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本 ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784575527803
作品紹介・あらすじ
目隠し姿で両手足を拘束された男の首に、絞縄が巻かれる。この世で最後の息は踏み板の外れる音にかき消され、刑場の奈落へと堕ちていった――。
数日後、東京地裁民事部の判事・山代は同僚から「余命宣告を受けた被害者の交通事故死案件」を相談され、調書に記された名に愕然とする。被告の七浦は、かつて担当した訴訟で、無謀運転により相手に重傷を負わせた張本人だったのだ。
胸騒ぎを覚えた山代は、同じ手口で悪党に100万倍返しする影の裁判所・東京ゼロ地裁で独自に調べ始める。
一方、妻子を手にかけた罪で兄が死刑となった紗和は、ある日、殺されたはずの義姉によく似た女を見かける。
だが、事件を捜査した所轄署に駆け込むも、当時取り調べた刑事は誰も残っていなかった。裁判も刑の執行も終わった今、途方に暮れる紗和に、意外な人物が救いの手を差し伸べる。秘密裏に進められる再捜査。やがて、事件に隠されたドス黒い真相が浮かび上がる。
卑劣な手口で逃げおおせる極悪人から、金も命も強制執行!! 書き下ろしシリーズ第3弾。
感想・レビュー・書評
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小倉日向『東京ゼロ地裁 執行 3』双葉文庫。
書き下ろしシリーズ第3弾。
『極刑』と『いっそこの手で殺せたら』は★5つを付けたほど面白かったので、このシリーズにも期待していたのだが、第1弾は既視感のある設定とストーリーで★1つとふるわなかった。第2弾は★3つと盛り返して来たので、この第3弾には期待するところが大きい。
結果から言えば、この第3弾はなかなか面白かった。今回、東京ゼロ地裁が鉄槌を下すのは、賠償金を安くするために偽装を行なった交通死亡事故の加害者と妻子を殺害して死刑になった男性を貶めた極悪非道の真犯人である。
死刑を執行された死刑囚が冤罪だったという前代未聞の事件。現代日本でも冤罪の可能性が高いのに既に死刑を執行されてしまった死刑囚が何人か居るようだ。一方で、現在100人以上の確定死刑囚が居るのに、ここ数年は死刑が執行されていないという矛盾は全くおかしな話だ。
東京地裁民事部の判事で東京ゼロ地裁のトップである山代は同僚から『癌で余命宣告を受けた被害者の交通事故死案件』について相談され、調書に記された名に愕然とする。被告の七浦は、かつて担当した訴訟で、無謀運転により相手に重傷を負わせた張本人だったのだ。
一方、妻子を殺害し、放火した罪で死刑となった根岸弘文の妹の紗和は殺されたはずの義姉によく似た女性を見掛け、事件を捜査した所轄署に駆け込む。しかし、当時取り調べた刑事は誰も残っておらず、裁判も死刑の執行も終わった今となってはどうすることも出来ず、、途方に暮れる。そんな紗和に、意外な人物が救いの手を差し伸べ、秘密裏に再捜査が進められる。やがて、事件の裏に隠された恐るべき真相が浮かび上がる。
本体価格730円
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初めて読む 作者小倉日向氏の作品。
最初から、罪も犯していないのに、逮捕、そして、10年も拘置所に、………死刑に……
冤罪なのに、無実を証明出来ない事に、希望を失った根岸!
そのまま、刑の執行に……
どうなる!!!
犯人は?
次の場面で、又、違う事件の展開!
余命宣告の被害者の交通事故死!
それが、繋がって行く。
権力と国家が、絡み合い、強い者が、生き残ろうとしている世界に、手を下す。
ドラマであった必殺仕事人の如く、悪を退治していく現代版である。
それも、法廷という偽舞台で!
読み終えて、テレビ局のハラスメントについての話題が、報道されている中、この本の中の人物も、権力を傘に、好き勝手したのだと………
しかし、死刑囚になった根岸、妻の亜矢子が、男に惑わされなかったら、幸せな生活を送れたのになぁと、思わずにはいられなかった。
冤罪を受け入れ、妻と子供の傍にに早く行きたいとまで思い続けた夫は、可哀相に思える。
この本は、3巻目と、本の裏表紙で、知った。
最初は、どんな小説なのか、興味を持った。
小倉日向の作品





