警官の目 (双葉文庫)

  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575522396

作品紹介・あらすじ

豪華執筆陣による警察小説アンソロジー。父親と同じく警察官になった男が、父の起こしたある事件の真相を知る「汚名」(五十嵐貴久)、大好評の萩尾警部補シリーズから「消えたホトケ」(今野敏)、事件解決の端緒に不審な……「裏切りの日」(誉田哲也)、かつてない逃走方法で逃げる犯人を追う「シェパード」(三羽省吾)の4編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 4つの短編のうち、読んで良かったと思うのは今野敏と誉田哲也。
    やはりリアリティが違う。
    誉田哲也の一遍は「背中の蜘蛛」に続くらしい。
    これはこれで楽しみ。

    作品紹介・あらすじ
    豪華執筆陣による警察小説アンソロジー。父親と同じく警察官になった男が、父の起こしたある事件の真相を知る「汚名」(五十嵐貴久)、大好評の萩尾警部補シリーズから「消えたホトケ」(今野敏)、事件解決の端緒に不審な……「裏切りの日」(誉田哲也)、かつてない逃走方法で逃げる犯人を追う「シェパード」(三羽省吾)の4編を収録。

  • 五十嵐貴久、今野敏、誉田哲也、三羽省吾『警官の目』双葉文庫。

    シリーズ第2弾。前作も粒揃いの傑作だっただけに期待が高まる。4人の警察小説の名手による4編収録の警察小説アンソロジー。本作もまた、個性あふれる傑作警察小説が収録されており、非常に面白かった。

    今野敏『消えたホトケ』。萩尾警部補が死体消失トリックを解き明かす。短編の中に警察小説の面白さを凝縮した小気味の良い作品。

    五十嵐貴久『汚名』。警官殺しの汚名を着せられ、退職した元刑事の父親が亡くなり、その息子が父親の汚名を晴らす。父親と息子の確執と父親が胸に秘めていた秘密。なかなか読ませる。

    三羽省吾『シェパード』。初読み作家。アクロバティックな逃走で警察を煙に巻く犯人と元十種競技選手の刑事との対決の行方は……『シェパード』、そういう意味だったのか。

    誉田哲也『裏切りの日』。誉田哲也の短編にしては歯切れが悪いというか、スッキリしない結末だった。解説を読むと、2019年10月に刊行予定の『背中の蜘蛛』の第一部と知り、納得。これからどう物語が膨らむのかが気になる。

    本体価格593円
    ★★★★★

  • 警察小説アンソロジー。
    今野敏 「消えたホトケ」死体が消えたのは? 萩尾警部補のもの。
    五十嵐貴久 「汚名」父が起こしたという事件の真相は?
    三羽省吾 「シェパード」すばしっこい犯人を追い詰めるには。そしてその犯人は?
    誉田哲也 「裏切りの日」こちらは「背中の蜘蛛」の第一部。
    三羽さんは初読みですが、三羽さんを含め、長編で読みたい作家さんばかりです。短くてさっと読めるのがこの本で良かったことですが。
    誉田さんは「背中の蜘蛛」を読んでねっていう感じかしら。今野さんは短すぎて残念、物足りない。
    違ったタイプ刑事たちのですが、それぞれのお話、楽しめました。

  • 警察小説の重鎮、中堅どころ4人の作家による文庫オリジナル短編集。
    偶に読みたくなる刑事もの。
    事件が発生して捜査本部が立ち上がる。
    本部による捜査では働き方改革なんてもってのほかのブラックな労働環境。そこにカタルシスを感じてしまうのは昭和生れの名残りか。
    本部と所轄、ベテランと若手、幹部と下っ端。
    組織、チームならではの人間模様には確執、軋轢が蠢く。
    地道な捜査から浮かび上がる細々とした点と点。それを繋ぐ線はベテラン刑事の長年の経験とある種のカン。ベテランは新人若手を育てる。
    ま、警察小説の醍醐味は語り尽くせない。
    なので見応え十分な長編も捨てがたいが、キレの良い短辺もナカナカ。本書もそんな感じ。

  • 大好物な、警察小説アンソロジー。

    初読みは一人だけ…

    三羽省吾【シェパード】
    ・・・「スタン飯店」の親父がイイ感じ♪
    犯人も…可愛いげがあるというか、"希望"を見出だすラストに好印象。三羽省吾、要チェックかな。

    五十嵐貴久【汚名】
    ・・・「リカ」と「リターン」だったっけ…?既読の2冊は、"可もなく不可が少々"な感想だった記憶だが、本作はなかなかに感情移入のできる人情話だった。
    "もう読むことは無い作家さんだな"の認定を外そう。

    今野敏【消えたホトケ】
    ・・・安心の今野敏。未読だが、筆者の持ちシリーズからのスピンオフらしい。相棒の女性刑事のキャラ設定に好感。シリーズの方も読まねば❗️

    誉田哲也【裏切りの日】
    ・・・短編だからか、白でも黒でもない誉田、といったところか。なんか、誉田作品にしてはあまり引き込まれることもなくぼんやりと進んでふんわりと終わったな、という感じだったが…
    (巻末解説文によると)長編作の第1部という位置付けなのだとか。これはもう、長編の方も読まねば❗️

    …しかし、長編の第1部をアンソロジーに載せるという手法は、いかがなものか?少々不満(苦笑)。

    ★4つ、7ポイント半。
    2020.01.06.古。

  • 2019/9/1読了。

    2015年に、先に出たアンソロジー「警官の貌」をKindleで読んだのをすっかり忘れて、文庫を購入、読み終わった後、こちらの「警官の目」に。

    「警官の貌」よりこちらの方が、全体的に読み応えがあった気がする。

    今野敏の「消えたホトケ」は短めで、あっさりした内容。ちょっともったいない気もする。

    五十嵐貴久の「汚名」はぎゅっと濃縮された味わい。タイトルから、話の流れが想像できてしまうのが少し残念。

    三羽省吾の「シェパード」はスリルがあって面白かった。最後にきちんとオチが来るのも良い感じで、長めの小説を読んでみたいと思わせる。

    最後が誉田哲也の「裏切りの日」。やっぱり一番好みかもしれない。
    最後の数行…
    「え?なに?なんなの?」と頭の中がはてなマークでいっぱいになり、背筋がゾクっとした終わり方…

    今年の10月に出る予定の「背中の蜘蛛」の第1部だと聞いてワクワクドキドキ。

    まだまだ読みたい。
    「警察小説」って本当に面白い。

  • 四人の作家による、4編の警察小説。

    「消えたホトケ」
    トップバッターは今野敏。
    前作でも登場した、萩尾と武田のコンビがいい。
    決してかっこいいとは言えない萩尾と、若干腰掛け(他部署への)の武田が織りなす物語は、テンポが小気味よい。
    コロンボを彷彿とさせる、ちょっと冴えない感の漂う先輩警官の武田は、誇り高きプロフェッショナルだ。
    物語は「ボタンの掛け違い」によって答えが見つからない。
    ダメなら元に戻ってみよ。
    この考え方は、今、仕事に行き詰まる私にとって家族や先輩に言われるよりもすっと心に入ってきた。
    できるかな、明日からの仕事。
    抜け出せるかな、苦悩から。
    頑張れるかな、きっと、大丈夫。

    「裏切りの日」
    解説にもあるように、事件の動機も、犯人も、分かる人にはきっと早くからわかってしまうだろう。
    しかし、本書での終わり方、海外ドラマのような、「え、これで終わり?次は?!」となる。
    それもそのはず、近日発刊される物語の序章なんだそうだ。
    何を裏切ったのか?事件の全容が知りたい。
    姫川玲子シリーズの凄惨さがないだけに、いったい何が影に隠れているのか、気になる。
    誉田哲也も、私は好きで、ついつい新作や、未読のものがあると穴を埋めようと読みあさってしまう。
    先輩から指摘されるように、視野を広げないとな。
    (でもどうやったらいいんだか。自分ではそんなに狭いつもりはないけれど)
    と思いつつも、趣味ぐらい、どっぷり好きなものに浸かりたい。

  • これは良い企画!一言で警察小説といってもトリックを重視するもの、動機に着目するもの、登場人物の心理に迫るもの、と様々なアプローチがあるということがよくわかる。旧知のキャラも登場しファンには堪らない。

  • 警察小説の短編集4話。
    今回も面白かった〜
    今野敏『消えたホトケ』は前回と同じく変わらぬ面白さ〜
    五十嵐貴久はリカの作者だったとは!リカ読みたい。
    三羽省吾『シェパード』良かった!!
    誉田哲也は新作に続いてるとの事で楽しみすぎる。

  • 日刊ゲンダイ2017年6月連載三羽省吾:シェパード、小説推理2018年1月号今野敏:消えたホトケ、5月号五十嵐貴久:汚名、10月号誉田哲也:裏切りの日、の4つの短編を収録して、2019年7月双葉文庫から刊行。警察小説アンソロジー。いずれも良くできた話ばかりで得した気分になりました。

  • 警察小説4人の作家4作品
    今野作品のみしか経験していなかったので、違う警察を見たような気がしたのは私だけだろうか。

  • 社長が殺させれた。捜査一課が盗難課に支援依頼。通報者と警察官が確認した後、死体がなくなった
    引退した泥棒に相談に行く
    大きな物を瞬時に動かせない。前もって動かしておき、盗まれた直前に存在していたかのように協力者を使う
    警察官は実際には死体を見ていないことが判明
    犯人は第一発見者
    殺された男の部下がパワハラに耐えられず殺害
    社員が死体をビル内にかくしていた

  • どの作品も「ぶっちぎりのおもしろさ!」Top of the Top の警察小説!に偽りなしでした。誉田哲也さんの作品はこれから出るという『背中の蜘蛛』を是非読んでみたいと思いました。

  • 有名作家さんたちが書く短編警察小説。
    [消えたホトケ 今野敏] 密室の事件現場からの死体消失の謎に三課窃盗捜査係の萩尾が挑む。プロの窃盗犯を相手にする刑事だからこその視点が面白かった。
    [汚名 五十嵐貴久] 所轄の警務課員の千田と刑事殺しの罪を背負う元警察官の父のお話。父と子それぞれの思いが苦しかった。
    [シェパード 美羽省吾] 所轄の強行窃盗係の佐田はとんでもなく身体能力の高い窃盗犯に逃げられてしまう。刑事と犯人の追いかけっこがワクワクするほど面白い。
    [裏切りの日 誉田哲也] 刑事課課長の本宮は管内で起きた殺人事件を担当するもなかなか捜査は進まない。そんな中捜査一課長からあることを調べてくれと頼まれる。えっこれで終わり?と思ったら背中の蜘蛛という小説の第一部だということが判明

  • 今野敏、五十嵐貴久など話題の警察小説の書き手4名の作品が一気に読めるオムニバス。今野さんの作品は、捜査三課の萩尾警部補と武田秋穂のコンビが活躍。どの作品も読み応えがあって面白かったです。誉田哲也の裏切りの日は、背中の蜘蛛の序章といったところで、先が気になる終わり方。ぜひ、読みたいと思います。警察小説は切り口がいろいろあるので面白いと改めて感じました。

  • こういうアンソロジーは今まで読んだ事のない作家さんを短編で読んでみて、『ぜひ他の作品も読んでみたい!』って思わせてもらえるから嬉しい。
    今回も三羽さんの作品がまさにそう。感動したな〜他の作品もチェックしてみよう。
    五十嵐さんのお話はとっても切なかった。ラストは主人公が前向きな気持ちになれて良かった。
    今野さんは安定の面白さ!
    誉田さんも実は読んだ事がなかったんだけれどモヤっと感。『背中の蜘蛛』を機会があれば読もうかな。

  • シェパードが良かった。
    裏切りの日は続きがあるためちょっと中途半端。

  • 警察小説ってミステリーのひとつのジャンルになったらしい。あとがきに書いてあった。で、その警察小説のアンソロジーがこの本。今野敏や誉田哲也などの短編を収録。面白かったのは五十嵐貴久。今度この人を攻めてみようと思う。

  • 230頁を切る薄さに4人、結構豪華な作家陣でお得感があります。もしかするとこの中ではいちばん知名度が低いかもしれない三羽さんに私はかつてドハマリしていたことがあるから、本作は嬉しい。

    いずれも主役は当然警官。短編ながら事件自体もじゅうぶんに推理させるもの。そこに作家それぞれ家族や上司や部下とのあれこれを絡ませています。つまりは普通の警察小説ということになりましょうか。

    トリの誉田さんの作品には、えっ、ここで終わるんかい!と唖然。そうですか、三部構成のうちの一部なんですか。そっちも買わなしゃあないやん。(^^;

  • 警察小説の短編4作品。警察組織のいろんなことが少しづつ分かったり隠語が分かったり単純に物語を楽しむのとは別に楽しめることがある。自分には少し難しい内容もあったけど警察小説を読み続けると解るようになる気がする。自分の好みとしては家族小説でもある人間味あるものが好きだ。

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著者プロフィール

1961年東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。『リカ』で第2回ホラーサスペンス大賞を受賞し、翌02年デビュー。以来、警察小説・青春小説・サスペンス・時代小説等、ジャンルにとらわれずに活躍中。

「2023年 『交渉人・遠野麻衣子 爆弾魔』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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