明日も会社にいかなくちゃ (双葉文庫 こ 32-01)

  • 双葉社
3.67
  • (0)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 276
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575526929

作品紹介・あらすじ

仕事ができない私は欠陥人間なの? 人生の一番が仕事でないのはいけないこと? 注目作家が贈る現代人のための新しいお仕事小説!断れない性格が災いとなって中間管理職になった優紀。総務課の人間関係のもつれを解すべく奔走していたが――。(「走れ、中間管理職」) ほか全六篇を収録。疲れた心に寄り添ってくれる連作短編集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • わたしほんとうにこざわたまこさんのタイトル回収が好きなんだよね…最初はなんでこのタイトルにしたんだろう??って疑問に思うんだけど、読み終わってタイトル見たらめちゃめちゃしっくりくる。

    1番好きなお話はエールはいらない。
    詳細な感想は↓に書きました。

    どのお話もそれぞれ刺さるところがあって勉強になったし、自分を振り返るきっかけになった。
    Twitter(X)でこざわたまこさんがラジオでのお話をもとに本の名前、明日も会社にいかなくちゃに関しての呟きをしていたけれど、それぞれのお話を読み終わってから考えると、あーあ、明日も会社にいかなくちゃ↓と末尾が下がる主人公が多い気がする。。みんなそれぞれ幸せになってくれー!!

    *走れ、中間管理職
    タイトルで予想してたのはドタバタお仕事コメディ、みたいなイメージだったんだけど、走れってそれかー!と納得。
    走った先どうなったのかが気になるお話だった。
    あんなに仲良くしていたかおりに掌を返されてイラッとしたんだけども、ミスを誤ってかおりのせいにしてしまったことも事実なのでもだもだした。
    かおりがほんとうはどう思っていたのかも気になる。

    *スポットライト
    前の話の走れ、中間管理職で走った優紀が退職となってしまって悲しかった。
    お酒に弱く、すぐ記憶をなくしてしまったり、何回もハラスメント発言をしてしまったりとヒヤヒヤする場面が多かった。がんばってくれウッチー!
    酔って披露できなかった、頑張って練習したダンスを奥さんに見てもらえてよかったねと思った。
    お話の序盤だと家族仲が冷めているような描写に感じたから奥さんの手を握った時、ダンスを披露した時、そっけない態度をとられるんじゃないかとヒヤヒヤしたけれどそんなことなくて安心した。よかったねウッチー!

    *エールはいらない
    この話はわたしの心にぶすぶす刺さって痛かった…
    最近わたしは過去の自分の行動や言動が返ってくることが多くて、仁美もまた過去の自分によって周りの協力が得づらい、周りの不満が溜まっている状態になっていてすごくすごく刺さった。
    お話の最後のほうで周りのひとたちが仁美への不満を爆発させたシーン、沙也もそのまま加担してしまうのかと自分のことのようにドキドキしていたら仁美を助けてくれたのでほっとした。ありがとう。。

    *親子の条件
    この話は読み終わってからタイトルをもう一度見て、どれを指すのだろうと考えさせられるお話でした。
    親子の条件…お父さんと主人公は酒癖の悪さが似ているから、それが親子の条件ってことかなあ
    それともおむつ替えを見られても構わないほど気を許していることが親子の条件かな?これはみなさんの感想を楽しみにしたい

    *輪になって踊ろう
    見たかったかおり視点のお話で夢中で読んだ。
    当たり前だけど、優紀が勘違いしたとは思っておらず、裏切られたと思っているのが悲しい。。
    そこで話し合おうと思わずお休みに入るところは、かおりが今までも人間関係で問題があれば避けてきたことが想像でき、相手の事情や視点を考えられないところがあまり人間関係?を経験していないことが想像できる描写にも感じられてこちらも悲しく思いながら読んだ。
    わたしも輪に入るのが苦手な人間なので、かおりの過去のお話はたいへん共感しながら読みました。
    次で最後のお話。みんなどうなるんだろう。。

    *最後の日
    最後のお話だから、前の話のどれかの主人公が出てきてハッピーエンドに向かっていくのかな?と思っていたから予想外で面白かった。
    ずっと気にしていた優紀が出てきたり、もやもやしていた岸のお話のその後が出てきたりして、前のお話も含めて楽しめた。
    残り数ページ、というところで幸雄と栄太の縁が切れかかってしまってハラハラさせられたけれど、締めかたが未来のある文に感じたのでほっとした。

  • 感想
    寝床から出たくない。歯磨きしたくない。着替えたくない。憂鬱が少しずつ重なる。だけど生活のために仕方ない。面倒だけど電車に乗ろう。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1986年、福島県生まれ。2012年「僕の災い」で第11回「女による女のためのR‐18文学賞」読者賞を受賞。同作を収録した『負け逃げ』でデビュー。著書に『仕事は2番』。本作は結婚を考えていた元恋人へ、自分とは正反対の親友へ、母の再婚相手へ……大切な人に伝えられなかった本音や秘密を、瑞々しく綴った短編集。

「2022年 『君には、言えない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

こざわたまこの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
凪良 ゆう
千早 茜
村田沙耶香
寺地 はるな
川上未映子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×