共謀小説家 (双葉文庫)

  • 双葉社 (2024年4月10日発売)
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  • 本 ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575527476

作品紹介・あらすじ

「女が書いたものなんざ」――日本の文壇にまだ女性の書き手が少なかった明治時代。小説家になることを夢見る十七歳の宮島冬子は、当代一の文学者・尾形柳後雄のもとで女中をしながら執筆に励んでいた。同じ志を持つ男弟子たちが次々と引き立てられていく一方、冬子は家事に追われてなかなか筆が進まない。焦りを感じる冬子はある日、師の尾形からおぞましい誘いを受けて……。女性の直面する社会的な困難を克明に描き、己の道を諦めない強さに胸を打たれる。現代を生きる私たちに寄り添う、勇気と希望の湧き立つ傑作長編。
解説:斎藤美奈子

感想・レビュー・書評

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  • 蛭田亜紗子『共謀小説家』双葉文庫。

    先に読んだ『凛』『エンディングドレス』がなかなか良かったので、気になる作家として心に止めていた。『共謀小説家』とは一体どういう小説なのか、興味深いタイトルである。

    読んでみれば、明治時代の小説家をモデルにした不思議な夫婦関係を描いた文壇小説といった感じだった。小説家が創作することの難しさ、小説家として大成するために犠牲にする物の多さが描かれる。何とも言えない結末であった。

    明治時代、小説家になることを夢見て、愛知県から上京した17歳の宮島冬子は小説家の尾形のもとで、女中をしながら執筆に励む。ある時、尾形の強引な誘いで、ただならぬ関係となった冬子は身籠ってしまう。

    そんな冬子に尾形の弟子である九鬼春明が『共謀しないか』と持ち掛け、二人は結婚することになる。結婚してみれば、春明は悪い酒を嗜み、自堕落な放蕩三昧の生活を送り、平気で連載作品の執筆の締切りを破ったり、弟子の作品を代作として出版社に渡す始末だった。

    本体価格780円
    ★★★★

  • 好きな時代・題材の話であるし退屈せず読んだのだが、終始そこはかとなく気持ち悪かった。主人公も、夫も。
    私に読み取れないだけかもしれないが、彼らの顔が思い浮かばず、心情が伝わってこない。

    人によっては問題とも捉えないだろうが、妻が頑張って頑張って教員免許を取った直後に、これからは自分の仕事を手伝ってほしいと言える春明にうんざりした。

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著者プロフィール

1979年北海道札幌市生まれ、在住。2008年第7回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞し、2010年『自縄自縛の私』(新潮社)を刊行しデビュー。そのほかの著書に、『凜』(講談社)『エンディングドレス』(ポプラ社)『共謀小説家』(双葉社)などがある。

「2023年 『窮屈で自由な私の容れもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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