日本推理作家協会賞受賞作家 傑作短編集(11) 1日1話で読む6つの数奇な物語 (双葉文庫)

  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575659054

作品紹介・あらすじ

歴史ある日本推理作家協会賞を受賞した作家たちが綴った珠玉の短編を、テーマごとに収録した短編集シリーズ。第十一弾となる本作は、思いもよらぬ出来事に左右される、数奇な生涯を巡る6編の物語を収録。極上のストーリーと精緻な文章を味わう、まさに至高の1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 小説現代1997年6月号鏡の国のペンギン:加納朋子、野生時代1990年4月号君の住む街で:斎藤純、ミステリ・マガジン1998年9月号事情聴取:佐々木譲、高2コース1963年8月号空漠の記録:笹沢左保、小説宝石1977年2月号時計のある広場:清水一行、EQ1991年3月号センチメンタル・ジャーニー:志水辰夫、の6つの短編を2021年6月双葉文庫刊。日本推理作家協会賞受賞作家傑作短編集シリーズ11作目。加納さんの女子高生の落書き行為に秘められた謎、斎藤さんのサーブ96V4(表紙絵にある)のオーナー調査にまつわる人々の謎、笹沢さんの目撃者の誤認を突き止める刑事の執念、の3編が特に興味深く、面白かったです。解説の山前譲さんによると割切れない人間心理をベースとした事件をテーマにしたそうですが、相変わらずこのアンソロジーの収録方針は謎です。

  • 【収録作品】「鏡の国のペンギン」加納朋子/「君の住む街で」斎藤純/「事情聴取」佐々木譲/「空漠の記録」笹沢佐保/「時計のある広場」清水一行/「センチメンタル・ジャーニー」志水辰夫
     男性作家諸氏の作品は、時代がかった言葉遣い、価値観に閉口した。

  • さすがの粒ぞろい。
    でも、加納さんの作品、短編といえば短編だけど、連作で底にある1つの事件がいくつも章を積み重ねて解決するタイプだから、これだけ読まされると完全に消化不良。選がよくないんじゃないかなぁ。
    過去に売った自動車の行方を追う「君の住む街で」はすごく好き。
    「空漠の記録」目撃者の記憶の曖昧さは目新しいネタではないけど、なんとも曰く言いがたい。
    「時計のある広場」も、偶然に入った写真展で妻が写った写真を見たのがきっかけに始まる物語というのが面白い。こういうのはすごく好み。

  • 一日1話、6人の有名な作家の短編集。
    コロナワクチンの接種の待機に、本を持参して、読んでいた。

    最初の加納朋子氏の「鏡の国のペンギン」は、トイレの花子さんを思い浮かべてしまった。

    齋藤純氏の本は、読んだことが無かったのだが、車好きが、読みたくなるのでは、・・・・と、思いながら、40年程前に、主人が、フェアレディ―ℤで、迎えに来てくれたのを思い出して読んでいた。
    これは、1969年に売買した1台のサーブ96Ⅴ4を捜し出すという難題を達成する主人公なのだが、・・・・依頼者の社長の思いを考えながら、どう報告するのか!と。

    佐々木譲氏の警察小説は、好きである。
    「事情聴収」ニューヨークが、舞台である。
    そこに在住している日本人が強盗で、銃撃された。
    犯人は17歳の少年。
    撃たれた男は、もてて、独身で、女性関係も複雑であったのだが、・・・ビビアンという1歳息子を持つ女性。
    家族思いの男兄弟4人。と、いう最後の行の女性の姓が、・・・決定的!
    上手い設定。

    笹沢佐保氏は、ミステリーでも大御所。
    「空漠の記録」19歳の女性が殺された事件で、逃げる半人を目撃者が、4人。
    誰でもが、ひかかりそうな、連鎖反応で、一人が、「若い男」と、言ったら、先入観念で、皆が、「若かった・・・」と、答える危うい危険性。

    清水一行氏の企業にまつわる経済小説が、有名である。
    「時計台のある広場」は、写真展での組み写真で、自分の妻と思われる写真を見つける。
    それは、妻から聞いていない北海道での写真である。
    妻の過去も、知らずに、不倫をしていた事が、判明されるし、妻の行方不明で、主人公は、不倫相手の奥さんからの情報で、逗子へ向かうのだが、・・・・
    主人公の夫が、一番の被害者であると、思う。

    志水辰夫氏は、冒険小説もだけど、時代小説も・・・
    「センチメンタル・ジャーニー」歌では、無いけど・・・・(笑)
    高校生の金塊集め(?)の話といえばいいのかな?
    アルバイトでためたお金で、バイクに乗り、いろんな鉱石を探しに行くのだが、・・・・受験の前に、自分の夢と努力と忍耐で、集めていく砂金が、金塊への夢を抱いている姿なのだが、・・・話が、長い様な気がしながら、読み終えた。

  • 私にはイマイチかな

    スッキリした結末が全て良いとは言わないけど、ある程度は解決してほしいんだよなぁ。いろんな謎が回収されない感じがして少し消化不良かな。

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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