- 本 ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575527582
作品紹介・あらすじ
外回り中の営業部長・山縣泰介に緊急の電話が入った。「とにかくすぐ戻れ!」どうやら泰介が「女子大生殺害犯」であるとされて、すでに実名、写真付きでネットに素性が晒され、大炎上しているらしい。SNSで犯行を自慢していたそうだが、そのアカウントが誤認されてしまったようだ。誤解はすぐに解けるだろうと楽観視していた泰介だが、成りすましは実に巧妙で誰一人として無実を信じてくれない。会社も、友人も、家族でさえも……。ほんの数時間にして日本中の人間が敵になり、誰も彼もに追いかけられる中、泰介は必死の逃亡を続ける。
感想・レビュー・書評
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伊坂幸太郎「ゴールデン・スランバー」を彷彿する冤罪による逃亡劇
章単位で人物視点が変わり、違和感を感じたとこが最後には回収され快感
教訓は「常に他人にやさしく、悪口は慎む」でしょうか
物語コンセプトとしてSNSの問題点を提示しているが、ネットリテラシーとしては常識だと感じ、
いまいち共感できなかった
SNSは所詮、無責任な便所の落書き
■「ら抜き言葉。こんなおかしな日本語、大帝ハウスの山縣さんは絶対に許しませんから」
→かっこよくてサブイボ!!名台詞!
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「六人の嘘つきな大学生」が楽しめた作者さん。この本も皆さんの★が多めだったので期待していたのだが、私にはさっぱり面白くなかった。
主人公がいきなり追われる身になる巻き込まれ型サスペンスだが、これまでこの手の話を色々と見聞きしてきた身には、グダグダと続く逃亡劇がなんともパッとしない。
流し読みもしながら何とか読み進めたが、仲人をした元部下なら助けてくれるに違いないと訪ねていくのには力が抜ける。作者の言いたいことには必要なパートだったかもしれないが、逃亡劇としてはなんだかなあ。
取引先の営業担当がSNSのおかしな日本語から無実を信じてくれるところが唯一よかった。
考えられた話だと思うしまんまと騙されはしたのだが、無理やり持っていかれたようなところもあって、タネ明かしされてもかなりのモヤモヤ感が残った。-
yyさん
そうなんですよね。
でも、受け止め方は人それぞれなので、まあ、それでいいのでしょう。
私、どちらかと言えば、最近、何...yyさん
そうなんですよね。
でも、受け止め方は人それぞれなので、まあ、それでいいのでしょう。
私、どちらかと言えば、最近、何を読んでもどこか貶している感想を書いている気がして、自分ながらちょっと良くないなあと感じています。
(前は、もっと読むのを楽しめた気が…)2024/12/06 -
2025/03/01
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2025/03/01
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一度読んだだけでは、???で、ネットで考察を読んで、ほほう!という感じでした。
私の読解力の無さかな? -
ハウスメーカー勤務である山縣泰介が女子大生の殺人犯であると、実名と写真付きでネットに晒されるところから物語が始まる。
そこからの逃亡劇がスピード感があり、ハラハラしながら読み進めることができた。
ただし、最後がよくわからない終わり方。自分の読み込みが足りないのかな。あまりしっくりこない読後感でした。 -
これは上手い。読み易く、社会問題も含みつつ、エンタメとしても面白い。自分の身に近いのは泰介だし、より共感出来るものはありつつも途中で感情が反転したり、やたら振り回された。それは泰介に限った話ではなく、全体がミスリードのオンパレードで、まさかこんなものを仕掛けてるとも思わなかったし、終盤は混乱しまくって前を読み返したりした。嫌なことがありまくる割に、最後は綺麗に締めてくれるのもすっきりで良かった。
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ある日突然、SNSで「女子大生殺害犯」にされてしまった主人公の逃亡劇。最初から最後までスリルたっぷりで、読む手が止まらなかった。
SNSの“正義”や無責任な言葉が招く恐怖、人間の無自覚な醜さを鋭く描き出す。人間の嫌な面を巧みにすくい取り、『自分は悪くない』という思い込みが、実は自分の中にもあるかもしれないと、ふと気づかされる。
中盤の叙述トリックは一瞬混乱しつつも、真相に気づいた瞬間の驚きと納得が心地よく、読後感も抜群の社会派ミステリ。
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文庫化するのを待っていました。
主人公の泰介が逃亡し始めてから、追われる感覚が読み手にも伝わり、とても恐ろしくハラハラしながら読みました。
泰介が逃亡する中で、自分に対して周りが抱いていた印象との違いに気付かされ、自分自身を見つめ直していくところが良かったです。
登場人物を通して、『自分は悪くない。自分の価値観だけが正しい』という考えが無意識に根付いていていることに気付かされ、恐ろしく感じました。
ラストの展開に、おっ!っと驚きもあり、仕掛けも面白かったです。 -
めちゃくちゃ面白かったです。
登場人物の視点がテンポよく切り替わり、
徐々に全容が明らかになるので先が気になって仕方なく
一気に読み終えてしまいました。
なるほど、もう一度読み直そうと思いました
著者プロフィール
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