- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575665451
感想・レビュー・書評
-
2019年12月21日、読み始め。
第一弾・遠き祈りに続く、第二弾。
前弾は、初めて読む「浪華の事件帳」につき、不慣れな部分があったが、今回は、もっと楽しめそう。
以下は、メモ書き。
・若狭---縞木綿の小袖を身につけ、町人髷を結っている。
・難波新地---いったん火除明地になった後に町屋敷が復活した土地や、武家屋敷から町屋敷に変わった土地を俗称で新地と呼ぶことが多い。難波新地や曾根崎新地は、繁華街になった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大阪の守る在天別流の男装の麗人 左近は商家の娘の拐かし事件を調べていくうちに、浪人 天宮一馬と出会う。
天宮は過去に自分と恋人を裏切った"左近"という男を探していた。
8年前に在天別流で自分の前に"左近"の名を使っていたのは誰なのか…。
左近殿はやはり神出鬼没で凛々しい緒方洪庵事件帳の方がいい。
主人公にしてしまうと やはり弱さや迷いの部分も出さないといけないからなぁ…。 -
緒方洪庵シリーズの登場人物の一人だった左近が独り立ちして「左近シリーズ」となり早くも第二弾。
はるか古、推古天皇の時代に百済の使者が伎楽を奉納した際に、聖徳太子の命により百済の使者の弟子として学んだ少年達がその後、四天王寺に楽所を設け仏事の際の奉納舞や楽を行うようになった。四天王寺に在るから「在天楽所」と云う。そして時代が変わり帝から「武芸を磨き身命を賭して浪華の地の守護者となること」と密命を受け、帝が浪華の地を離れてもその密命を連綿を受け継いでいる裏の組織が「在天別流」。
左近は今の在天別流の長である弓月の腹違いの妹であり、数年前に浪華の地に兄を訪ねてきて以来、在天別流の一員として活動している。普段は四天王寺のそばの饅頭屋にいるが何時も男のような着流しで剣もそこそこ使うというのがなかなか魅力的な人物設定の左近。
今回も商家の娘の拐かし犯を追うさなかに街で偶然出会った浪人・天宮一馬が「七、八年前に出会った左近という名の男を探している」ということから自分と同じ名を名乗る人物は誰だったのかが気になり、一人で探索をするなと言われながらも深みに嵌る。
今回の物語を通じて在天別流の組織や兄・弓月そしてその右腕の若狭らの若かりし頃が語られ、更に在天別流の懐の深さが際立つ作品になっている。 -
高麗屋の饅頭が食べてみたい。どんなだろ。