今宵も喫茶ドードーのキッチンで。 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575525700

作品紹介・あらすじ

住宅地の奥にひっそりと佇む、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。この喫茶店には、がんばっている毎日からちょっとばかり逃げ込みたくなったお客さんが、ふらりと訪れる。SNSで発信される〈ていねいな暮らし〉に振り回されたり、仕事をひとりで抱え込んだりして、疲れたからだと強ばった心を、店主そろりの料理が優しくほぐします。

感想・レビュー・書評

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  •  街の奥にひっそり佇むおひとり様専用のカフェ、「喫茶ドートー」。ドートーは、不思議な国のアリスに出てくる飛べない鳥のことのようで、オーナーはそろりと名乗る…。そろりは背が高く黒縁メガネのもじゃもじゃ頭で、人見知りなのかな…。そろりという名前はもちろん実名ではなく、「森の生活」の作者であるソローさんからのとってそう名乗っているらしいんですね!ちょっと「森の生活」にも興味が惹かれますが…。

     「喫茶ドートー」を訪れるのは、日々の生活を頑張り続けている女性たち…そろりと出会いお店の特別メニューを口にしながらそろりと会話することで、頑なだった心に風穴が開くかのような…ちょっと素敵なお話が読めます。そろりは、ちょっと独特な感じだけれど、感受性が豊かで人の心の痛みがわかるんでしょうね…そんな人に一対一で接客してもらえたらいいですよね!!

     ただ、このお店、採算採れるんだろうか??と、ちょっと心配になっちゃいますよねぇ…。そして、訪れるお客さんが女性だけってのも…この後の続編では男性もお客さんで登場するのかな??と、ちょっと期待します。標野凪さんの作品は「本のない絵本屋クッタラ」と「終電前のちょいごはん」の文月にお邪魔しましたが、「喫茶ドートー」が一番好きです(けども…やっぱり、あのお店が恋しい…)。

    • かなさん
      1Q84O1さん、おはようございます。
      ぜひぜひ、直談判して続編を!!
      1Q84O1さん、みんなの期待を背負って頑張ってくださいね、
      ...
      1Q84O1さん、おはようございます。
      ぜひぜひ、直談判して続編を!!
      1Q84O1さん、みんなの期待を背負って頑張ってくださいね、
      いっぱい期待していますからねぇ(@^^)/~~~
      2023/10/30
    • 1Q84O1さん
      責任重大…(;・∀・)
      責任重大…(;・∀・)
      2023/10/30
    • かなさん
      1Q84O1さん、
      もう、コメントしちゃったんだから、
      取り消さないでくださいネ(*^▽^*)

      なんてね、みんなで続編が出るように...
      1Q84O1さん、
      もう、コメントしちゃったんだから、
      取り消さないでくださいネ(*^▽^*)

      なんてね、みんなで続編が出るように
      Halloweenの神様(いるのか??)に、お願いしましょう!!
      2023/10/31
  • 美味しそうな料理やコーヒーのよい香りが、本の間から漂ってきそうな、小さなカフェの物語。
    店主のそろりは、背の高い黒縁眼鏡の人見知りな男性で、夕方から開店する〈喫茶ドードー〉を一人で切り盛りしています。

    背景にコロナ禍の頃の生活が織り込まれているのですが、森の中のおとぎ話を読んでいるみたいで、心が癒されます。

    疲れた時には、ほんの少しのゆったりとした時間と、発想の転換が必要なのですよね。
    悩みを抱えたおひとりさまをさり気なく迎え入れてくれる、こんな素敵な丁寧な空間があったら、鬱々とした気分もすっと晴れて、軽やかになれそうです。

  • 心が癒されるだろうジャンルの本、というふわっとした知識でした。
    図書館で順番が来たので読み始めましたが、今そんなにメンタル弱ってないからどうかなぁ…って思ってました。

    あーすっごい疲れてたんだ、わたし。

    主に仕事で疲れてしまったり、ちょっと立ち止まる事が必要な人へのそろりさんの言葉がとっても沁みました。

    よし!また明日から頑張ろう!!っていうより、そうか、頑張ることだけが解決ではないんだなって思えるような内容でした。上を見て一息つく、みたいな。

    出てくる食べ物もとても美味しそう。お鍋でココアをゆっくり作って、アップルパイが食べたくなりました。

  • おひとりさま専用カフェ『喫茶ドードー』での5篇の短編連作集。
    一生懸命頑張る人を癒やし、頑なになった心をそっと解きほぐす。訪れた人は笑顔でまた自分らしく歩き出せる。


    こんな素敵なカフェ、リピート率100%ですよ!
    季節ごとに行きますよ!いや、もっと頻繁に行きますよ!そろりさんが最後に渡そうとしてくれたエンピツもペンギンも「ありがとうございます!」で、全部持って帰りますよ!
    世界観が台無しだと言われそうですが、それくらい『喫茶ドードー』に行きたい。見つけたい。
    絵本のような素敵なお話でした。

    • かなさん
      ピザまんさん、おはようございます!
      私も行きたいですねぇ…喫茶「ドートー」に(*^^*)
      そろりさんに逢いたいです!!
      でも、おひとり...
      ピザまんさん、おはようございます!
      私も行きたいですねぇ…喫茶「ドートー」に(*^^*)
      そろりさんに逢いたいです!!
      でも、おひとり様で行かなきゃだから
      緊張しちゃいそうですよね!!
      2023/11/23
    • ピザまんさん
      かなさん、おはようございます
      コメントありがとうございます
      確かに!緊張しちゃいますね
      そろりさんとお話ししたいけど、アワアワしてしまいそう...
      かなさん、おはようございます
      コメントありがとうございます
      確かに!緊張しちゃいますね
      そろりさんとお話ししたいけど、アワアワしてしまいそうです(⁠ノ⁠*⁠0⁠*⁠)⁠ノ
      2023/11/23
  • 柔らかな文章表現と、喫茶ドードーの主人そろりさんのおもてなしに心がほっこり癒されました。出会えて良かった作品。
    続きを読むのが楽しみです。

  • 路地奥にひっそりと佇むカフェ「喫茶ドードー」。
    ドードーは、『不思議の国のアリス』にも登場するのろまな飛べない鳥。
    だけどそのおかげで自分のペースが守られていた。
    そんな生き方を見つけたいと店の名前にしたという店主のそろり。

    彼の美味しい料理と優しい会話が、悩みを抱えてやってくるお客の心をときほぐす。
    ほんとうにさりげない感じが、なんとも心地よく思える。
    5話の連作短編集になっている。
    悩みを知っているかのようなメニューにやられる。
    そして、もう一度足を運んでしまう。
    なんとも不思議なお店。


    他人に振り回されて、自分を見失っている…
    これってあるかも。
    ていねいな暮らし〜人それぞれだから自分が快適ならそれが理想の暮らしになるはず。
    必要なのは、ささやかな時間。

    そういうことをそっと教えてくれる。
    自分を労わる甘いものを提供してくれる。
    ゆっくりとゆったりとした時間をくれる。
    そんな「喫茶ドードー」だった。

  • おひとりさま専用カフェの"喫茶ドードー"は、日々の暮らしから逃げ出したいと感じているお客さんに、それぞれの心情にピッタリのメニューを出してくれる。
    そして、お客は店主のそろりさんとの会話を通じ、気づきを得たり、元気をもらったりして帰っていく。

    さらっと読めて、ほっこりした気持ちになれる本。
    こんな喫茶店が近所にあるといいなぁ。。

  • タイトルと装丁に惹かれ手にした本。そんな見た目の雰囲気を裏切らないほっこりしたお話だった。店主の愛称は「そろり」。なぜその愛称なのかも作中で明かされている。標野凪さんは初読みの著者さんだが、ご自身も隠れ家的なお茶とお酒の店を神楽坂で営まれている方と今回知った。お茶どころの静岡出身で福岡と札幌にも住んでいたことがあるアクティブな方。この本に出てくる「そろり」のようなカフェを営む生活は、(現実的なことを度外視すると)とても憧れる。「そろり」は標野さんと重なる部分が多々あるのではないかと推察している。こんな温かい話を書く人が実際やっているお茶のお店、ぜひいつか行ってみたい。作中、特に今疲れている人にとっては心に刺さるフレーズが随所にある。商店街のなか突如現れる森に佇むカフェの雰囲気、美味しそうな飲み物と料理には言うまでもなく癒された。最初は謎だった語り手も、最後に誰だか分かりまたほっこりした。

  • 住宅地の奥でひっそりと営業している、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。
    そこには、何かに悩んだりして、心が疲れた人たちがふらりと訪れます。
    訪れた人たちに、店主そろりさんの温かく優しい言葉と料理が出てきます。

    何かに悩んだり、心が疲れた時には、休むことが大切。
    休むことで見つかる答えが身近にあるかもしれない。

    もし今の自分の気持ちに行き詰まったら、この本を読み返したいです。
    悩みを抱えている人におすすめの一冊です。

  • 忙しい日常の中に、心が休まるホッとするような短編小説。そろりさんが、個人的に大泉洋さんに思えて仕方なかったです笑
    クスッと笑えたり、なるほどと思ったり。
    ゆるりとした小説が好きな方にはおすすめです!

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著者プロフィール

小説家

「2022年 『伝言猫がカフェにいます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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