警官の目 (双葉文庫)

  • 双葉社
3.42
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本棚登録 : 260
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575522396

作品紹介・あらすじ

豪華執筆陣による警察小説アンソロジー。父親と同じく警察官になった男が、父の起こしたある事件の真相を知る「汚名」(五十嵐貴久)、大好評の萩尾警部補シリーズから「消えたホトケ」(今野敏)、事件解決の端緒に不審な……「裏切りの日」(誉田哲也)、かつてない逃走方法で逃げる犯人を追う「シェパード」(三羽省吾)の4編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 4つの短編のうち、読んで良かったと思うのは今野敏と誉田哲也。
    やはりリアリティが違う。
    誉田哲也の一遍は「背中の蜘蛛」に続くらしい。
    これはこれで楽しみ。

    作品紹介・あらすじ
    豪華執筆陣による警察小説アンソロジー。父親と同じく警察官になった男が、父の起こしたある事件の真相を知る「汚名」(五十嵐貴久)、大好評の萩尾警部補シリーズから「消えたホトケ」(今野敏)、事件解決の端緒に不審な……「裏切りの日」(誉田哲也)、かつてない逃走方法で逃げる犯人を追う「シェパード」(三羽省吾)の4編を収録。

  • 五十嵐貴久、今野敏、誉田哲也、三羽省吾『警官の目』双葉文庫。

    シリーズ第2弾。前作も粒揃いの傑作だっただけに期待が高まる。4人の警察小説の名手による4編収録の警察小説アンソロジー。本作もまた、個性あふれる傑作警察小説が収録されており、非常に面白かった。

    今野敏『消えたホトケ』。萩尾警部補が死体消失トリックを解き明かす。短編の中に警察小説の面白さを凝縮した小気味の良い作品。

    五十嵐貴久『汚名』。警官殺しの汚名を着せられ、退職した元刑事の父親が亡くなり、その息子が父親の汚名を晴らす。父親と息子の確執と父親が胸に秘めていた秘密。なかなか読ませる。

    三羽省吾『シェパード』。初読み作家。アクロバティックな逃走で警察を煙に巻く犯人と元十種競技選手の刑事との対決の行方は……『シェパード』、そういう意味だったのか。

    誉田哲也『裏切りの日』。誉田哲也の短編にしては歯切れが悪いというか、スッキリしない結末だった。解説を読むと、2019年10月に刊行予定の『背中の蜘蛛』の第一部と知り、納得。これからどう物語が膨らむのかが気になる。

    本体価格593円
    ★★★★★

  • 警察小説アンソロジー。
    今野敏 「消えたホトケ」死体が消えたのは? 萩尾警部補のもの。
    五十嵐貴久 「汚名」父が起こしたという事件の真相は?
    三羽省吾 「シェパード」すばしっこい犯人を追い詰めるには。そしてその犯人は?
    誉田哲也 「裏切りの日」こちらは「背中の蜘蛛」の第一部。
    三羽さんは初読みですが、三羽さんを含め、長編で読みたい作家さんばかりです。短くてさっと読めるのがこの本で良かったことですが。
    誉田さんは「背中の蜘蛛」を読んでねっていう感じかしら。今野さんは短すぎて残念、物足りない。
    違ったタイプ刑事たちのですが、それぞれのお話、楽しめました。

  • 警察小説の重鎮、中堅どころ4人の作家による文庫オリジナル短編集。
    偶に読みたくなる刑事もの。
    事件が発生して捜査本部が立ち上がる。
    本部による捜査では働き方改革なんてもってのほかのブラックな労働環境。そこにカタルシスを感じてしまうのは昭和生れの名残りか。
    本部と所轄、ベテランと若手、幹部と下っ端。
    組織、チームならではの人間模様には確執、軋轢が蠢く。
    地道な捜査から浮かび上がる細々とした点と点。それを繋ぐ線はベテラン刑事の長年の経験とある種のカン。ベテランは新人若手を育てる。
    ま、警察小説の醍醐味は語り尽くせない。
    なので見応え十分な長編も捨てがたいが、キレの良い短辺もナカナカ。本書もそんな感じ。

  • 大好物な、警察小説アンソロジー。

    初読みは一人だけ…

    三羽省吾【シェパード】
    ・・・「スタン飯店」の親父がイイ感じ♪
    犯人も…可愛いげがあるというか、"希望"を見出だすラストに好印象。三羽省吾、要チェックかな。

    五十嵐貴久【汚名】
    ・・・「リカ」と「リターン」だったっけ…?既読の2冊は、"可もなく不可が少々"な感想だった記憶だが、本作はなかなかに感情移入のできる人情話だった。
    "もう読むことは無い作家さんだな"の認定を外そう。

    今野敏【消えたホトケ】
    ・・・安心の今野敏。未読だが、筆者の持ちシリーズからのスピンオフらしい。相棒の女性刑事のキャラ設定に好感。シリーズの方も読まねば❗️

    誉田哲也【裏切りの日】
    ・・・短編だからか、白でも黒でもない誉田、といったところか。なんか、誉田作品にしてはあまり引き込まれることもなくぼんやりと進んでふんわりと終わったな、という感じだったが…
    (巻末解説文によると)長編作の第1部という位置付けなのだとか。これはもう、長編の方も読まねば❗️

    …しかし、長編の第1部をアンソロジーに載せるという手法は、いかがなものか?少々不満(苦笑)。

    ★4つ、7ポイント半。
    2020.01.06.古。

  • 2019/9/1読了。

    2015年に、先に出たアンソロジー「警官の貌」をKindleで読んだのをすっかり忘れて、文庫を購入、読み終わった後、こちらの「警官の目」に。

    「警官の貌」よりこちらの方が、全体的に読み応えがあった気がする。

    今野敏の「消えたホトケ」は短めで、あっさりした内容。ちょっともったいない気もする。

    五十嵐貴久の「汚名」はぎゅっと濃縮された味わい。タイトルから、話の流れが想像できてしまうのが少し残念。

    三羽省吾の「シェパード」はスリルがあって面白かった。最後にきちんとオチが来るのも良い感じで、長めの小説を読んでみたいと思わせる。

    最後が誉田哲也の「裏切りの日」。やっぱり一番好みかもしれない。
    最後の数行…
    「え?なに?なんなの?」と頭の中がはてなマークでいっぱいになり、背筋がゾクっとした終わり方…

    今年の10月に出る予定の「背中の蜘蛛」の第1部だと聞いてワクワクドキドキ。

    まだまだ読みたい。
    「警察小説」って本当に面白い。

  • 四人の作家による、4編の警察小説。

    「消えたホトケ」
    トップバッターは今野敏。
    前作でも登場した、萩尾と武田のコンビがいい。
    決してかっこいいとは言えない萩尾と、若干腰掛け(他部署への)の武田が織りなす物語は、テンポが小気味よい。
    コロンボを彷彿とさせる、ちょっと冴えない感の漂う先輩警官の武田は、誇り高きプロフェッショナルだ。
    物語は「ボタンの掛け違い」によって答えが見つからない。
    ダメなら元に戻ってみよ。
    この考え方は、今、仕事に行き詰まる私にとって家族や先輩に言われるよりもすっと心に入ってきた。
    できるかな、明日からの仕事。
    抜け出せるかな、苦悩から。
    頑張れるかな、きっと、大丈夫。

    「裏切りの日」
    解説にもあるように、事件の動機も、犯人も、分かる人にはきっと早くからわかってしまうだろう。
    しかし、本書での終わり方、海外ドラマのような、「え、これで終わり?次は?!」となる。
    それもそのはず、近日発刊される物語の序章なんだそうだ。
    何を裏切ったのか?事件の全容が知りたい。
    姫川玲子シリーズの凄惨さがないだけに、いったい何が影に隠れているのか、気になる。
    誉田哲也も、私は好きで、ついつい新作や、未読のものがあると穴を埋めようと読みあさってしまう。
    先輩から指摘されるように、視野を広げないとな。
    (でもどうやったらいいんだか。自分ではそんなに狭いつもりはないけれど)
    と思いつつも、趣味ぐらい、どっぷり好きなものに浸かりたい。

  • これは良い企画!一言で警察小説といってもトリックを重視するもの、動機に着目するもの、登場人物の心理に迫るもの、と様々なアプローチがあるということがよくわかる。旧知のキャラも登場しファンには堪らない。

  • 警察小説の短編集4話。
    今回も面白かった〜
    今野敏『消えたホトケ』は前回と同じく変わらぬ面白さ〜
    五十嵐貴久はリカの作者だったとは!リカ読みたい。
    三羽省吾『シェパード』良かった!!
    誉田哲也は新作に続いてるとの事で楽しみすぎる。

  • 日刊ゲンダイ2017年6月連載三羽省吾:シェパード、小説推理2018年1月号今野敏:消えたホトケ、5月号五十嵐貴久:汚名、10月号誉田哲也:裏切りの日、の4つの短編を収録して、2019年7月双葉文庫から刊行。警察小説アンソロジー。いずれも良くできた話ばかりで得した気分になりました。

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。『リカ』で第2回ホラーサスペンス大賞を受賞し、翌02年デビュー。以来、警察小説・青春小説・サスペンス・時代小説等、ジャンルにとらわれずに活躍中。

「2023年 『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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