ときどき旅に出るカフェ (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 424
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575522808

作品紹介・あらすじ

氷野照明に勤める奈良瑛子が近所で見つけたのは、カフェ・ルーズという小さな喫茶店。そこを一人で切り盛りしているのは、かつての同僚・葛井円だった。海外の珍しいメニューを提供する素敵な空間をすっかり気に入った瑛子は足しげく通うように。会社で起こる小さな事件、日々の生活の中でもやもやすること、そして店主の円の秘密――世界の食べ物たちが解決のカギとなっていく。読めば心も満たされる“おいしい"連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 会社勤めの瑛子が近所で見つけたのは、日当たりが良い一軒家のカフェ。店主はかつて同僚だった円だった。
    メニューにあるのはどれも円が旅先で見つけたものを再現したという、初めて見るものばかり。すっかり気に入った瑛子は、カフェに足しげく通うようになる。


    平凡に生きる会社員の瑛子を主人公とした連作短篇小説。
    かつて同僚だったカフェの店主・円との交流の中、日常で起きる小さな事件を解決したり、ささやかながらも新しい視点を広げていったり。
    何気ない日々の中にも、まだまだ自分の知らない事や、見えていなかったことがたくさんあるんだという事に気が付かせてくれる本です。

    カフェを舞台に珍しい飲み物やスイーツ、周囲の人たちの交流などをメインにしていますが、それぞれが抱える事情は甘いだけではなく苦さも混じっています。
    それが甘いカフェスイーツの口直しのように効いていて、優しくて居心地が良いのにそれだけの話ではないのも良い。

    出てくるドリンクやスイーツもどれもおいしそうで、こんなカフェが近くにあればな~、と思わずにはいられません。

  • 穏やかな話だと思いながら読んでたけど、色んな問題が出てきたりして、癒しだけの話ではなく楽しめました。
    こんなカフェが家の近くにあればいいのにと思います。居心地のいい場所を見つけれて羨ましいです。
    カフェ・ルーズのケーキがすごく食べたいです。

  • 主人公の瑛子は自分と結構境遇が似ていて、
    とても感情移入できたので、
    こんな居心地のいい素敵なカフェが
    家の近くにあったら私も通うのに…
    と夢見てしまう。
    私自身あまり外国に行ったりしないので、
    旅に出た気分になれるというのもいい。

    一つ前に読んだ近藤さんの作品同様、
    少し角度を変えたら見え方が違ってくる
    という事を考えさせてくれた作品だった。

  • OL瑛子が近所で偶然見つけたカフェ・ルーズは、かつての同僚、円が経営するお店だった。
    オーストリアの炭酸飲料アルムドゥドラー。ロシア風ツップフクーヘン等々。
    普段耳慣れない外国のお菓子やドリンクがどんどん出てきて、食欲をそそります。
    サクッと読める謎解きも楽しかった。
    ほんの少しささくれた心も和らいで、優しい気持ちになれます。

  • 一人暮しの会社員、瑛子が近所で見つけたのは、かつての同僚、円が営む"カフェ・ルーズ"。円が国内外を旅して、見つけてきた美味しいデザートや月替わりのメニューを提供してくれる、居心地のよい店が気に入り、瑛子は通いつめる。
    そこでであった人やデザートを描いた短編集。

    カフェのコンセプトには惹かれ、こんな店が近所にあれば、私も通いたいが、なにぶん、登場人物が濃すぎ。特に、後半ではストーリー自体がドロドロしてきて、疲れてしまった。

  • この本を読んだあと、最初に思ったのがなんか知らんお菓子とか出てきた・・・と思いました(笑)。そしてよくよく調べてみると、思っていたのと違うオシャレなお菓子が沢山在りました。
    私はどちらかというと何も起こらない本が好きなので、この本はかなり好みです。

  • カフェ好きにはたまらない一冊。

    落ち着くお店で美味しいスイーツを食べる時ほど、
    幸せな瞬間って、他にない。

    家の近所に素敵なカフェがあるなんて、羨ましい!しかも23時まで営業って!いいな〜!

    仕事の後、そのまま帰りたくない時とか…
    自分で夕食の準備したくない時とか…
    うんうん、分かる!って共感するシーンも沢山あって、心が満たされる作品でした。

  • 海外のご飯やお菓子と、人の出会い。
    行った気分になれる本格的な味と、店主さんとのからみ。
    ほっとしながらも、最後はドキドキ。

  • 主人公の平凡な暮らしの中でも、サバサバしていてその生活を受け入れつ抗うこともなく悲観しない生き方に共感するのかな。登場人物も良い人ばかりではない困った人に現実感がわく。こんな風に好きな時に行ける自分の居場所があるって素敵。それが雰囲気のあるカフェでおしゃべり出来て美味しい物も食べれたら最高。

  • エピソードごとにちょっとした小さなミステリーが含まれていて、各国のカフェ文化やおいしそうな料理を楽しみつつ、謎解きするのが楽しかった。
    前に読んだこの作者の作品でも感じたけれど、
    登場人物にちゃんと心が通ってるな、ということ。
    画一的な性格のパターンではなく、
    それぞれがこれまで生きてきた道が見えるような、
    人物に対して奥行きが感じられた。
    そこがとても良かった。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。1993年に『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞。『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』など著書多数。「ビストロ・パ・マル」シリーズは、「シェフは名探偵」として2021年5月に連続ドラマ化された。

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