- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575522822
作品紹介・あらすじ
ダイエットは運動と食事制限だけではない。大庭小萬里はマスコミには一切登場しない謎の女性だが、彼女の個別指導を受ければ、誰もが痩せられるという。どうやら、身体だけでなく「心のゼイ肉」を落とすことも大事なようだ……。身も心も軽くなる、読んで痩せるダイエット小説。
感想・レビュー・書評
-
『食べ物を前にすると我慢できなくなっている』
『二キロも太ってしまった。ああ…やっぱり痩せたい』
『どうやったら痩せられるのかしら』
ドキ!ドキッ!!ドキドキッ!!!としたそこのあなた!見なかったことにしようとこのレビューを閉じない方が吉ですよ(笑) ちょっと小腹の出てきた私(汗)と一緒にあなたの『ゼイ肉』の深刻度をチェックしましょう!はい、どんどんいきます。次の質問にYesかNoで答えてください。
『一、今まで何度もダイエットにチャレンジしたがうまくいかなかった』
さて、あなたはどうでしょう?私も何度か意識はしましたが、すぐに、モニョモニョモニョ…なのでYesです。
『二、太っていない人とは真の友情は結べない』
なんとも強烈な質問ですね。私はポッコリお腹くらいだから、No、なんとも思わないですが、もしかして、もっとお太りになられてる方(失礼しました)はそんなこと思うのかなあ。
『三、道を歩いていると、無意識のうちに前方から来る人の体形を観察してしまう』
あ、これ、ありますね。最近、前から来る人のベルトの上を見るようになっているかもしれませんね、私。や、やばいな〜。Yesですよ、これ。
『四、太っていない人はみんな胃下垂に違いないと思っている』
これは、私はNoですね。だって、私自身が胃下垂だと思ってたのに、ポッコリしてきましたからね(汗、汗)
はい、どうでしょうか?”Yes”の数は人それぞれだと思います。また、このチェックをしていく中での真剣度、深刻度も人それぞれです。しかし、”ダイエット本”がもてはやされ、毎年、新しい”ダイエット法”が登場する現状を見ていると、『どうやったら痩せられるのかしら』という悩みを抱えて生きている方は思った以上にたくさんいらっしゃるのだと思います。そう、『目の前の鏡に三段腹が映っていた。ぺちゃんこだった私のかわいいお腹はどこへ消えたの?』という驚きと悲しみの感情が同居するその瞬間。しかし、そんな体形の悩みは『カロリー計算だって頑張ってやった』という努力だけで解決するものなのでしょうか?私たち人間には心というものがあります。体についた『ゼイ肉』は鏡を見れば見ることができます。一方で、心の中はそんな風に簡単に見ることはできません。しかし、あなたの目に見える体形は、もしかすると目に見えない心が作り出している、そんな可能性があるかもしれません。
「あなたのゼイ肉、落とします」というこの作品。それは、あなたの『心のゼイ肉』に光を当てる物語。目には見えない『心のゼイ肉』をきれいさっぱり落としてくれる物語です。
『体重が、また増えた。この私が、五十九・八キロもあるなんて信じられない』と呆然と体重計を見下ろすのは園田乃梨子、49歳。『こんなに頑張っているのに、なぜ痩せない?』、『ぺちゃんこだった私のかわいいお腹はどこへ消えたの?』と鏡に映った三段腹を見て嘆く乃梨子。そんな乃梨子は『周りの人々の態度が急に変わった』ことに気持ちを暗くします。『職場の男性たちの視線が明らかに冷たく』なり、『どうしてそんなに太っちゃったのよう。自慢のママだったのにぃ』と娘に言われ、そして、舅の葬儀の際には『社内では、俺の奥さんはすごい美人だってことになってるんだよ。ちょっとの間、どこかに隠れててくれ』と夫にまで冷たく言われ落ち込む乃梨子。『太ってしまってからというもの、人の視線をいちいち勘ぐるようになったという乃梨子は『やっぱり痩せたい』と思います。そんな時、母親から『あんた、大庭小萬里さんゆう人、知っとるか?』と訊かれ『知ってるわよ。有名だもの。「あなたのゼイ肉、落とします」とかいうダイエット本を出した人でしょ』と返す乃梨子。『あんたも大庭小萬里さんに個別指導を頼んでみたらどないやの』と言われるも今ひとつ気が乗らない乃梨子。しかし、『これだけいろいろ試しても痩せられなかったことを思うと、もう自力では無理な気がする』と考える乃梨子は『取りあえず、明日は会社の帰りに本屋に寄って、「あなたのゼイ肉、落とします」を買ってみよう。話はそれからだ』と思い直します。そして本を買った乃梨子。『次の質問にお答えください。イエスの数であなたの深刻度を測れます』と始まり『一、今まで何度もダイエットにチャレンジしたがうまくいかなかった…』と続く設問に答えていく乃梨子。『イエスが四個以上あるかたは、ご連絡ください。個別に指導を致します』と締められているのを見て『なんて商売上手なの』と呆れるも、『心のゼイ肉も落とします』という言葉に引っかかりを感じます。そして思い切って個別指導を申し込んだ乃梨子。『一週間後、待ちあわせのカフェ』に『初めまして。大庭小萬里でございます』と現れた女性を見て驚く乃梨子。『あなた、私より太ってるじゃないの。そんな人に、ダイエット方法を指導する権利があると思ってんの?』と思わず指摘する乃梨子。そんな小萬里との出会いによって、乃梨子の『心』についていた『ゼイ肉』が見事に落とされていく物語が始まりました…という最初の短編〈ケース1園田乃梨子 49歳〉。パターン化された四編の冒頭を飾る短編として、単なるダイエットではなく、小萬里の説く『心のゼイ肉も落とします』という意味を、なるほど、と感じさせてくれた好編でした。
『初めまして。大庭小萬里でございます』と現れた姿を見て『本当に、あなたが大庭小萬里なの?』と依頼者が想像していたイメージと全く異なる女性が『これだけいろいろ試しても瘦せられな』いという悩みを解決していくこの作品。どこかで聞いた『大庭小萬里』という人物、そう、同じく垣谷美雨さんの代表作でもある「あなたの人生、片づけます」に登場した『大庭十萬里』の妹という設定です。そして、同作もこの作品もどちらも四編からなる連作短編という構成であり、物語の構成も基本的に同じです。
①太っていることに悩む主人公が登場する
②大庭小萬里に相談を依頼する
③『②』で指示されたことを半信半疑でやってみる
④主人公の悩みが解決し、めでたしめでたしの結末
「あなたの人生」では上記①の”太っている”という箇所が”片づけられない”という違い、そしてその指南者が十萬里である、と極論すれば違いはそれだけです。その分、「あなたの人生」を読まれた方なら続編を読んでいるかのように読みやすくスッキリ晴れやかな読書が楽しめるのがこの作品の魅力です。読む順番は「あなたの人生」→「あなたのゼイ肉」が良いと思いますが、逆でも十分楽しめると思います。
そんなこの作品の四編を簡単にご紹介します。一編目は上記の通りなので二編目から。
〈ケース2錦小路小菊 18歳〉: 『我らの唯一の武器は、元華族という家柄だけ』という家族の三姉妹の末っ子として育った主人公。『ああ、神さま、どうしてですか?』と155cmで80kgを超え、『太ったことで、どんどん卑屈になっていく』という主人公が『上手く言えないが、幸福の尺度は人それぞれ違うのではないだろうか』と自身の幸せを見つけていく物語。
〈ケース3吉田知也 32歳〉: 『知也は自分が太っていたことを本当に覚えてないわけ?』と交通事故で過去1年半の記憶が消えた主人公。『このストイックな俺がデブだなんて』と消えた記憶の期間に何故だか太ってしまっていた事実を突きつけられる主人公が『記憶の消えた一年半に、いったい何があったというのだろう』と真実を追い求める先に見るまさかの真実をきっかけに新しい人生を歩み出す物語。
〈ケース4前田悠太 10歳〉: 『新学期になってから、母さんは夜も働くようになった』という母子家庭に育ち『チビでデブでコロコロしていてカッコ悪いという理由で』コロちゃんというあだ名でいじめられる主人公。『痩せたい気持ちは誰にも負けない』という思いの下、『でも、もう僕は負けない』と力強い人生を歩み出す主人公を見る物語。
というように、いずれも自身の太った”体形”に思い悩む主人公が登場します。”体形”に思い悩むのは年齢、性別は関係ありません。実際、この作品でも男女それぞれ、そして年齢も10歳から49歳と幅広い人物に光が当たっていきます。そして、そこには単に”体形”だけに終わらない、その”体形”の背後に隠された問題がそれぞれに存在し、それが結果論として”体形”に現れてくる、この作品ではその問題の根源に光を当てていきます。
この作品では四編共通して大庭小萬里という人物が登場します。普通であれば、そんな風に共通に登場する人物こそが主人公です。しかし、「あなたの人生」同様に、そんな主人公であるはずの小萬里に視点が移動することはありません。視点の持ち主である主人公はそれぞれの短編に登場する『どうやったら痩せられるのかしら』と思い悩み小萬里に相談を依頼してくる人物たちです。そんな主人公たちに『指導は一ヶ月に一回で、全部で三回です。毎回、わたくしから課題を出します』と指導を行っていく小萬里。この作品を手に取られた方の中には、この作品が”ダイエット本”だと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?実は私もその一人。”ダイエット指南”の”へえ〜そうなんだ”というハウツーな内容が散りばめられているのだと思っていました。しかし、そこには何ら真新しい記述は登場しません。これは『評判がいいというので、画期的なダイエット方法があるとばかり思っていたのに』と主人公が本音を漏らす感情そのものです。しかし、それに対して『もしかして、わたくしが魔法の瘦せ薬を持っているとでも?』『だとしたら、あなたは愚かです』と甘い考えをもった主人公たちを一刀両断にする小萬里。しかし、そんな作品には単なるハウツー本を超える、「あなたのゼイ肉、落とします」という、そのゼイ肉の元となっている根源を突き詰める物語が展開しました。『乃梨子さん、時間は作るものなんですよ』というそもそもの毎日を変える提案、『人生に区切りをつけたらどうかしら』とその人の人生を根本から突き詰める指摘など、主人公の『心のゼイ肉』を落とすための指南の数々は、当然ながら主人公毎に異なります。『痩せるのなんて簡単なことなんですよ。本気になれば、たいしたことじゃないんです』と説く大庭小萬里の『心のゼイ肉も落とします』というそんな指南の数々に、なるほどなあ、と、とても納得感のある結末を見せていただきました。
『どうやったら痩せられるのかしら』、そんな悩みを抱えていらっしゃる方は決して少なくないと思います。その需要を満たすべく、日々新たなダイエット食が、ダイエット法が、そしてそれを指南するダイエット本が刊行され続けています。しかし、その”体形”に向き合うだけではなかなかにその悩みがなくなることはないのだとこの作品で改めて気づかされました。
『太ったことで、どんどん卑屈になっていく。デブがそんなにいけないことなのか。太っただけで、どうしてここまで心が荒んでしまうのだろう』と思い悩む主人公たち。『どうやったら痩せられるのかしら』というその悩みは、あなたの目に映る”体形”にあるのではなく、あなたの中に、あなただけにしか見えないあなたの心の中にある。『これからは、自分を大切にしようと、あらためて決心した』と、小萬里との出会いを起点に、新たな人生を歩み出す主人公たちの晴れやかな第一歩を見るそれぞれの結末に、『心のゼイ肉も落とします』ということの大切さを噛み締めた、そんな作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
垣谷さんの お話大好きです!
話のテーマも 毎回良いですね
前作の【片付け】も
今回の【体型管理】どっちも大事な事だと思います
ダイエットは特に【見た目重視】で気にする人が多いですが
「仕事上での管理力」や「健康」に1番影響が出ると思います。
動物学っぽく見ると、体型は人間の性格をそのまま表すと思います
ポッチャリ=文句 と とられるので
私生活では口にはしませんが…
タイプ別で見れば
「ガリガリタイプ」
判断力ある=キレやすい
「マッチョタイプ」
行動力ある=失敗した時大惨事
…なんかポケモンの話してるみたい…
体型で人は性格も変わりますよね
俺の後輩…4人とも超ポッチャリ(90キロクラス)…
ポッチャリがイケないのではなく…
同じタイプに固まってると…チーム的にバランスが悪い…円グラフとかにしたら凄いグラフになる(笑)
4人て…【ぷよぷよ】の理論だったら消えてるぞ…
自分もタバコをやめ…筋トレやめ…40過ぎたら太ってきてしまってますが
やはり、性格も変わってしまってますし…自分の判断まで少し太ってきてます。
読書やめたら、鍛えられると思いますが…頁をめくる手を止めることは…なかなかできません(笑)
※たから話が変わり 結局何が言いたいかって言うと…
【本屋さんで、客の手に取る小説とか観察して…ぁぁ…その作家さん好きなんですかぁ~…ぁぁその作品良いんだよなぁ…とか…孤独のグルメみたいに脳内で話かけちゃうよね!?】ってこと!!-
ベルゴさん、おはようございます。
この度はこちらへのフォローを頂きありがとうございます。
こちらの作品、私も読みました♪
垣谷先生の作...ベルゴさん、おはようございます。
この度はこちらへのフォローを頂きありがとうございます。
こちらの作品、私も読みました♪
垣谷先生の作品って読みやすくって大好きです。
ベルゴさんのレビューの
「読書やめたら、鍛えられると思いますが…
頁をめくる手を止めることは…なかなかできません(笑)」
激しく同感ですっ(^^)
こちらからもフォローさせていただきますので
どうぞよろしくお願いします!2023/02/28 -
かなさん
おはようございます
垣谷さん 凄くいいですよね!
自分 最近小説は、
毎回誰かが亡くなりトリックや犯人捜し等の
ミステリーとか...かなさん
おはようございます
垣谷さん 凄くいいですよね!
自分 最近小説は、
毎回誰かが亡くなりトリックや犯人捜し等の
ミステリーとかあまり読まなくなって
【生きる】がテーマで、話の広がりが無限な感じの、話が好きです
これから宜しくお願いします。2023/03/02
-
-
オーディブルで聴いたが、まさにオーディブルがちょうど良い小説である。耳で聴くというインプットは、目で読むというインプットに比べれば、たぶん半分以下の情報力なのだと思う。なので、オーディブルだとうまくその本の良さが伝わらない場合が多いのだ。
その点この本は、オーディブルに適した本であり、耳がすんなり内容に集中してくれるのだ。この著者の本は初めてなのだが、面白い著者だと思いました。 -
以前読んだ『あなたの人生、片づけます』の大庭十萬里さんの妹の小萬里さんのお話ということで、読んでみました。前は片づけ、断捨離の話で、今回はダイエットの話。でも、ただのダイエットの話ではない。小萬里さんが出している本『あなたのゼイ肉、落とします』の副題になっている"心のゼイ肉も落とします"がメインになっている。
小萬里さんのダイエットの指導は、一カ月に一回で全部で三回。一回目で小萬里さんと依頼者が初めて会うのだけど、小萬里さんはその場で依頼者に何が必要なのか見極め、的確に指導する。この一回目で依頼者達はイライラして帰って行くけど、二回目に会う時は、なぜかみんな心が穏やかになっている。解説にも書いてあったけど、小萬里さんの指導で"見えているものを見ないようにしてた"、"見えてなかったものが見えるようになった"事に気付いたからだ。これが心のゼイ肉を落とすという事だ。その過程が読んでて良かった。小萬里さんは依頼者だけではなく、依頼者の家族の心のゼイ肉を落としていくのでそこの話も良かった。短編集で四話あるんだけど、各話の主人公達が思うことに共感してしまうし、私も参考にしたいとも思った。ケース2とケース4の話が好き。
よく小萬里さんが「わたくし、ただのデブじゃないんです」と言い、これがカッコいいと思う。このセリフで以前読んだ本を思い出した。浅田次郎さんの『わが心のジェニファー』で主人公が同じようなセリフを言ってたと思う。たしか、「僕は走れるデブなんだ」だったかな。その時も私は名言だと思った。話の内容はあまり覚えてないけど、そのセリフは頭に残った。
ケース1が年末に読んだ『禁煙小説』に設定が似てて同じだなと思い星三つだったけど、読み終え星五つになりました。 -
-
2019/12/28
-
やまさん♪こんばんは(*^^*)
コメントありがとうございます!
変更しました!気づいてくださってありがとうございます♡
大好きな、い...やまさん♪こんばんは(*^^*)
コメントありがとうございます!
変更しました!気づいてくださってありがとうございます♡
大好きな、いわさきちひろさんの絵です。2019/12/28
-
-
垣谷美雨さんの作品は、老後のお金問題・お墓・遺品整理・離婚難等が題材になっていて、大事なことなのに、大半が私にはまだ早かったな〜と消化不良になりがちだった。ただ今回は身にしみて共感できました。お腹いっぱい食べてぐんぐん成長する幼少期はもう過ぎ去ってしまったので、摂取するカロリーの調整は必要。気がついたら太っていた登場人物たちにも、それなりの理由があり、カリスマ指南を経て変わっていく物語。
何となく人前でお腹が鳴るのが恥ずかしくて、小腹がすけば、お菓子つまむことが多かったけど、控えるのが良さそう。運動も心がけて、「あれを食べたから太ってしまったんだ」と後悔に苛まれるような悲しい思いはしたくない(;´∀`)
『空腹のときが、最も味が分かるんですよ。お腹がいっぱいのときは、味を感じにくくなっているんです。-ケース2 錦小路小菊18歳-』
2024.10 -
いわゆるダイエット本ではなく、短編4つからなる小説である。主人公はダイエット指南役・大庭小萬里。太っているために落ち込むクライアントたちが、ダイエット指南をうけハッピーになっていく姿が描かれている。
-
ベストセラーとなったダイエット本の著者、大庭小萬里が5人のダイエット志望者の心の問題も見抜いて、ズバズバ指導する様子を描いたストーリー。小萬里の言動、指導の仕方は少し大袈裟で極端過ぎる振る舞いも多く、キャラが際立っているが、小気味いいと思う場面も多かった。
特に最後のケースでは、小学生ながら依頼した悠太やその近所の中学生、加奈ちゃんには無料で栄養バランスのよいメニューの作り方を教えたり、母子家庭で母親の帰りが遅い子どものために合鍵を預かったりするなど、かなり小萬里を見直した。
最初の園田乃梨子のケースでは、キレイな女性も年とともにブスと見なされるようになるということを暗に伝え、"ブスとして生き直せ"と指示するなど、太る痩せるの前に、笑顔が職場での人間関係をよくするという基本的なことが描かれている。ちょっと拍子抜けの感もあるが、我が身を振り替えってどうなのかと考えさせられもした。
-
多くのブク友さんの本棚で気になってお取り寄せ。
表紙のカップケーキがかなり美味しそう。絵かと思ったら、写真のようです。
ただの体重減量成功話ではない。年齢性別設定が四人四様の登場人物それぞれのふくよか体型に至り葛藤を抱えている現状と大庭小萬里さんと出会ってその後を描いている。登場人物の数々のダイエット方法を試すが長続きしない様子と心の言い訳オンパレードは「そうそう、あるある!わかる!」心当たりありまくり。チェックシートから皆の抱えている課題設定がわかりやすい。小萬里さんの鋭い指摘と叱咤激励助言は的確で、こちらも一緒に指導を受けているような心持ちになる。台詞のテンポがとても楽しく、登場人物を応援しながらさくさく読み進めた。
小萬里さんの助言には、人間力が問われている機会であること、自分の正直な気持ちを大切にすること、ということが何度も繰り返し語られている。小萬里さんの姉、片付けのプロの大庭十萬里さんの登場する本も読んでみたくなった。