隅田川心中 (双葉文庫)

  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575527452

作品紹介・あらすじ

もう一度、無茶な恋がしたくなるシニア世代のための暴走恋愛小説!浅草の社団法人ゴルフ場協会で悠々自適に働く64歳(独身)の大隅一郎。ある日、馴染みの喫茶店の店主・小川からアルバイトの咲子の相談に乗ってくれと持ちかけられる。「父親の借金返済のために愛人にしてほしい」と咲子に言われて心を躍らせる。同衾を果たした末に、「あなたの子供を産みたいの」と懇願され、泥沼に落ちていく二人の恋路。咲子の借金返済のために破滅へと向かう一郎。行く末は破滅しかないのか!?

感想・レビュー・書評

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  • 赤松利市『隅田川心中』双葉文庫。

    64歳の独身男性が32歳の女性と金銭を介して、ただならぬ関係となり、それを勘違いした男性は暴走し、やがて破滅へとまっしぐらに進むという悲喜劇転落小説。

    丁寧な語り口で綴られる文章とは裏腹に、老いらくの恋というよりも、性欲のままに暴走してしまう初老の独身男性の悲哀と滑稽さを残酷な視点で描いているようだ。主人公が若い女性と泥沼に嵌まり込んでいく姿を見ると、男とは何と馬鹿な生き物なのだろうと思う。


    浅草の社団法人ゴルフ場協会の事務局長を務め、悠々自適に働く64歳の独身男性、大隅一郎は馴染みの喫茶店店主の小川正夫からアルバイトの32歳になる咲村咲子の相談に乗って欲しいと頼まれる。

    咲子の相談とは、「アル中で博奕狂いの父親の借金返済のために30万円を都合して欲しい。その代わり大隅の愛人になる。」という驚きの内容だった。老後のためにと貯めていた500万円の蓄えの中から、30万円を渡した大隅は咲子との情事に心踊らせ、ED薬まで購入する始末だった。

    ED薬の飲んで臨んだ咲子との初めての情事で5回も果てた大隅は、咲子から「あなたの子供が産みたい。」と懇願され、咲子が同居し、寄生されている父親から咲子を引き離す方法を模索する。

    しかし……

    本体価格840円
    ★★★★★

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著者プロフィール

赤松利市
一九五六年、香川県生まれ。二〇一八年、「藻屑蟹」で第一回大藪春彦新人賞を受賞しデビュー。二〇年、『犬』で第二十二回大藪春彦賞を受賞。他の著書に『鯖』『らんちう』『ボダ子』『饗宴』『エレジー』『東京棄民』など、エッセイに『下級国民A』がある。

「2023年 『アウターライズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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