徒然ノ冬-居眠り磐音江戸双紙(43) (双葉文庫)

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  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575666168

作品紹介・あらすじ

師走の空に奴凧が舞い、江戸に年の瀬の風情が漂う頃、小梅村の坂崎一家と尚武館の門弟衆は、田沼一派の手にかかり矢傷を負った霧子の回復を願う日々を送っていた。幕閣内では田沼意知が若年寄に昇進し田沼父子の権力が頂点を極める中、磐音らは未だ眠りから覚めない霧子を小梅村に移送するため若狭小浜藩江戸藩邸を訪れるが…。超人気書き下ろし長編時代小説第四十三弾。

感想・レビュー・書評

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  • 霧子さんが回復してよかった。

  • 毒矢を受けて生死の境を彷徨っていた霧子が、未だ意識は醒めぬものの、尚武館へ帰ってきた。
    そんな霧子の快復を軸に、尚武館の面々の未来が少しずつ形になり始める今巻。

    イライラさせる名人だった武左衛門が、別人のようになったのには驚き。人間、いくつになっても変われるのだな。笑

    関前藩から、思いがけない俸給をもらい、手狭になってきた道場を増改築することになりました。
    磐音の周囲にはどんどん人が集まってきますね。
    これも磐音の無欲さや人徳の高さなのでしょう。

    物語は大団円へ向けて静かに、そして力強く動いているのを感じます。

  • 今回ははでな斬り合いのシーンは無い代わりに、霧子の回復を中心に磐根のまわりの人物達がそれぞれにあたらしい生き方を見つけようという展開、長い連載において作者の巧みな展開に一気読み。すこしマンネリ化したシーリーズだが、自作が楽しみになった

  • 胸のすくようなチャンバラシーンも特になく、様々な人が少しずつ顔を出し、全体的に意地を張らなくなりつつある。
    あれだけイライラさせられた武左衛門が物わかりを示し、霧子も一人の女の顔を見せ、弟子達も旅立ちを考え始める。
    確実に物語の大団円に向けての準備が始まっている。

  • 居眠り磐音江戸双紙43~霧子は毒矢を受けて一命は取り留めたが,夢の中を彷徨っているようで目を覚まさない。小梅村へ帰ってきたが,皆が心配する中,磐音は三七二十一日の型稽古で快復を祈る。それを知った利二郎も辰平も稽古に加わった。稽古納めの日,利二郎を相手に霧子に向け,気を放つと,霧子の閉じていた目が開かれた。今津屋からは山形の奈緒の夫が事故死した知らせで,関前藩主から下げ渡された150両の半金を為替として送った。更に,出稽古に通う紀伊徳川家から500両を受け取り,道場の増築を決意する。辰平の思い人で福岡の豪商の娘が春に江戸へ来ると聞き,辰平には紀伊藩からの士官の声が掛かる~空也が小田の訛りを真似て可愛い

  • 霧子が助かってホッとしました。
    ますます磨きがかかる磐音さまの剣の腕、
    人としての奥の深さ、
    今後の展開がまた楽しみです。

  • 前作で 毒矢で意識を無くした霧子の回復までがメイン。それと、許嫁だった奈緒の話しが淡々と続く。43作目ともなると、なかなか盛り上げをつづけることも難しいか・・・

  • 霧子さんが無事に回復して本当に良かった。
    過去を吹っ切って優しくなり更に魅力的な女性になった印象です。利二郎の粗忽なところといいバランスのカップルだと思います。でぶ軍鶏、痩せ軍鶏の人生が大きく変わるときが近そうで感慨深いです。
    苦労が絶えない奈緒さんも、何やら関前藩に戻るような可能性が匂います。
    血生臭い話が殆どないこんな展開もたまには良いですね。

  • 毒で意識を失ったままの霧子を中心に進みました。
    無事に回復して本当に良かったです。

    少しずつ登場人物の進む先がはっきりとしだしたので物語が終わりに向かっているのだと意識させられました。
    母親に甘やかされた竹村家の長男の進路も決まり、ようやく落ち着いたようで良かったです。竹村家は父親が問題だと思っていましたが母親も違う意味で問題だったのですね。
    尚武館に通う門弟も増えて道場の拡張も決まり、明るい話題ばかりで良かったと思っていたら山形の奈緒が苦境に陥っているとの知らせが…。
    彼女ばかりが不幸になっているようで読んでいて辛いです。

  • 前作で田沼一派の攻撃により毒矢を受けた霧子と、彼女を見守りなんとか正気を取り戻そうとする磐音たちの懸命の努力と祈りから物語は始まる。

    どちらかというといいとこなしの武左衛門がなかなかいい味を出しているし、利次郎の愛情と優しさが温まるし、磐音たちの結束や絆が描かれた一作だった。
    長寿シリーズになると脇役端役にも味が出てくるものだけれど、本作もまさにその通りで、さまざまな登場人物たちの人生が、物語の本筋から時々逸れつつも色どりになっていていい。

    それにしても、田沼一派と緊迫した関係は続いても和気あいあいと仲の良い江戸坂崎道場の面々に引き比べて、かわいそうなのは磐音の元許嫁の奈緒だ。
    藩騒動に巻き込まれて実家は断絶、家族のために遊女となり、吉原の太夫に昇りつめて山形のお大尽に見初められて落籍されたと思いきや先だってはその夫が巻き込まれる紅花騒動が起き、そして今度はこれか・・・と、艱難辛苦も極まれり、で、作者が用意した境遇が不憫でならない。

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著者プロフィール

佐伯 泰英(さえき やすひで)
1942年福岡県北九州市八幡西区生まれの小説家、写真家。日本大学藝術学部映画学科卒。当初は冒険小説や国際謀略小説を中心としたミステリー小説を執筆していたがヒットに恵まれず、編集者からの勧告に従って時代小説家に転身。初の書き下ろし時代小説『瑠璃の寺』がヒットし、以後作家活動は軌道に乗っていった。
代表作として、『陽炎の辻〜居眠り磐音 江戸双紙〜』のタイトルでドラマ化された『居眠り磐音 江戸双紙』シリーズ、『吉原裏同心』シリーズなど。

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