優しい音楽<新装版> (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 548
レビュー : 35
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575522327

作品紹介・あらすじ

混雑した駅中、彼女は驚いた様子でまっすぐ僕の方へ歩いてきた。それが僕たちの出逢いであり、恋人同士になるきっかけだった。でも、心も身体もすっかり馴染みきったある日、唐突に知ってしまう。彼女が僕に近づいた理由を――。(表題作「優しい音楽」)ちょっと不思議な交流が生みだす、温かな心の触れ合いを描いた作品集。

感想・レビュー・書評

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  • 奥さんから借りて読む。
    「そしてバトンは渡された」の優しさが印象的な瀬尾まいこさんの短編集。

    優しい音楽 評価5

    いい話。美しくて優しくて泣けてくる。
    千波が死んだ兄に似ているという理由で感じていた親近感を特別な感情と勘違いしたタケル。そんな勘違いがもとで付き合いだすふたり。
    さらに別の勘違いから、タケルは必死に練習してフルートを吹けるようになり、優しい音楽を奏でて、千波と千波の両親を幸せな気分にする。

    人を幸せにするきっかけは美しい勘違いである、という物語。

    タイムラグ 評価4

    不倫相手の娘を不倫相手の夫婦旅行の間預かる、という世にも恐ろしい話。

    ありえない設定なのだが、これも美しい話に発展させてしまう。女性のたくましさと題名のタイムラグに含まれた強かさに舌を巻く。
    なんだか、敵わない。

    がらくた効果 評価4

    何事も捉えようだ、ということ。


    池上冬樹さんが解説で、「瀬尾まいこの魅力のひとつは、書き出しだろう」と述べていて、なるほどなぁ、と思った。

    読みはじめからグイッと心を掴まれて、優しさの世界の中に引き込まれていく。

  • 三編の短編はひとことで言うとどれも温か、ほんわか。

    改めて瀬尾さんはどんな関係、設定でもそれをまるごとまるっと優しさで包みながら紡いでいくのが巧みな作家さんだと思う。

    優しい愛に包まれ新しい愛が生まれる瞬間も、心がどんどん優しく変化していく瞬間も良い。
    あり得ない設定、交流からもたらされるそれぞれの新しい一歩もまた良い。
    涙がでるほどではない。でも読み進めるうちにしっかり心の中心に優しさが降り積もり、じんわり温かさがひろがり、最後はほんわかする。そんな素敵な作品だった。

    ブクログさん、ありがとうございました♪

    • けいたんさん
      こんばんは(^-^)/

      瀬尾さん続いてるね♪
      この作品は読んでないなぁ。
      タイトルからして優しさが溢れているね〜

      私、つい...
      こんばんは(^-^)/

      瀬尾さん続いてるね♪
      この作品は読んでないなぁ。
      タイトルからして優しさが溢れているね〜

      私、ついに「Blue」が届いて読んでいるよ!
      面白くて私にしてはスピーディ。
      図書館からもう1冊一緒に届いて焦っているわ(*≧艸≦)
      2019/07/09
    • くるたんさん
      けいたん♪

      そう、これ、ブクログ献本で応募したら送ってくれたのよ♪
      サイン入ってた♡

      これもホッと一息できる優しい作品だったよ♪

      Bl...
      けいたん♪

      そう、これ、ブクログ献本で応募したら送ってくれたのよ♪
      サイン入ってた♡

      これもホッと一息できる優しい作品だったよ♪

      Blue楽しんでるなんてうれしい♡
      平成を懐かしめるのも良いよね♪
      2019/07/09
  • どの話も、現実離れしていて、突拍子がない感じがします。でも、読み終わった後は、とても心温まるお話ばかりです。

  • 瀬尾さんの本に出てくる食事のシーンはほんとに素敵だ。
    最後の短編を読んだ後はついついお寿司を食べに行こうとしてしまった。

    解説に書いてある通りで、この短編集はどれも掴みがうまい。え?どういうこと?って思ってる間に、物語の世界に引き込まれる。
    全体的に、主人公はとてもまっとうな人で、一番近くにいる人が、ちょっと変わった人、みたいな構成になる。
    でもちょっと変わった人は、ただ芯があって自分がある人で、とてもまっすぐな人であることが多い。ただちょっと偏ってるだけ。で、主人公も、とてもまっとうなんだけど、まっとうすぎて、ちょっと変わった人のことも理解できちゃったりするんだよね。結局主人公も変な人じゃん!って思うんだけど、振り返ってみれば自分だって、誰だってそう。
    一番近くにいる人との空気感て、互いに許しあってるから、周りには理解されないこともある。というか理解を必要としない。
    だから、誰かとの関係性を、社会の中で見るんじゃなくて、その限られた関係性の中だけでみれば、主観になる人はまっとうな人で、相手はちょっと変わったひとに、誰もがなるんだと思う。
    そんな温かい関係性を描いた3つのお話。

  • すべての話が面白い!あまり遭遇しなさそうな状況をいとも簡単につくってくれる。自分だったらどうするかな、と思いながら楽しんで読めました。

  • ブクログのイベントでサイン入りの本をいただきました。ありがとうございます。
    心温まる3編の短編集です。
    表題作の「優しい音楽」は、主人公の永居タケルが混雑した出勤途中の駅で鈴木千波に見つめられて出会い、そして付き合い始め、千波の家に行ったことで千波がタケルに近づいた理由を知ります。真実を知り、そして、それでも本当の恋人になるお話です。最後に表題の意味を知り、心温かく涙します。
    「タイムラグ」は、27歳のOL深雪が不倫相手の平太の8歳の女の子供を預かるお話です。その女の子の祖父の家を訪問することになり、不倫相手の妻のことが明かされます。
    「がらくた効果」は、章太郎と同棲中のはな子が家に元大学教授で離婚で全てを失いホームレスになった佐々木さんを拾ってくるお話です。
    どのお話も人と人との出会いにより、生活や心に変化をもたらし、人間関係を考えさせられます。
    とても良い本だと思いました。

  • のめり込むほどキャラクターが濃いわけじゃないし、エピソードもものすごくときめくわけじゃない。なのに、スルスルと読み進めて爽やかな読後。こんな人ばかりだったら大変だけど、こんな人ばかりだったら幸せだなって暖かくなれる。なんだ?この作者は、一見「問題」と見えそうな事柄を爽やかに「ネタ扱い」のように視点を変えてしまえる天才か!一見、問題になりそうなことが、すごくキラキラに変わってる。人間には、こんな力があって良い、むしろそんな視点で見ることが出来ないかをこれからの自分の生活で出会う問題を見つめ直すことを忘れずにいたい。そしたら幸せな人が増えそうだ…ってそう感じられた本だった。

  • タイトル通り「優しい」物語たちだった。
    恋人になった彼女の兄にそっくりだった、不倫相手に不倫相手の子どもを預けられた、彼女が見知らぬホームレスのおじさんを拾ってきた、どれもこれもありえないシチュエーションだけど、どの物語もぽかぽかして「優しい」気持ちになれる。
    日常の中に、見逃しがちだけど実は沢山あるぽかぽかする「優しさ」を拾い集めるようなイメージ。

  • 温かな三作品の短編集。
    全体通して登場人物の奇妙な関係性が面白い。瀬尾まいこさんの作品は終わり方がいい。すごく落ち着いて物語が収束する感じが私には好ましく感じる。

    優しい音楽の主人公の立場で考えてしまい作中にいる訳じゃないのに居心地が悪くなったというか…気持ちがモヤッとしてしまい「うーん…」という思い。
    他の二編は楽しめた。特にがらくた効果はクスッと笑える場面があったと思えば考えさせられる場面もありとても良い物語だった。

  • 彼女の唐突な接近により付き合うようになった恋人たちの日々の「優しい音楽」、不倫相手の娘を1泊預かることになったOLの「タイムラグ」、知らないおじさんが同棲カップルの部屋に居候する「がらくた効果」の3編の連作短編集。不安定な形の中に異質な物が加わることで意外な親和性を生むことがある。それが一時的なものにせよ、異物がなくなったあとも不安定に戻らず、安定した心地よさが続く兆しが見える。人と人との結びつきを感じ、爽やかな幸福感が得られる3つの物語。

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著者プロフィール

瀬尾まいこ(せお まいこ)
1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2011年の退職までは、中学校で国語教諭として勤務する傍ら執筆活動を行っていた。2001年『卵の緒』で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、これが翌年単行本デビュー作となる。2005年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞をそれぞれ受賞。これまでに映画化された作品に、代表作『幸福な食卓』、『天国はまだ遠く』『僕らのごはんは明日で待ってる』。『そして、バトンは渡された』は第31回山本周五郎賞候補、2018年「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」1位、「キノベス2019」1位に選出、さらに2019年本屋大賞を受賞。2019年6月13日、『優しい音楽』(新装版)を刊行。

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