書に『彼女のしあわせ』『憧れの女の子』『不自由な絆』『あの子が欲しい』『自画像』『少女は花の肌をむく』『人生のピース』『さよなら獣』『人間タワー』など多数。

「2021年 『君たちは今が世界』 で使われていた紹介文から引用しています。」

朝比奈あすかの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×