死の扉 (双葉文庫)

  • 双葉社 (2025年1月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784575528183

作品紹介・あらすじ

元プロ野球選手が殺人で起訴されたが、ある男の証言が決め手で無罪となった。男の息子はつい最近亡くなっており、息子を安楽死させた疑いで、華岡検事は担当医師を取り調べているところだった。ふたつの事件に違和感を抱いた華岡はさらに捜査を進めた――。終末期医療のあり方を問う、ヒューマンミステリー!

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

終末期医療と安楽死の問題を軸に、二つの事件が交錯するヒューマンミステリーが描かれています。元プロ野球選手の妻が殺害された事件と、青年が転落し安楽死の疑いがかけられた医師との関係が、検察官の華岡を通じて...

感想・レビュー・書評

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  • 元プロ野球選手の三和田明が帰宅したところ、妻が殺害されていた。
    犯人として夫である三和田明が逮捕され、裁判でも有罪確実とみられていた。
    しかし裁判が進行中に、田中真司と云う銀行員が三和田宅から逃げ出す男を目撃したとの証人が突如現れ、裁判員たちはこの男の証言に真実味があるとの印象を受けたのか、無罪判決となった。
    この突飛に現れた田中真司と云う証人に、買収なども含めて黒い噂の絶えない辣腕弁護士の駒形が、何やら働きかけがあったのではとの噂があった。
    検察官の華岡は、すんなりと無罪判決を受け入れることができず、控訴を目指して再度緻密な捜査を行うことを決意する。

    事件を再度精査していたところ、証人の田中真司の息子が三和田明が借りているマンションから落ち、瀕死の状態となる。
    父親の田中は、もはや命の助かる見込みのない息子が苦しむ姿に耐えられず、担当医に楽にしてやって欲しいと告げる。
    そして直ぐに息子は息を引き取ることになるのだが、田中が担当医に安楽死の依頼をしていた会話をベテラン看護師がたまたま耳にし、信頼のおける同病院の医師に相談した結果、担当医を告発することになる。
    検察官の華岡は、担当医が田中真司の息子の安楽死に加担したのではとの疑いを抱く。

    三和田明の妻の殺人事件と、田中真司の息子に対する安楽死の疑いが複雑に絡みながら物語は進む。

  • 検事の華岡徹(はなおか とおる)が抱える二つの事件の間には奇妙な繋がりがあった。
    プロ野球選手の妻が殺害された事件と、マンションの十階から転落した青年を医師が家族の希望で安楽死させた嫌疑。
    調べるほどに、関係者が複雑に絡み合っていることが分かってくる。
    そして、どちらの事件にも、駒形惇一郎(こまがた じゅんいちろう)という凄腕の弁護士が立ちはだかっていた。これがなかなかの悪者で。
    しかし、弁護士との対決よりも、関係者に対する聞き取り調査の様子が詳しく描かれる。
    会話が綿密に再現される。
    何度も繰り返し同じ質問をし、相手は何度も否定する。
    一見、同じやり取りを繰り返しているようだが、ちょっとした反応や、言葉の選び方により、人物像がどんどん立体的になっていく気がした。
    特に、最初は頑固で鉄仮面のように思えていた山中医師が、どんどん、芯のぶれない立派な人物に思えてくる。
    転落した田中淳(たなか あつし)の父親・田中真司は医師に息子の安楽死を頼んだのか?
    華岡自身も、幼い頃に病死した父親の死に方に疑いを持っており、家族とうまくいっていない。そして今、末期癌の母親の終末医療について選択を迫られている。
    山中医師に尋問を繰り返すうちに、華岡の方も気付かされることがあったようだ。
    安楽死問題は、簡単には答えが出ないものである。

  • 安楽死、難しい問題だよね。

  • 元プロ野球選手の妻の殺人事件とニートの自殺。この二つの事件が関係している事に気づいた検察官の捜査。安楽死問題が最初から最後まで重奏低音で響いていて、こちらの方がテーマのようだった。

  • ただのミステリーかと思いきや、バックに「安楽死」というテーマがありました。
    悩めば悩むほど解がないように思えます。
    本人の希望通りにと思いますが、そう簡単には割り切れませんね。

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著者プロフィール

一九四七年、東京都生まれ。八三年「原島弁護士の処置」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。八八年「絆」で日本推理作家協会賞、九〇年「土俵を走る殺意」で吉川英治文学新人賞を受賞。他に「仇討ち東海道」「遠山金四郎」「風烈廻り与力・青柳剣一郎」「栄次郎江戸暦」「蘭方医・宇津木新吾」「親子十手捕物帳」「八丁堀赤鬼忠孝譚」「義賊・神田小僧」シリーズなど著書多数。

「2023年 『剣の約束 はぐれ武士・松永九郎兵衛』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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