紀伊の変 ─ 居眠り磐音江戸双紙 36 (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575664928

作品紹介・あらすじ

新玉の紀伊領内が白一色に染まる頃、坂崎磐音、おこんらは姥捨の郷に寄寓し和やかな日々を送っていた。そんな折り、田沼意次によって幕府財政立て直しを図る命が発せられ、高野山に眠る鉱脈にもその手が伸びようとしていた。一方江戸では、磐音の書状が笹塚孫一を通じて品川柳次郎にもたらされ…。春風駘蕩の如き磐音が許せぬ悪を討つ、著者渾身の書き下ろし長編時代小説第三十六弾。

感想・レビュー・書評

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  • (2023年10月24日から26日にかけて読破)
    新玉の紀伊領内が白一色に染まる時期。坂崎磐音とおこんらは、姥捨の里に寄寓して、和やかな日々を送っていたが、田沼意次によって、幕府財政立て直しを図る命令が発せられ、高野山に眠る鉱脈に、その手が伸びようとしていた。江戸では、磐音の書状が笹塚孫一を通じて、品川柳次郎にももたらされた…。真剣勝負、暗闇になる場面があり、少しヒヤヒヤした。

  • 雑賀衆だけでなく、高野山と紀州徳川家まで巻き込んで田沼派への対抗勢力がどんどん大きくなってきた。
    着実に新たな人脈を築いてゆく磐音が、田沼失脚にどう関わり、その後江戸でどう復活してゆくのだろうか。
    次のシリーズで主役を張る空也が、幼少の頃にどのような環境で育てられるかも興味深い。

  • 丹を幕府管理下に置くように、と紀伊の隠れ里に持ち込まれた案件。
    密かに丹を産出し隠れ里の資金としてきた雑賀の人々には到底受け入れられないため、雑賀の男衆代表と磐音は同じく丹を産する高野山へ赴き和歌山藩と話し合うことに。
    そこで今度は将軍候補を巡る藩を二分した争いに巻き込まれる一行。
    その頃江戸では仲人不在で品川家の嫁取りの雲行きが怪しくなり、今津屋老分由蔵が仲人を新たに考え…とこちらも話が進みます。
    品川さんにようやく春が来ておめでたい終わり方でしたが武左衛門の屑ぶりがひど過ぎて「もう縁を切った方が良いのでは…」と何度思ったことか。

    歴史の上での田沼失脚までまだ数年、主人公一行が大手を振って江戸に戻れるまであと何巻かかるのか…。

  • ようやく安住の隠れ里を見つけたかのように思えた磐音たちだったが、相変わらず紛糾の種は尽きず、今度は和歌山藩と高野山を巻き込んだ騒動に巻き込まれる羽目になる。

    かたや江戸では品川柳次郎の婚姻話が持ち上がり、江戸と紀伊、遠く離れたふたつの地の物語がテンポよく語られる。

    ラストの武左衛門のしめくくりはなんとも良かったな。
    季節は動き、物語の中の時間が流れているのを感じる。

  • 2020.05.03読了

  • 久々の磐音シリーズ。安心感しかない物語運び。

    和歌山のお家騒動?に関わりつつ追手を逃れる磐音にいつ平穏は訪れるのか。なのになんかのんびり感があるのは彼の人柄でしょうか。

    柳次郎の婚姻が無事に済んでよかった

    2020.02.24
    24

  • 無事に、雑賀の隠れ里に迎え入れられ、新たな年を迎えた磐音ら。

    新年早々、磐音の後継、空也誕生。
    そして、今回も磐音の人柄によって様々な善きひとたちが守られたことは重畳です。

    高野山と雑賀の里然り、
    雹田平の側近おつなを斃すことができ、
    江戸では、品川さんの祝言。

    田の字で、鬱々としていた気持ちが少しだけ軽くなった読後感でした。

  • 佐伯泰英さん、居眠り磐音シリーズ36巻「紀伊ノ変」読了。空也と姥捨ノ郷から離れ磐音が丹の採掘問題に奔走する。相変わらずの人の良さと剣の腕前で道を開き、問題解決に導く。雹田平の手下、おつなを仕留め、しばらくは姥捨ノ郷も安心か?江戸でも品川さん、お有さんの祝言の準備や幸吉の昇格あり。武左衛門はいつまでも変わらない。今後の磐音、辰平、利次郎の修行も楽しみ。

  • 最終巻で

  • 尾張、紀伊と御三家の国々巡りが続きます。

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著者プロフィール

佐伯 泰英(さえき やすひで)
1942年福岡県北九州市八幡西区生まれの小説家、写真家。日本大学藝術学部映画学科卒。当初は冒険小説や国際謀略小説を中心としたミステリー小説を執筆していたがヒットに恵まれず、編集者からの勧告に従って時代小説家に転身。初の書き下ろし時代小説『瑠璃の寺』がヒットし、以後作家活動は軌道に乗っていった。
代表作として、『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』のタイトルでドラマ化された『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズ、『吉原裏同心』シリーズなど。

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