日本推理作家協会賞受賞作家 傑作短編集(12) 1日1話で読む6つの深き謎 (双葉文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575659061

作品紹介・あらすじ

歴史ある日本推理作家協会賞を受賞した人気作家たちが綴った珠玉の短編を、テーマごとに収録した短編集シリーズ。第十二弾となる本作は、驚きの真相に満ちたバラエティ豊かな6編の謎を収録。意外な犯人、衝撃の結末……。極上のストーリーを1日1話ずつお楽しみください。

感想・レビュー・書評

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  • 2021年6月双葉文庫刊。日本推理作家協会賞受賞作家傑作短編集シリーズ。受賞作家さんのアンソロジーなので受賞作は載っていません。シリーズ4,5作目の妖異、幻異は読みましたが、もう12作目までになってるんですね。表紙絵は「危険がレモンパイ」です。このお話は、動機が曖昧なまま終わってしまい、少し消化不良気味です。北村さんの「しりとり」は、好きな話で楽しいです。が、全ての作品について、深き謎というフレーズは適切ではなく、どういう基準で選んだのかよくわからないアンソロジーです。結局、好みの作家さんを楽しんだだけで終わりました。【収録】岡嶋二人: 危険がレモンパイ、笠井潔:硝子の指輪、木々高太郎:死固、北村薫:しりとり、北森鴻:十五周年、連城三紀彦:二つの顔

  • 【収録作品】「危険がレモンパイ」 岡嶋二人/「硝子の指輪」 笠井潔/「死固」 木々高太郎/「しりとり」 北村薫/「十五周年」 北森鴻/「二つの顔」 連城三紀彦

  • 先日、6つの数奇な物語を読んだところだった。

    6人のミステリー作家が、謎をテーマに描いている。

    岡嶋二人氏の「危険がレモンパイ」は、墜落した死体にレモンパイのクリームが、べったりと、ついていた。
    そこには映画の撮影が、ビルの屋上で、成されていたのだが、・・・・少し、若者の行動が、「ドッキリ」カメラのテレビの影響が強いのか・・・ひどすぎるような話である。

    笠井潔氏の「硝子の指輪」
    同居していたタイ人の女性。その彼女から粗末なガラスの指輪を貰った岩城は、結婚指輪のつもりだったのだろうか?
    殺された時には、岩城の妻は、指輪等つけていたのを見たことは無いと・・・・
    エイズ問題が、この殺人の謎の焦点であるが、同居していたタイ人の娘の将来は?どうなるのだろうと、思ってしまった。

    木々高太郎氏の「死固」
    ちょっと古い小説家である。
    この時代背景で、女中という言葉、(いまはお手伝いさん、ハウスキーパーか?)そして、小僧の達どん(14歳)というのが、今の時代にない所である。
    医学的知識も満載で、ロシア文学も話題に入れている。
    死後硬直の時間差を、どのように解明するのか?
    筋肉内の乳酸が、問題の謎を解くカギであったのだが、どんな薬だったのかは、謎のままにしてあった。

    北村薫氏の「しりとり」
    「しりとりや 駅に    かな」ベッドで、和菓子のの入っていた紙に書いて、間のあいだの開いたところに和菓子を置いた意図は・・・・
    きみしぐれの和菓子。
    きみしぐれ=きみ+みし+しぐれ
    (見しは、夫婦になる妻にするという意味もあると)
    とおい日の自分の消滅と共に消えゆく夢のような記憶を・・・謎を解くには、深い意味合いであった。

    連城三紀彦氏の「二つの顔」
    画家の主人公の真木が、自宅の寝室で、妻を殺害して、庭に埋める。
    それなのに、妻の死体が、新宿の安ホテルで、同じような死体(顔を潰された状態)で、見つかるのだ。
    錯乱してしまいそうな、・・・・
    でも、弟は、兄の妻と不倫、そして性悪女にもひかかっていた。
    そんな中、兄が妻を殺したのを、不倫の後、家に隠れて見ていたのだった。
    弟が、兄へ罪を着せようとしていたのだが、兄にアリバイが、出来た為に、共犯者として、告白するのだが、・・・・
    最後まで、書かれていないが、・・・・
    しずかに眠れとは・・・・永遠になのか???と、思わせる終わり方だった。

    1冊で、6つのミステリーを堪能した。
    北森鴻の「十五周年」

  • なんて贅沢なアンソロジー。
    お目当ては北森鴻さんと連城三紀彦さんだったけど、他の作品もどれも読み応えばっちり。
    「死固」だけは、ちょっと犯則技では?と思わないでもなかったけど。
    北村薫さんのあれは、しんみり心に沁みる。
    あんなメッセージを残されたら一生忘れない。
    連城作品のあのひっくり返しもお見事。
    どこに着地するかと思ったらそうだったのか。
    北森さんは香菜里屋で嬉しい。
    これ、シリーズで色々出ているようなので他も読んでみようかな。

  • 6人の作家による、6話の短編集。

    どれもこれも、なるほど! なものでした。
    殺人から、日常まで。
    ただ、昔の話も入っているので
    今は使わないものが出てきたり。

    5つ目の話もすごかったですが
    さらなる…な状態なのが最後。
    これは、どうしろと…。

  • 木々高太郎のものは江戸川乱歩を感じてよかった。他のものも読んでみたい。
    それ以外は駄作すぎてビックリした。ひどい。

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著者プロフィール

岡嶋 二人(おかじま・ふたり)
徳山諄一(とくやま・じゅんいち 1943年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 1950年生まれ。現在は井上夢人)の共作ペンネーム。
1982年『焦茶色のパステル』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。86年『チョコレートゲーム』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『99%の誘拐』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年『クラインの壺』が刊行された際、共作を解消する。井上夢人氏の著作に『魔法使いの弟子たち(上・下)』『ラバー・ソウル』などがある。

「2021年 『そして扉が閉ざされた  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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